この本が目指しているのは、一歩進んだ地域振興の活動を進めるために必要な「地域の自立と活性化」を実現すること、さらには地方イノベーションに欠かすことのできない「民のリーダーの育成と強化」を実現することです。
そしてこの本に書かれていることは、日本がいま国策として取り組んでいる地方創生の現場でも必ず役に立つと確信しています。

内容紹介

強い地方のまちをつくり、日本再興を果たすための新潟発「地方創生実践論」。

地方の自立・活性化の具体策と、それに欠かすことのできない地域リーダーの育成案などからなる「地方イノベーション」を、実践的に説いた本です。
掛け声だけに終わりがちな地方創生をいかに実践・実現するか――主体的かつ自立した「民」とそれを支援する「官」、それぞれの役割と活動内容を具体的に提示します。
巻末に、増田寛也氏との特別対談「自立した地方のまちが日本を支える」を収録しています。

プロ
ローグ

地方だからこそ、変革できる

日本再興を担う「地方イノベーション」 / 大変革は、辺境から生まれる / 人生をかけて取り組む価値がある / 改革のリーダーを支えながら進める

第一章

地方イノベーション 実践の現場

教育を中心とする地域の創生 / 社会に安心安全な暮らしを提供する / 起業家支援と企業再生による経済の活性化 / 地域密着チーム「アルビレックス」の力 / 民間主導で地域の人々と共に盛り上げる

第二章

手本になる地方イノベーションの実践例

新潟・上古町の再生 / 二人のキーマンが再生を率先 / 「明和義人」が象徴するもの / 山形・鶴岡市の地方イノベーション / サイエンスパーク構想 / 日本を変えるモデルを地方でつくる

第三章

日本はいますぐ変わらなければいけない

「地方のまち」を襲っている深刻な人口減少 / 危機は「都会のまち」にも広がっている / 「中央集権」と「標準化」の功罪 / 核家族化の大きな影響 / 人々が安心かつ幸福に暮らせる状態をつくるために / 「中庸」と「多様」のまちづくり

第四章

「民」がまちの創生を進める

地域が主体的に動く「地域主権」を目指せ / 三五〇〇万人時代の地方の底力 / 主役は自立した「民」 / なぜ民の力が不可欠なのか / 故郷への思いを力に変える / つながりは必要不可欠なもの / 人々の力を結集して臨む

第五章

地方イノベーションの進め方

官民一体で盛り上げていく / 地域の中核企業によるイノベーション / 将来の繁栄につながる新しい芽を育てる / 「強い思いを持っている人」が新しい事業を生み出す / 行政の役割における「癒着」と「支援」

第六章

イノベーションを促進していくために

「夢を実現する場」にする / 魅力と誇りを再発見する / 郷土愛、地域愛を呼び起こす / 「地域のお祭り」の力と「おらがチーム」の役割 / たくさんのおらがチーム

第七章

国への提言

「次元の異なる政策」の意味すること / 「雇用」から「チャレンジの機会」へ / 「起業」と「イノベーション」で活路を開く / 国策で「挑戦者」の移住を促す / 大組織の余剰人員活用案について思うこと

第八章

地方のまちへの提言

それぞれが適していることを積極的に行う / 地方で未来の繁栄の種をまいて育てる / 「地方での介護」を成功させるための条件 / 移住促進は少子化対策の切り札になる / 究極の少子化対策に向けて

エピ
ローグ

挑戦者とリーダーを育てる教育を

安定志向からの脱却が必要 / リーダーを育成するための教育とは

対談

増田寛也氏 × 池田弘

自立した地方のまちが日本を支える / イノベーションを起こす人材を増やせ / 地方の中核企業の役割 / 安定志向の価値観を変えていく

出版社からのコメント

日本ニュービジネス協議会連合会会長、東京ニュービジネス協議会顧問、「まち・ひと・しごと創生会議」有識者を務める著者が、これまでの活動(「教育事業」「起業支援・企業再生」「医療・介護・福祉事業」「地域密着スポーツチーム」)から得られた「地方イノベーション実践法」を具体的に解き明します。

著者紹介

池田 弘(いけだ ひろむ)NSGグループ会長 / ㈱アルビレックス新潟 取締役会長

1976年、現在会長を務めるNSGグループを創業、一代にしてグループ及びその支援法人を合わせて1万人以上が働く組織をつくりあげた。NSGグループは新潟県、福島県、東京都を中心に、34校を数える専門学校、大学院大学、大学、高等学校、学習塾、資格試験スクールなどの教育機関と、病院や高齢者入所施設などの医療・福祉機関、さらに、専門教材・資格検定事業や、給食事業、商社、広告代理店、建設業、ゴルフ場、ホテル、アパレル、IT・ソフトウェア、給食、飲食、起業支援・アウトソーシング、コンサルティングなどの株式会社からなる。
また、平成8年には株式会社アルビレックス新潟の代表取締役社長に就任(現在は取締役会長)。アルビレックス新潟は、平成15年、J2でリーグ優勝、翌年J1昇格。プロサッカーチームに地域密着型のビジネスモデルを取り入れ、観客動員がJリーグトップクラスの人気チームに育てる。
平成17年、日本初のプロバスケットボールリーグ「bjリーグ」の設立に尽力。「アルビレックス」の名を冠したスポーツチームは、サッカー、バスケットボールにとどまらず、チアリーディング、ウインタースポーツ、陸上、野球、モータースポーツの各分野でも生まれており、それぞれが地域密着型の運営を行っている。
現在は起業支援に力を入れており、501社の公開並み企業の立ち上げ、育成を目指す起業支援プロジェクトに取り組んでいる。

日本ニュービジネス協議会連合会会長。東京ニュービジネス協議会顧問。新潟経済同友会特別幹事。
第15回ニュービジネス大賞アントレプレナー大賞部門最優秀賞受賞。2006年ミッション経営大賞受賞。2006年藍綬褒章受章。2013年第11回渋沢栄一賞受賞。2019年旭日重光章受章。

著書・関連出版物

  • アルビレックス新潟の奇跡-白鳥スタジアムに舞う-(小学館)2005/04/01
  • 池田弘 奇跡を起こす人になれ!(東洋経済新報社)2005/06/23
  • 神主さんがなぜプロサッカーチームの経営をするのか(東洋経済新報社)2006/07/06
  • 地方の逆襲「格差」に負けない人になれ!(PHP研究所)2008/05/07
  • 私と起業家6人の挑戦 自分の道を探す若者たちへ(ウイネット出版)2011/01/24
  • かなえる力(東京書籍)2014/05/18