コロナが5類感染症に移行して思うこと

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5月8日に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが「2類感染症」から「5類感染症」へ変更されました。医療福祉分野や身近なところにリスクの高い方がいらっしゃる場合など、引き続き感染予防対策に留意する必要があることは言うまでもありませんが、法律に基づき行政が様々な要請・関与をしていくという仕組みから、個人の選択を尊重し、各自が自主的な取組をベースとした対応に変わりました。NSGグループの愛宕商事(株)が運営する「にいがたPCR検査センター」も、政府がコロナを5類に移行する決定をしたことを受け、民間検査所としての役割を終え今年の3月31日で閉店いたしました。また、観光地などではインバウンドが回復傾向にあり、コロナとの向き合い方は新たなフェーズに入ったなと日々の生活の中で実感しています。今回はコロナの5類移行を期にコロナ禍を振り返ってみたいと思います。

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厚生労働省ホームページより

コロナ禍を経て

2019年の年末より始まった新型コロナウイルスの感染拡大は世界に大きな影響を及ぼしました。日本においてもたくさんの方が感染し、亡くなった方も数多くいらっしゃいました。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などが発出され、感染拡大防止のために様々な活動が制限されました。目に見えないウイルスの恐怖の中で、社会生活を支えるために力を尽くされた保健・医療従事者の方々をはじめ、エッセンシャルサービスに従事する方々に対して本当に感謝の念に堪えません。また、学校の休校、営業の自粛や営業時間の短縮、リアルイベントの中止、海外渡航の制限等々、ここでは全てを書き切れないくらいあらゆる場面で大きな影響を受けました。日常においても、マスク着用やソーシャルディスタンス、手指消毒など感染防止に気を配りながらの生活を送ることとなりました。

様々な活動が制限されましたが、活動を継続するべくオンラインなどのデジタル技術の利用が加速し、広く一般に普及しました。会議や商談、イベントなどをオンラインで実施することが普及し、業務の効率化、生産性の向上につながる事例もありました。教育においてもオンライン授業が行われるようになりました。また多くの企業がテレワークを導入したことでワークスタイルも変化しました。コロナによって活動の制約を受けることが多かったと思いますが、そんな中でも人々はベストを尽くしていたことが大変印象的です。そして、振り返るとこの3年間はまさに非常事態であった思います。

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5類移行後に思うこと

コロナの5類移行に伴い、まだ完全とは言えないかもしれませんが平常の生活が戻ってきました。何の制約も受けずに、普通に日々を過ごすことができるということが本当に幸せなことだと感じています。コロナ禍により、当たり前の日常が当たり前でなくなることで、大切なことに気づかされました。特に改めて気づかされたと思うことは、リアルな体験、対面コミュニケーションの大切さです。

既にライプやスポーツの試合などは、コロナ禍前のように開催されるようになり、3年間コロナで中止となっていた各地域の祭りや伝統行事などのリアルイベントも続々と復活する話を耳にするようになりました。リアルの代替としてオンライン配信したり、VR、メタバースなどのテクノロジーを利用したりすることで、リアルに近い体験をすることはできると思いますが、リアルと全くイコールではないと思います。スポーツ観戦でもお祭りでも、その場のやり取りで生まれる熱量や空気の変化、一堂に会した人たちと体験を共有する一体感など、リアルでの体験のすばらしさをまた感じられるようになったことに喜びを感じていますし、これからもリアルな体験を大切にしていきたいと思います。
そして人とのコミュニケーションの機会も元に戻りつつあります。膝を突き合わせて対話ができるようになり、表情、ジェスチャー、視線などの非言語的な要素も含め、相手に思いを伝えられる機会が増えることは、ありがたいことだと感じています。

一方で、時間や距離の壁を克服できるオンラインのメリットはこれからも継続して活用していきたいと思います。リアルな活動を重視しながらも、テクノロジーを積極的に活用し、ビジネスの効率化やサービスの向上、新たな事業の創造、生産性の向上に向けての取り組みは引き続き進めていきたいと思います。

コロナ前とは連続しない未来がある

様々なものを私たちから奪ったコロナ禍ではありますが、リアルな体験の価値に改めて気づく機会にもなりました。感染法上の区分が5類になった事を契機に、社会が前向きに変化していくことが期待されます。しかし、社会がコロナ禍以前のそのままの状態に戻るというわけではありません。コロナにより一度連続性が途絶え、コロナ前とは別の未来があるはずです。また、コロナの有無に関わらず、足元では社会が非常に速いスピードで変化し続けていると感じています。このような時代だからこそ、社会の変化を敏感に、そしてしっかりと捉え、その中で生じる課題の中でチャンスを見出だし、柔軟に対応していくことが大切だと思います。変化し続ける社会の中で、これからも変化を前向きに捉え、チャレンジしていきたいと思います。      〆