“選ばれる福祉施設”に
小山 浩一
社会福祉法人 上越あたご福祉会
法人本部事務局総務部
数ある選択肢の中で“選ばれる福祉施設”に 福祉を身近に感じてもらうための挑戦
小山 浩一
社会福祉法人 上越あたご福祉会 法人本部事務局総務部
上越市出身。東京の大学卒業後は地元に戻り、建設関係の会社に就職し、建築・設計業務や現場管理などを担当。2013年、社会福祉法人 上越あたご福祉会へ入職。現在は、総務部にて設備管理や行政との連携などの運営業務に加え、SNSでの法人情報の発信などの広報活動にも取り組む。福祉施設の一般的なイメージを覆すような趣向を凝らしたイベントの企画・運営などを積極的に行っている。
他の施設がやっていない独自のイベントを実施し発信。
個性的なその内容が注目される。
施設の企画からプロモーションまで幅広い業務に取り組む。
選ばれる福祉施設を目指して奮闘は続く。
そんな小山さんがこれからチャレンジしたいこととは。
独自のイベントの発信で、認知度アップを図る
広報を始めとする事業推進活動に積極的に取り組むようになったきっかけは何ですか?
福祉関連業界の事業推進活動は、他の業界と比べて十分ではないと感じていました。もっと理念や思いを広く伝えて、社会とコミュニケーションを取る必要がある。そこで当時の上司に相談して、ホームページの改善やSNSでの情報発信を始めました。アクセスは少しずつ伸びましたが、思い描いたような効果に結び付くほどの増加にはなりませんでした。発信している情報そのものの話題性が足りないと考え、情報の差別化を図る上で、独自のイベントを企画しました。その方が地域の方の目にも留まるし、記憶にも残ると思ったからです。
今までどのようなイベントを実施しましたか?
例えば、特別養護老人ホーム内で、地元の4つの酒蔵からご協力いただき、日本酒を楽しむイベント「酒祭」を開催しました。会場装飾からお祭りムードを出したところ、とても盛り上がりましたね。また地元スーパーとのコラボレーションで施設内に簡易コンビニを設置しました。入居者の皆さんやそのご家族はもちろん、地域の方からも好評でした。
イベントを行った効果はありましたか?
はい。ホームページの閲覧数が4年間で4倍に伸びました。地域貢献しながら、様々な方との接点を増やして、ファンを増やす。そんな考えでイベントを続けてきた結果です。ただ奇抜なイベントをすればいいというわけではなくて、イベントに参加できる方が広い範囲に及ぶような形にするのが大事だと思っています。「もっと福祉を身近に感じてほしい」という思いが少しずつ叶っているので、本当に嬉しく思っています。
“選ばれる福祉施設” になるために
現在の課題は何だと考えていますか?
さらに上越あたご福祉会の施設の認知度を高めると共に、理解度も高めたい。例えば福祉施設には多くの種類があるのですが、当事者にならないとそういった情報に触れる機会ってほとんどないんです。なので、福祉についての無関心層や直接知らない人にリーチするために、FacebookとInstagramといったSNSでの情報発信に力を入れています。今後は、TwitterやLINEなどさらに媒体を増やして、より広い層の方々との接点を増やしていきたいと思っています。
福祉施設と地域が繋がることが大事なんですね。
はい。まずは上越あたご福祉会の施設の存在を知ってもらうこと。そして上越あたご福祉会の存在意義や社会的な意義を理解、共感してもらう。そのためには伝えるための手段がとても大事だと思っています。その結果として、数ある選択肢の中で“選ばれる施設”になりたいですね。その実現のためにも、私たちがサービスを届ける上で大切にしている思いや人の魅力、イベントなどの取り組みを今後も発信し続けていけたらと思っています。
入社2年目で新規施設の立ち上げに携わる
上越あたご福祉会へ入社した時の話を聞かせてください
東京の大学卒業後、上越市にUターンして建築会社に就職しました。ここでは約6年間勤めたのですが、別な業界で新たな挑戦をしてみたいという思いが芽生え、転職を決意。そこで目に留まったのが、上越あたご福祉会の企画職の求人でした。全く未経験の業界でしたが、福祉施設の新規立ち上げ業務では前職の経験が少しは役に立つかもしれないと思い応募し、採用されました。現在入社8年目です。
どのような業務を経験してきましたか?
入社から現在まで総務と新規の福祉施設の立ち上げを担当しています。総務では会社の資産、モノの管理、あとは契約関係など幅広く手掛けています。また、新規の福祉施設の立ち上げは企画立案から、工事中の施工部署との打ち合わせや、施設立ち上げに向けての営業など多岐にわたっています。最近では2021年の4月に障がい者のグループホームなどの2つ施設を同時に立ち上げました。
ご自分が担当した中で、印象に残っている施設はありますか?
入社して2年目に担当した、小規模多機能型居宅介護施設です。初めての業務で勝手が分からず、補助金の申請などいろんなことを調べながら進めました。それほど大きな施設ではありませんでしたが、それでも建物一つ作るためには多額の費用がかかるわけです。金融機関へ提出する何千万円単位の金額の資料を作る経験は初めてだったので責任感を感じ、緊張感がありました。
事業推進の専門部署の開設に挑戦したい
上越あたご福祉会では様々な種類の施設を立ち上げ、運営していますね。
はい。メインは高齢者の福祉施設なのですが、それ以外では障がい者の施設も運営していますし、来年度からは上越市から保育園の運営も受託します。上越あたご福祉会で提供できる福祉の幅が広がってきており、地域社会により貢献できるような体制になってきていると思います。福祉はセーフティーネットであり、誰もが利用する可能性がありますので、安定した質の高いサービスを提供していきたいですね。
今後のキャリアビジョンをどう考えていますか?
当法人では、広報やブランディングといったことを行う専門部署がありません。現時点では何とかやっていますが、年々施設を増やしているので、強化が必要だと考えています。その中心的な役割を担っていけたらいいですね。上越あたご福祉会はNSGグループの一員で、新しいことへの挑戦は受け入れてもらえることが多いですし。
NSGグループでは、こちらが取り組みたいことをきちんと説明すると、「やってみたらいい」と応援してくれる上司が多いですね。だからこそ、 “また新しいことを挑戦したい”という気持ちに自然となるのだと思います。