学生スポーツが地域を盛り上げる

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年末年始はワクワクドキドキしながら観戦する学生スポーツの試合が2回もありました。12月29日にNSGグループの開志国際高校男子バスケットボール部が「SoftBank ウインターカップ2022 令和4年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の決勝を戦い優勝。1月1日には、同じくNSGグループの新潟医療福祉大学男子サッカー部が「MCCスポーツpresents 2022年度 第71回全日本大学サッカー選手権大会」の決勝を戦い準優勝という結果を残してくれました。もちろん高校も大学も両方が勝利することを願って観戦していたので、全ての願いが叶ったわけではありませんでしたが、二つの試合はいずれも決勝に相応しい手に汗握る見ごたえのある試合でした。そして何より、若者たちがこれまで積み重ねてきた努力を出し切ろうと全力を尽くす姿が清々しく、胸が熱くなりました。
今回はこの2校のエピソードをご紹介します。

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夏の悔しさを胸にウインターカップに臨む

開志国際高校男子バスケットボール部は、2014年に学校開校と同時に創部し今年10年目を迎えたばかりです。「心を込めて」を信条に体や技術指導のみならず、生徒の「心」を育て、世界で活躍できる選手育成を目指しています。創部5年目に全国高等学校総合体育大会(インターハイ)で優勝し全国から注目を集めました。今年度のチームは春に新型コロナウイルスの影響でまともに練習ができず、本格的な活動開始は一か月近く遅れてしまうという厳しいスタートでした。2022年夏のインターハイ新潟県予選決勝戦では、ライバルの帝京長岡高校と対戦し、第4Q残り3.6秒同点という場面でブザービーターを決め、劇的勝利でインターハイ本線へと進みました。本線では怪我人が多く万全と言えないチーム状況ながらも決勝へ進出。強豪福岡第一高校と対戦し、この試合も接戦で最後まで勝敗の行方が見えない展開でした。第4Q終盤、あと5秒で優勝という状況から逆転されての準優勝となり、勝負の厳しさに悔し涙を飲みました。そして迎えた年末のウインターカップ決勝戦では、インターハイと同じ福岡第一高校と対戦し、88-71で見事雪辱を晴らしました。

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数々の際どい戦いを制し決勝へ進出

新潟医療福祉大学サッカー部は2005年に創部しました。アルビレックス新潟と連携を図り、新潟聖籠スポーツセンターアルビレッジにて練習を行い、アルビレックス新潟と頻繁にトレーニングマッチも行います。日頃からプロ選手のプレーを肌で感じられる環境があることは非常に貴重で、全国的に見ても稀な環境であると思います。また、同じNSGグループの新潟リハビリテーション病院から理学療法士やアスレティックトレーナーが派遣されるなどサポート体制も充実しています。インカレの予選となる北信越大学サッカーリーグでは5連覇し、今年は創部以来初となる全勝優秀を成し遂げインカレに進みました。ただ予選も含めて決して楽に勝ち進んだわけではありません。2回戦で対戦したびわこ成蹊スポーツ大学は2022年夏の総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントで敗れた相手でその雪辱を果たし、3回戦の中京大学戦は接戦の末PK戦で決着をつける薄氷の勝利でした。準決勝は夏の総理大臣杯の優勝校の国士館大学を相手に1対0の勝利と、それぞれにドラマがある試合を勝ち進んできました。そして決勝戦は桐蔭横浜大学と対戦し、激戦の末に後半アディショナルタイムで逆転され惜しくも敗れました。敗れはしましたが、準優勝という素晴らしい結果を残してくれました。
また、新潟医療福祉大学の男子サッカー部は競技だけでなく地域活動にも力を入れています。選手が主体となって、地域のサッカー教室で指導や講演を行ったり、昨年夏には、豪雨災害に見舞われた村上市でボランティア活動を行ったりと、スポーツの競技力の向上だけでなく、地域に貢献する活動に取り組み、人間的な成長も目指しています。

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全国、世界を明確に意識してチャレンジ

今回の開志国際高校男子バスケットボール部や新潟医療福祉大学男子サッカー部に限らず、新潟から全国や世界で活躍するチームや選手が数多く生まれています。北京冬季オリンピックのスノーボード男子ハーフパイプで開志国際高校卒業生の平野歩夢選手が金メダルを獲得しました。平野選手の活躍は皆さんもご存じと思いますが、2022年のGoogle検索ランキングのスポーツ選手部門で1位となるほど日本全国で注目されました。同種目の女子では開志国際高校と全日本ウインタースポーツ専門学校卒業生の冨田せな選手も銅メダルを獲得、平野海祝選手や冨田るき選手もワールドカップで表彰台に上るなどの活躍を見せています。また、第19回FINA世界水泳選手権ブダペスト大会の男子100メートルバタフライでは新潟医療福祉大学の卒業生で現在職員の水沼尚輝選手が銅メダルを獲得。40thフジサンケイレディスクラシックでは開志国際高校卒業生の高橋彩華選手が優勝しました。高校や大学の全国大会では、第26回全国高等学校女子硬式野球選手権大会で開志学園女子硬式野球部が準優勝。第91回日本学生陸上競技対校選手権大会(インカレ)の女子やり投げで新潟医療福祉大学陸上部の木村玲奈選手が優勝。令和4年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)のボクシングライトウエルター級で開志学園高校ボクシング部の六井和選手が優勝。第77回国民体育大会のボクシング少年男子ウエルター級で開志学園高校ボクシング部の川村萌斗選手が優勝など、数多くの輝かしい結果が生まれました。

選手の努力と才能はもちろんですが、選手達が才能を開花させ大きな舞台で活躍するためには、支える指導者や練習環境も大切な要素です。それと共に何よりマインド面も重要です。全国や世界を明確に意識してチャレンジすること、そして自分たちは必ず成し遂げることができるはずだと強く思えることが大切だと思います。
以前新潟は“スポーツ不毛の地”と呼ばれていましたが、今の子どもたちは様々な競技で全国や世界で活躍する先輩たちの姿を見ることができるようになりました。小さい頃から身近なところで日本一を目指して頑張る姿やその先の世界を意識して努力に励む姿を目にすることができるようになり、新潟がスポーツ不毛の地と言われていたのはもう昔の事になっているのかもしれません。スポーツに限らず日本一や世界で活躍するとういうのはどの分野でも大きな目標ですが、それをぼんやりとした夢ではなく、現実的な目標としてとらえることができる若者が増えてくれば、地域全体の雰囲気も変わってくると思います。年末年始の2校の活躍が地域の若者が夢や希望を持てるようになる一助になれば、それは非常に素晴らしいことだと思います。
また、地域の若者が活躍すれば、学校関係者や保護者、スポーツに興味がある方だけでなく、応援してくれる方々も増えてきて、次第に支援の輪も広がってくることでしょう。そして地域活性化にもつながっていくと思います。子どもたちがトップアスリートに接し、自分もそうなりたいと憧れを抱いて競技を始めるようになり、競技が盛んな地域になれば環境整備も行われ、高い目標を持つ若者が集まってくる地域になり、いずれ地域の魅力の一つになり得ます。スポーツにはそうした可能性があると感じています。
これからも全国や世界で活躍し地域を盛り上げてくれる、夢を持った若者を応援していきたいと思いますし、学校だけではなく地域全体で応援いただける存在となり得るよう取り組みを進めていきたいと思います。ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。      〆