日本人は座りすぎ?~今日から始める小さな一歩
オフィスにいるときはほぼ、イスに座りっぱなし。そんな日常を過ごしているビジネスパーソンも少なくないのではないでしょうか。かくいう私自身も、オンライン会議などデスクワークが続くと、気がつけば一日中ほとんど座っていることもしばしばです。私も健康を意識して体を動かそうという気持ちはありますが、どうしても仕事中は座っている時間が長くなってしまうため、日頃の運動不足を解消するために運動を習慣化したいと思う今日この頃です。
先日、「日本人の座っている時間が世界でもトップクラスに長い」ことを紹介した記事を読み、驚かされました。オーストラリアのシドニー大学の研究によれば、日本人の平日の座位時間は一日平均約7時間だそうです。これは調査対象となった20か国の平均よりも2時間も長く、日本は世界で最も「平日の総座位時間」が長い国の1つであることが分かりました。さらに、座り過ぎによって筋力の低下や肥満が引き起こされ、死亡リスクまでも高まるというのです。特に、1日11時間以上座る人の死亡リスクは、4時間未満の人と比べて約40%も高いというデータを見て、もっと運動せねばと思いました。
また、厚生労働省は2023年に「健康づくりのための身体活動・運動ガイド」を改訂し、歩行などの身体活動を1日60分以上(約8,000歩以上)、さらに筋トレや有酸素運動を組み合わせることを推奨しています。日々の生活の中に「身体を動かす時間」を意識して取り入れ、習慣化することが、健康を維持するための重要な第一歩だと、ここでもまた気づかされました。
医師の処方で運動が“治療”になる
2012年、新潟市北区に、新潟リハビリテーション病院に併設する形で「メディカルフィットネス ロコパーク(以降ロコパーク)」を開設しました。ロコパークは、病院でのリハビリ終了後も継続して安全に運動を続けられる場として、また地域の健康拠点として、多くの方々にご利用いただいています。慢性的な膝や腰の痛みを抱える方、生活習慣病の予防を目的とした方、そしてスポーツ復帰を目指すアスリートなど、さまざまなニーズに応える施設となるべく、歩みを進めています。
最大の特長は、「医療」「運動」「栄養」の三要素を融合させた総合的な健康サポート体制です。健康運動指導士、アスレティックトレーナー、理学療法士、管理栄養士などの専門スタッフが配置され、一人ひとりの身体状況や生活背景に応じた運動・栄養指導を行っています。また、定期的に体力測定などを行い、体力や健康状態をきめ細かく把握するとともに、運動中は安全面にも最大限の配慮を行っています。

こうした取り組みを進める中、ロコパークは2024年11月、厚生労働省が定める「運動型健康増進施設」としての認定を受けました。この認定は、有酸素運動や筋力強化運動を安全かつ適切に実施できる設備・人材・体制を備えていることを示すものです。
さらに、2025年2月には「指定運動療法施設」としての認定を受けることができました。これにより、地域の方々の疾病の予防や回復はもちろん、「再発しない」「通院を繰り返さない」ための身体づくりや、運動習慣の定着を後押しすることが可能になります。また、医師の処方する「運動療法処方箋」に基づき、ロコパークで行う運動療法についてはその費用が、医療費控除の対象となります。運動によって健康維持に取り組みながら経済的な負担も軽減することができます。「指定運動療法施設」としての認定が、地域住民の皆さまのより一層の健康増進につながれば幸いです。

今日から始める、未来への投資
健康であり続けることは、年齢や立場に関係なく、全ての人にとって欠かせないテーマです。厚生労働省が示すガイドラインでも、日常生活の中で積極的に身体を動かすことが推奨されており、習慣的な運動が健康の維持に効果的であることは、すでにご紹介したとおりです。
仕事の前後、あるいはスキマ時間を活用して、軽い運動からでも始めることは、未来の自分の健康を支えてくれます。日々の生活は、仕事に加えて、家事や子育て、介護、さらには趣味や地域活動など、様々なことで忙しく過ぎていくものですが、今日の夕方、少しでも身体を動かしてみる。そんな小さな積み重ねが、きっと大きな成果につながるはずです。
このコラムを書きながら、私自身も「今日仕事が終わったら運動してみようかな」と思いました。
皆さんも、ぜひできるところから始めてみましょう! 〆