新潟の農業活性化に役立つ仕事を ― その考えに共鳴して転職、自らの使命と受け止めて挑戦する日々

2018.01.22 Mon

本当は社長業より現場が好き(笑)
でも、支えてくれる人たちにはちゃんと応えたい

創業から一歩一歩前に進んできた田中社長。朝はスタッフとの朝礼後、必ず生産施設に入り、苗やトマトの様子を観察します。「ICT管理とはいえ、生き物なので、毎日ちゃんと顔色を見ないと心配なんです」と言う、根っからの現場好き。しかし、立ち上げたばかりの会社で多くのスタッフを抱えることもできない事情もあって、社長業は多岐にわたります。経理、渉外、商品管理や研究ほか、仕事の進捗と共にどんどん増えていく状態。時には忙しくて大切な現場を見に行けないことも…。

名刺やチラシに関するデザイナーとの話し合いも田中さんの仕事。時には手ずから売り場のポップを作ることもあるのだそう。


「社長業って、起業前に自分がイメージしていた仕事とは全然違うな(笑)」。
時にはへこむこともある田中さんの心を奮い立たせるのは、「うまく言葉にできないのですが、使命感とか責任感とかに近い思い」だそうです。
「まずはNSGグループに100%出資してもらっています。自分だけのお金だったら、もういいや、ってあきらめてしまうかもしれませんが、人様のお金を預かっている立場なので、簡単には投げ出せない。また、人気のイタリアンレストランや大手スーパー、生産者市場などに商品を卸すことができたのは、すべてNSGグループの方々の紹介があったからなんです。個人の努力ではとうてい無理なことも、グループ全体のパワーに後押ししてもらいました。それがグループ外の地域の方からの支え、協力にもつながり、今の形になってきた。その恩に報いなければ、という責任感でしょうか。そして、最初に心を動かされた、新潟の農業を活性化したい、という思い。遠い目標ですが、自分はこのために転職してきたんだ、このために努力してきたんだ、という使命感に似たようなものに支えられている気がします」。
トマトの流通だけでなく、苗についても、自治体の農業委員会やJAの人たちが視察や相談に訪れるなど、少しずつネットワークが広がってきています。

ブランド化にはネットワークづくりが必要
食料農業大、医療福祉大との連携にも期待

「苗もトマトも、まだまだよちよち歩きですが、ブランド化の計画も今から考えていかないと」という田中さん、ブランド化のためには、ネットワークづくりが欠かせないと言います。
「新潟農業・バイオ専門学校、新潟医療福祉大学と今春開学する新潟食料農業大学、研究面では産学連携が欠かせないと思います。トマトはもっとおいしくしていきたいし、食品の機能性についてももっとエビデンスがほしいし、積み重ねていくことが大切だと思います」。
また、苗でも作物でも、一つの農家、一つの企業だけが頑張ってもだめ、地域全体が手を取り合って一大産地にならなければいけないと考えています。「一軒だけでは弱いんですよ。でも、共同で一大産地になれば、活性化につながりますよね。米以外の作物で中核となるような何かを、地域の人たちとともに探っていきたいですね」。
さらに、「扱う苗や作物も、現在のトマトだけでなく、キュウリ、ナス、スイカ、薬用植物など、必要に応じてどんどん増やし、県内の農家さんに供給していきたい。一方、流通面では、県内消費だけでなく、いずれは県外、首都圏へのルートも開拓しないと…。新潟の野菜を全国区にするためには、生産現場で品質アップを図るとともに、流通ネットワークも広げなければならないので…」と、田中さんの“やることリスト”は増える一方です。
「思いはあっても道ははるかです。自分の年齢を考えると、あと何年……なんて考えて焦ってしまうこともありますが、へこたれないで新潟の農業に貢献できるよう、一歩一歩頑張っていきます」。
株式会社ベジ・アビオ
本社:新潟市中央区長潟2-1-4
生産施設:新潟市北区新富町1419-50
TEL025-278-8062
FAX025-278-8063

田中一幸(たなか・かずゆき)
1961年新潟市生まれ。56歳。玉川大学農学部で農芸化学を学ぶ。卒業後、製薬関係の会社で、洋ラン類を中心としたクローン植物苗などの育苗を担当。2014年、新潟の農業に対する池田代表の考えに共鳴し、NSGグループに転職。農業関係の事業について起業の計画を練り、NSGグループの出資を受けて2016年に株式会社アビオを設立。2017年8月に新潟県初の環境制御型の生産施設が完成。2018年1月、新潟県内イオン各店で、同社の高糖度トマト「とマとマとマと」の販売がスタート。

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