学生が地域の課題を解決。 実践的な教育で成長し、Jリーグクラブなどへ就職。

2022.08.25 Thu

毎年Jリーグクラブへ卒業生が就職を果たしているサッカー総合専門学校「JAPANサッカーカレッジ」。その背景には、Jリーグクラブと同じような活動の積み重ねがありました。Jリーグクラブは本拠地を「ホームタウン」と呼び、地域社会と一体となったクラブづくりを行っています。学生たちは「JAPANサッカーカレッジ」のホームタウンである聖籠町と連携し、地域社会と一体となったクラブづくりを疑似体験し成長を遂げています。

どのような思いで教育に地域貢献を取り入れてきたのかを、JAPANサッカーカレッジ 学校長 中村 勉さんと、サッカービジネス科 教務 石坂 学さんに伺いました。

学生が主体となり、ホームタウンの課題解決に貢献

-学校が地域貢献活動に力を入れ始めたきっかけは?

中村 Jクラブは本拠地を「ホームタウン」と呼んでいます。また、「Jリーグ規約」には、Jクラブはホームタウンと定めた地域で、その地域社会と一体となったクラブづくりを行いながらサッカーの普及、振興に努めなければならないことが記されています。私たちがホームタウンである聖籠町に貢献したいと取り組んでいるのはその理念に沿っています。取り組みは2008年からはじまっており、信頼関係を築くべく地域と一体となり活動を行っています。
例えばその一つの例を上げますと、学生主導により校内外でアルミ缶を集めて換金し、福祉器具を購入して聖籠町へ寄贈するという取り組みを行っています。

石坂 これは14年間毎年継続した取り組みで、車椅子や歩行器などを寄付させていただき、聖籠町の役場や施設でお使いいただいています。昨年は北信越フットボールリーグのホームゲームで聖籠町に贈呈するというセレモニーを行いました。

 

-聖籠町への、課題解決提言プレゼンテーションという活動もされているそうですね。

中村 地域と連携して課題の解決に挑戦することをサッカービジネス科の授業の一環として行っています。昨年までは学校内でコンテストを実施し、その中の上位2.3チームが聖籠町の教育委員会に対してプレゼンテーションを行わせてもらいました。今年は、聖籠町長をはじめ様々な部署の方に集まっていただき、学生のプレゼンテーションに真剣に耳を傾けていただきました。

-実際に実現に至った提案はありますか?

石坂 防災意識を高める事を意図して、サッカーと防災を掛け合わせたイベントを提案しました。「サッカーを通じて、地域の方ともっとふれあいたい」という想いからスタートした企画で、聖籠町の皆様から提案を高く評価していただき、小学校で「楽しい防災訓練を」と題したイベントを実施しました。体を動かしながら防災の初期動作を学んだり、チームでサッカーボールをリレーしながら災害時に必要なものを学んだりしました。

 

地域活動を通じて人間的に成長し、自信を得る

-行政機関と一緒に活動に取り組んでいる点もJリーグクラブと同じですよね。

 

中村 その通りです。学生たちも地域住民のためになる活動を目指して意欲的に取り組んでいます。一生懸命さが町の人たちにも通じて、「頑張っているね」という声をかけていただくことがあります。それも地域活動を10年以上継続してきた成果だと思います。

-このような活動の内容はすべて学生さんが考えたものですか?

石坂 外部からの依頼という場合もあります。例えば小学校のPTA活動で、「学年行事で何かできないでしょうか」とお声がけをいただくこともあります。また地域活動をしている中で関わった団体から、「今後こういった計画があるので一緒にやりませんか」とお誘いを受けることもあります。このように学生の熱意と行動力が、新たな繋がりを生むケースが最近は多くなっています。

 

-活動に参加された学生さんは学ぶことが多そうですね。

中村 地域の方と直に接することで、授業やグラウンドだけでは得られない様々なことを学ぶ機会になっていますね。また、外部の方々と一緒に企画を実行することで学生たちも「やれるんだ」という自信を得ていると思います。

 

実践的な教育が評価され、卒業生がJリーグクラブに就職

-学校としても地域活動などの実践教育を重視されているのですか?

中村 実際に外部の方と活動することで、我々の目指す人材育成に繋がっていきます。そういった意味で地域の方と色々な形で接することができることは、大きな意義があります。このようなリアルな活動は本当に大切ですね。

-Jリーグのクラブからも高く評価されているそうですね。

石坂 Jリーグのクラブに当校の学生をインターンシップさせてもらっていますが、非常に高く評価していただいています。現場で力を発揮できるというのは、学校でクラブと同じような経験をしているからだと思います。

中村 Jリーグクラブは新卒を採用していない所が多いのですが、当校は年間を通じて実地研修をしているような環境なので、クラブは経験のある即戦力を採用する感覚でいてくれるのかもしれません。そうしたJクラブへの就職実績が注目されて、大学を卒業した方や社会人の方が全国から当校に入学してきます。

 

様々な地域活動を促進し、さらにサッカー界で活躍できる人材を輩出したい

-新しくチャレンジしようとしていることがあれば教えてください。

中村 今年5月に行われた新潟県知事選挙に引き続き、7月に行われた参議院議員選挙では、学校からバスを出して投票所に行きました。学生に少しでも政治を自分事として捉えて関心を持ってもらうため、投票前に事前学習を行い、選挙に参加する心構えから学ぶ機会を設けました。投票は社会との関わり合いを学ぶ良い機会でもあります。選挙のたびに若者の投票率の低さが話題になりますがそういった課題解決の一助になれるのではと考えています。また、他にも地域自治体の課題解決に協力できる事を、今後も様々な形で連携して取り組んでいきたいですね。

石坂 ここ数年は新型コロナウイルスの影響で地域活動に参加する機会が少なくなりましたが、この状況が落ち着けば、活動機会を増やせるのではないかと思っています。私たちは学生の地域に貢献したいという気持ちを実際の活動に繋げるバックアップをできればと思っています。そのような活動を通して、今後も即戦力として活躍できる人材を日本のサッカー界はもとより、海外クラブにも輩出し続けられるよう励んでまいります。

 

 

 

JAPANサッカーカレッジ

〒957-0103 新潟県北蒲原郡聖籠町網代浜925-1
TEL.0254-32-5357/FAX.0254-32-5358

トップページ(2022)

全国唯一サッカー総合専門学校「JAPANサッカーカレッジ」は、日韓ワールドカップが開催された2002年に開校し、多くの卒業生をサッカー業界やスポーツ業界に輩出しています。Jリーグクラブだけではなく、日本サッカー協会関連やサッカーの雑誌社、WEB会社、レフェリー、VARのリプレイオペレーターなどでも卒業生が活躍しています。

 

各種リンク