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コロナ禍の東京。
自分と向き合う日々の中で。

#営業・企画
#配属は東京
#ありがとうの真実

東京で、地方創生を思う。

株式会社クレアール
佐藤 諒一

株式会社クレアール勤務。資格受験のweb通信講座専門スクールの営業担当として主に公務員試験を担当する。新潟大学経済学部卒。2020年入社。長野県出身。小学4年からトランペットを習い、音楽家を目指したことも。就職活動中にNSGと出会い、地方創生につながる理念に共感して入社する。

これまでのキャリア
入社前
地方創生に関わる仕事を目指して、就職活動。NSGと出会う。
1年目
株式会社クレアールに配属。公務員講座の営業を担当する。
3年目
社内プロジェクトメンバーに抜擢され、チャットボットの構築を推進する。

大好きだった場所が消えていく。自分にできることがあるのか。

生まれは長野県。小学校4年からトランペットを習い、中学、高校は吹奏楽部の花形だった。音楽の道も考えたが、甘い世界じゃないことを知ってやめた。目指したのは東京の大学で、新潟大学は第一志望ではなかった。少々冴えない気持ちで始まった新潟での一人暮らしだったが、すぐに気持ちは晴れた。海があって、山があって、美味しい食べ物がたくさんある。休みの日には友達とつるんであちこち出かけた。「東京じゃなくても十分楽しいな」。気がつけば新潟が大好きになった。

でも気になることがあった。通い慣れたお店が一つ、また一つとなくなっていく。コンビニやチェーン店に変わってしまう。新潟らしい場所が消えていく。それが無性に寂しかった。たまに帰省する長野も同じ。今までどこか他人事だった「地方創生」なんて言葉が、ふと急に胸をついた。そんなとき就活でNSGと出会った。教育、医療、文化、経済。幅広い分野で地域に貢献する事業を展開している。そして、世界を見据える視座がある。どうせなら人に喜ばれる仕事がいいよな、ただそうぼんやりと考えていた自分の前に、道が見えた。

「もういいです」と切れた電話。その日、仕事が手に付かなかった。

配属先は東京に。株式会社クレアールはNSGグループの中で、各種資格試験に対応したweb通信講座専門のスクールを経営する。お客様の多くは就職や転職、キャリアップを目指す大学生や社会人。つまり人生の分岐点にいる人たちだ。簿記や公認会計士、司法書士などさまざまな資格講座がある中で、公務員講座の担当になった。受講希望者にヒアリングをし、各コースの内容説明やサービス案内をする。本来はご来校いただいて対面で話をするところが、入社早々からコロナ禍の影響で、すべて電話とメールに変わった。電話の向こうから聞こえる受講希望者たちの声は真剣だった。「自分はどうしたらいいですか?」「本当に合格できるでしょうか?」誰もが人生をかけて試験に挑もうとしている。生半可な気持ちではとても対応できない。

ある日の電話。お話を伺ってもどうもしっくりこない。迷いながら二、三の選択肢を案内した。もちろんベストなアンサーでないことは自分でも感じていた。「わかりました、もういいです」。力のない声を残して電話が切れた。その後は仕事が手に付かなかった。どうしたらよかったのか。もっといい返答はできなかったか。考えて、先輩にも相談した。それからは気づいたことを全部メモにした。半年後、愛用の手帳は真っ黒な字でパンパンに埋まった。

できることを一つひとつ。今は自分を成長させること。

間もなく1年。仕事のスタンスがまるっきり変わった。最初は商品を案内することが仕事だと思っていた。今は違う。まずは相手の話をしっかり聞く。ひたすら聞き手に徹する。すると、いつからか相手の中に潜んでいる本当の気持ちがわかるようになった。公務員を目指す理由は一人ひとり違う。安定しているから。地元に貢献したいから。規模の大きな仕事がしたいから。志望動機が違えば、アプローチ方法だって違ってくる。最短ルートもあれば、数年かけてじっくりと歩む道だってある。その人にあった道を示せるようになった。

電話の向こうで不安そうな声が、次第に前向きになっていく。「ありがとう」。感謝される機会が増えると、申し込みの数も自然と増えた。先日、公務員となって生まれ故郷の役に立ちたいという人がいた。気持ちが重なってうれしかった。最近はサイトの更新やネット広告の企画も任されるようになった。今はできることを一つひとつ増やしていこう。ここで経験するすべてが、自分を成長させてくれるはずだから。今はこの街で生きていく。コロナのニュースが飛び交う曇り空の東京で、そんなことを思った。

※所属表記・記事内容は、取材当時の内容に基づいています。