はじめに:起業資金は「始めるためのお金」だけではない
起業を考えたとき、
「いくらあれば起業できるのだろう?」
と考える方も多いのではないでしょうか。
事業を始めるためには、例えば次のようなお金が必要になります。
しかし、ここで注意したいことがあります。
起業資金は、事業を「始めるためのお金」だけではありません。
事業を始めても、すぐに十分な売上が得られるとは限りません。
売上が安定するまでにも、
などの支払いは発生します。
さらに、起業する人自身の生活もあります。
そのため、
「起業するまでにいくら必要か」だけではなく、
「起業した後に事業を続けるためにいくら必要か」まで考えておくことが大切です。
今回は、起業を考えるうえで大切な「起業資金」について、具体的に考えてみましょう。
最初に行いたいのが、
起業するために必要なお金を、一度すべて書き出してみることです。
頭の中だけで、
「だいたい100万円くらいあれば大丈夫だろう」
と考えるのではなく、一つずつ具体的にしてみましょう。
例えば飲食店なら、
など、さまざまなお金が必要になります。
一方、自宅でオンラインサービスを始めるのであれば、
などが中心になるかもしれません。
事業によって必要なお金は大きく違います。
だからこそ、
「起業には○○万円必要」と一律に考えるのではなく、
自分の事業には何が必要なのかを一つずつ確認することが大切です。
必要なお金を書き出したら、次は大きく二つに分けてみましょう。
■最初に必要なお金
例えば、
などです。
これらは、事業を始めるときにまとまって必要になるお金です。
■事業を続けるために必要なお金
例えば、
などです。
こちらは事業を続けている限り、毎月あるいは定期的に支払いが発生します。
この二つを分けて考えることが重要です。
例えば、手元に300万円あり、開業準備に300万円をすべて使ってしまったらどうでしょうか。
お店は完成しても、
翌月の家賃や仕入代金を支払うお金が残っていない
ということになりかねません。
起業資金を考えるときは、
を分けて考えましょう。
「始められるか」だけでなく、「始めた後も続けられるか」が大切です。
事業を始めると、
「商品が売れれば、そのお金で次の支払いをすればいい」
と考えてしまうことがあります。
しかし、実際にはそうならない場合があります。
■具体例
例えば、企業向けにサービスを提供して、
4月に100万円を売り上げた
とします。
しかし、お客様から実際に100万円が振り込まれるのは6月かもしれません。
その間にも、
などの支払いは発生します。
帳簿上は「100万円売れた」となっていても、銀行口座にはまだその100万円が入っていません。
つまり、
売上があることと、今使えるお金があることは同じではありません。
そのため、
まで確認しておく必要があります。
起業するときには、「どのくらい売れるか」だけではなく、**「いつお金が入り、いつお金が出ていくのか」**まで考えておきましょう。
起業するときは、
「せっかく始めるなら、良いものを揃えたい」
と思うかもしれません。
例えば、
と考えることもあるでしょう。
しかし、起業前の段階では、実際にどのくらい売れるのかはまだ分かりません。
例えば300万円の資金がある場合、
「300万円で何ができるか」
だけではなく、
を考えます。
事業を始めると、
といったことも考えられます。
そんなとき、手元にお金が残っていることが事業を続ける力になります。
「いくら使えるか」だけでなく、「いくら残しておくか」も起業資金を考えるうえで重要です。
必要なお金を書き出したら、もう一度その一覧を見てみましょう。
そして一つずつ、
「これは本当に最初から必要なのか?」
と考えてみます。
例えば、
と考えてみます。
こうすると、最初に必要な資金を減らせる可能性があります。
起業資金を抑えることは、単に節約することではありません。
まだ売れるか分からない段階では大きなお金を使わず、小さく試しながら、必要なところにお金を使っていく。
これも大切な考え方です。
もう一つ忘れてはいけないのが、起業する人自身の生活費です。
事業のお金だけを考えて、自分の生活に必要なお金を忘れてしまうと、売上が安定する前に生活が苦しくなってしまうことがあります。
例えば、
なら、
25万円 × 6ヶ月 = 150万円
の生活費が必要になります。
もちろん、実際に必要な金額や期間は人によって異なります。
重要なのは、
事業のお金と生活のお金を分けて考えることです。
起業資金を考えるときには、
の3つを確認しておきましょう。
起業資金を考えるとき、
「起業するためにいくら必要か」
だけを考えてしまいがちです。
しかし、本当に大切なのは、
「事業を始めて、その後も続けるためにいくら必要なのか」
という視点です。
資金に余裕があるからといって、最初から大きく使う必要はありません。
逆に、資金が少ないからといって、すぐに起業を諦める必要もありません。
「どうすれば少ない資金で試せるだろう?」
と考えることも、事業をつくる大切なプロセスです。
まずは紙やパソコンに、
「起業するとしたら、何にいくら必要だろう?」
と書き出すところから始めてみてはいかがでしょうか。
次回は、
「利益が出なければ続かない|収益モデルの作り方」
をテーマに、
など、事業がお金を生み出す仕組みについて具体的に解説します。
NSGグループ 事業戦略本部