2025年も終わりに近づいてきました。
「今年こそ起業しよう」と決意した方、思い切って一歩を踏み出した方、あるいは思うように進まなかった方もいるかもしれません。
どんな状況でも、一年を振り返ることは、来年の飛躍につながる大切な時間です。
今回は、「起業の進捗」と「課題の整理」を軸に、起業初期の方に向けた振り返りと来年へのヒントをご紹介します。
① 思い描いたビジョンとのギャップ
当初に描いた理想の姿――「こんなことを実現したい」「こんな風に働きたい」――と、現在の状況にズレはありますか?
ズレがあることは、決して悪いことではありません。
むしろ経験によってアップデートされた証拠です。
ビジョンが変化したのであれば、それは新たな気づきを得た結果です。
・今年一番ワクワクした瞬間はいつか?
・なぜワクワクしたのか?それは当初のビジョンと合っていたか?
② 実際に「行動」できたか?
考えていたことを、行動に移せたかどうかも大切なチェックポイントです。
・創業セミナーへの参加をしたか
・SNSでビジネスの発信を始めたか
・商品やサービスの試作品をつくったか
・お試し販売やアンケート実施したか
・ロゴやホームページの制作に着手したか
進みが遅くても、一歩でも動いたならそれは「実績」です。
また、実際に動いた中で「効果が少ないと分かって改善したこと」も、大きな前進です。
③ 人とのつながりは広がったか?
起業において「人とのつながり」は資産です。
信頼できる人、アイデアを話せる人、力を貸してくれる人――どんな出会いがあったかを振り返りましょう。
・起業仲間との定期的な情報交換をしたか
・パートナー候補と接触して意見交換したか
・支援機関や士業(税理士・社労士など)とのつながりをもったか
・SNSを通じた「いいね」やコメントでの共感の連鎖の機会を持ったか
①よくある悩みと解決のヒント
振り返ると、多くの方が同じような悩みに直面します。
以下のようなテーマについて、今年の状態を整理して、今後のアクションをどうするか検討してみましょう。
・顧客開拓
【課題】見込み客が集まらない
【検討】顧客の「本当の悩み」を深掘りする
SNSやブログで“共感される発信”をしていたか振り返る
・時間管理
【課題】優先順位が分からない
【検討】「やらないことリスト」を作り、やるべきことに集中できていたか振り返る
・収益化
【課題】売上が不安定
【検討】商品設計や価格の見直し、販売チャネルを再検討する
・孤独感
【課題】相談できる相手がいない
【検討】起業仲間やメンターを意識的に探す
地域の支援団体やオンラインコミュニティも活用する
起業初期は「数字」や「売上」といった目に見える成果が出づらい時期です。
でも、それと同時に、『目に見えない土台づくり』が進んでいるのも事実です。
・1回もSNS発信しなかったが、方向性が固まった
・今まで誰ににも相談できなかったけど、知り合いの1人に想いを話せた
・試作品をつくったけど売れなかった→ニーズとのズレに気づけた
これらは、大きな資産です。何もしていないように見えても、あなたの中では確実に何かが育っています。
2026年を良いスタートにするために、年末に向けて今こそやっておきたいアクションをいくつか紹介します。
・ノート1冊を“振り返りノート”にする
→月ごとに起きたこと・感じたことを一言ずつメモするだけでも十分
・今年出会った“協力者リスト”を作る
→一緒に何かをした人、助けてくれた人を思い出し、感謝を送るだけでも良い
・自分の“好き”や“得意”をもう一度洗い出す
→自分を再確認することで、来年の方針が見えてくる
・今後改善することを「3つだけ」書いてみる
→来年に向けたプレッシャーを減らすために、「小さな一歩」を明確にする
・「話せる仲間」を見つけるための1歩
→X(旧Twitter)やオンラインコミュニティ、身近な知人に思い切って
声をかけてみる
2025年のあなたは、何もしていないように見えても、「迷いながらも、自分の未来と向き合った」尊い時間を過ごしてきました。
振り返りは、「できなかったことを責める」ものではなく、「次に活かすための準備」です。
起業とは、自分自身を育てる旅でもあります。
来年の今頃、今年を振り返ったとき、「あの時、振り返って良かった」と思えるよう、いま、ゆっくり立ち止まって、自分の歩みを見つめてみてください。
きっと、良い点も見つかり、あらたな改善点が見つかると思います。
さて、次月12月度は、2026年に向けた戦略の見直しについて書きたいと思います。
NSGグループ 事業創造本部