全日本カート選手権、胎内市で初開催~スピードパーク新潟の挑戦
7月27日(日)、新潟県胎内市のカートレース場スピードパーク新潟で、JAF全日本カート選手権が開催されます。全日本の公式大会が新潟県で開催されるのは初めてのことです。全国のトップレーシングドライバーが集うJAF全日本カート選手権は、F1(フォーミュラ・ワン)を頂点とするフォーミュラレースを目指す若者たちにとっての登竜門と称されています。モータースポーツに馴染みのない方の中には、「カート」と聞くと遊園地の乗り物を想像する方もいらっしゃるかもしれません。しかし、レーシングカートは時速100kmを超える本格的な競技用マシンです。F1界のスター選手アイルトン・セナ選手やミハエル・シューマッハ選手、ルイス・ハミルトン選手、マックス・フェルスタッペン選手も、皆この「カート」からキャリアをスタートさせています。
全日本カート選手権は、JAF(日本自動車連盟)が主催し、国内規則に準じて全国の主要サーキットで開催される国内最高峰のシリーズ戦です。将来が有望な若手選手から経験豊富なベテラン選手までが集い、選手や関係者を含めて全国から400~500名の来場が見込まれており、胎内市のみならず周辺地域の宿泊施設等の利用も予想されます。
また、18歳未満は無料で観戦でき、小中学生の来場も歓迎しています。全国トップレベルの選手たちによるデッドヒート、轟くエンジン音、そしてオイルの香りなど五感で味わうレースの迫力を間近で体験できる貴重な機会です。夏休みの特別な思い出として心に残る一日になることを願っています。
地域に根ざすモータースポーツ拠点を目指して
スピードパーク新潟は、モータースポーツを地域文化として根づかせたいという想いで2007年に設立し、翌2008年にサーキットをオープンしました。以来、「JAF全日本カート選手権」を開催することを目標の一つに掲げ、教育・競技・地域が結び付く環境づくりに取り組んできました。
設立以来17年間にわたり、地域の皆様や自治体、商工会議所、競技関係者の方々と築いてきた信頼関係が、このたびの初開催という節目につながりました。長年の悲願が実現したことに、これまで支えてくださったすべての皆様に心より感謝申し上げます。
また、10月25日・26日には、「JMRC全国オールスタージムカーナ」も開催予定です。こうした全国規模の大会を重ねることで、新潟がモータースポーツの拠点として根づき、地域の賑わいや、若い世代の関心の拡大につながれば幸いです。
教育機関と連携した人材育成の場として

スピードパーク新潟は、NSGグループの教育機関と連携し、サーキットを実習の場として活用するなど、人材育成にも取り組んでいます。
新潟国際自動車大学校(GIA)では、学生がドライバーや運営スタッフ、メカニックとしてレースに参加し、実践型の教育を展開しています。2025年5月に開催されたスピードパーク新潟2&4シリーズでは、GIAの小林留魁選手がJAF地方カート選手権FP-3クラスで優勝、土屋草太選手もYAMAHA-SSクラスで3位入賞という成果を挙げました。
スピードパーク新潟と同じ新潟県胎内市に所在する開志国際高等学校は、バスケットボールやゴルフ、スノーボードなど多彩な競技で全国・世界を目指すアスリートに加え、モータースポーツに打ち込む生徒も在籍しています。平日でもスピードパーク新潟に通って練習が出来る好立地を活かし、放課後や週末に練習に励むことができる環境があります。レーシングドライバーを目指す高校生が放課後や週末に練習できる環境が整い、遠方からも入学者が集まっています。
スピードパーク新潟は、アルビレックス・レーシング・チームも運営しています。スーパーFJでは、地方選手権シリーズに参戦し、これまでに6名のシリーズチャンピオンを輩出しています。GIAの学生や開志国際高校の生徒がユースチームに所属し在学中から所属してトレーニングする体制が整っています。先述したGIAの小林選手は、開志国際高校在学中にJAF地方カート選手権新潟シリーズの初代チャンピオンに輝きました。
GIAでは、これまでに43名が在学中にプロデビュー。卒業生の太田達也選手は、アルビレックス・レーシング・チームの選手として、全日本F3選手権に参戦した実績もあります。


子どもの頃の夢をかなえる場所に
幼い頃、特に男の子は、夢中になってミニカーで遊んだという方も多いのではないでしょうか。それがモータースポーツとの最初の出会いだったかもしれません。スピードパーク新潟では、GIAや開志国際高校との連携による人材育成、地域や競技関係者との協力による大会誘致、一般の方々へのサーキット開放などを通じて、モータースポーツの裾野を広げる活動に取り組んでいます。こうした活動が、新潟から夢に向かって挑戦する若者たちの背中を押すきっかけになれば幸いです。 〆