フードロス対策と売上拡大の課題を一挙解決。規格外トマトを使った加工品の商品化への取り組み。

IoTを駆使したスマート農業を展開している株式会社ベジ・アビオ。フードロス削減の一環として、豊作期に収穫したトマトや規格外品をジュースやドライトマトに加工製造して発売しています。SDGsの目標の一つに「つくる責任 つかう責任」という項目もある通り、食品の廃棄を減らす取り組みは社会的にも重要な取り組みです。

商品開発を一から手掛け、2022年2月には社長に就任した山﨑瑶樹さんに、どのような経緯で商品が生まれたか、またこれから目指す農業ビジネスの在り方などを伺いました。

フードロス削減から始めた加工商品が、事業の新しい芽に

―どのような経緯でフードロス削減に取り組み始めたのですか?

山﨑 2020年に赴任したのですが、当時からサイズや形の問題で規格外品だけど食するには問題ないトマトは、直営店で安価で販売していました。しかし収穫のピーク時には、それにも限界があって。その上、他のトマト農家も豊作になると、トマトの市場価格が全般的に下がってしまうため、規格外品については、泣く泣く廃棄処分していました。SDGsの観点からフードロスの削減は課題ですし、経営的な視点では何とか売り上げに繋げたいし、処分するにしても廃棄のための経費がかかる。どうにかしたいと思案していました。

傷やサイズ、形などで価格が下がってしまうおいしいトマト達

―なぜ加工品を開発しようと思ったのですか?

山﨑 調べてみると世界的に見て日本のトマトの消費量は低く、多い国では一人当たり年間2トン近く消費しています。どうしたらそんなに食べてもらえるのか?それがわかれば、当社の規格外のトマトも廃棄せずに済むと思い、さらに調べてみることに。すると海外では、日本のように生でトマトを食べることはほとんどなく、ピューレやペーストに加工して料理に使用しているから消費量が多くなっていたのです。これはフードロス削減につながる、と思い加工商品の開発に着手しました。

―どのような商品から手掛けましたか?

山﨑 加工製造を委託できる企業を探し、トマトジュースから始めました。ジュースには大手企業が既に製造・販売しているので、製品化しても売れなかったらどうしよう…正直、不安でした。しかし、試験的に作ってみると、これまでに飲んだトマトジュースとは別次元の想像以上においしいものができました。元々ベジ・アビオのトマトが高糖度なトマトだったことが大きな違いを生んだのだと思います。これなら大手の商品と明確な差別化が図れると思い、商品化に踏み切りました。ネーミングは「そのママとマと」。甘みと旨味を凝縮して、保存料や添加物を加えていないので、当社が作る高糖度トマトそのままのおいしさを味わえます。農閑期でも定期的な収益にもつながり経営が安定することも大きなメリットです。

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