週休3日制で理想のワークライフバランスを実現~愛宕福祉会の年間休日167日プロジェクト~

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NSGグループの社会福祉法人愛宕福祉会は新潟県内で10ヶ所の特別養護老人ホームを運営しています。この度、167PJ(イチロクナナプロジェクト/年間休日167日プロジェクト)を立ち上げ、4ヶ所の特別養護老人ホームにおいて、業務負担軽減、理想のワークライフバランス、人材定着、離職防止によるサービス品質の向上を目指して、介護職の週休3日×10時間シフトの新しい働き方を導入しました。

公益財団法人介護労働安定センターが行った令和2年度介護労働実態調査では、介護職の不足を感じている介護事業所は65.3%、離職率は15.3%に上っています。また、団塊の世代が後期高齢期を迎える2025年には介護職員が全国で34万人不足するとの厚労省による推計も発表されており、今後ますます介護人材確保が難しくなることが予測されます。
介護職の方の離職理由の一つとしてワークライフバランスが取りづらいという事が挙げられています。例えば特別養護老人ホームは交代制で24時間介護サービスが提供される施設ですが、どうしても月数回の夜間勤務が必要となります。
もう一つの理由は介護度の重いご利用者の食事や入浴、排泄など多肢にわたるサポートを1人で行うことに業務負担を重く感じている事にあります。
サービス品質の向上のためには、経験のある職員の定着が欠かせませんし、なにより職員一人ひとりが充実した生活を送れるように、能力を存分に発揮でき、働きやすい環境を提供することが必要です。施設運営の重要課題である「業務負担軽減」「人材定着」「離職防止」を解決するために、この167PJを立ち上げ、年間休日167日、週休3日×10時間シフトの仕組みを導入しました。

週休3日制×1日10時間勤務でどう変わる?

今回愛宕福祉会が導入した週休3日制を今までの週休2日制と比べると
(週休2日制)1日8時間×週5日=40時間 年間休日数117日
(週休3日制)1日10時間×週4日=40時間 年間休日数167日
となり、週休3日制では1日の勤務時間は10時間と週休2日制より2時間長くなりますが、週40時間の勤務時間は変わりません。

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週休3日×10時間シフトの効果として、月の休日は約半月の14日間。休日日数を増やしたい方にとってはそれを重視したワークライフバランスを実現できます。また、介護の業務量が多く人手が必要な時間帯に、シフトをかぶせて職員の配置を多くすることで、一人ひとりの業務負担の軽減と施設としての生産性アップが実現可能となります。シフトをかぶせることで引き継ぎなどを勤務時間内に行えるようになり、記録などの事務作業も勤務時間内にできるため、恒常的に発生していた時間外勤務を大幅に減少させることができます。

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しかし、理想のワークライフバランスは人それぞれで、職員の中には子育て世代など1日10時間勤務が難しい方もいらっしゃいます。そこで、法人内全ての特別養護老人ホームを10時間勤務とせず、新発田市、新潟市、燕市にある特別養護老人ホーム8カ所を3つのエリアに分け、エリア内に8時間勤務の特別養護老人ホームを残します。10時間勤務が難しい職員には希望を確認し、エリア内の8時間勤務の特別養護老人ホームや他の施設で勤務できるように調整しています。

業務負担の軽減と生産性の向上に

167PJを正式にスタートする前にトライアル導入しました。実際に週休3日制を経験した施設の職員の声を聞いてみると、「子どもと過ごせる時間が増えた」「以前は家事や家族と過ごす時間で終わっていたが、自分の時間を持てるようになった」など自分のために使える時間が増えたことを実感されているようです。そのことでオンとオフのメリハリができ、心の余裕が生まれ、仕事の意欲にもつながっているとの声も聞かれました。また1日10勤務時間については、「次のシフトの方と業務が重なる時間が長くなることで作業を分担でき、勤務時間は長くなるが疲労をそれほど感じない」「定時で上がるために効率良くかつ丁寧な仕事を心がけるようになり残業時間は減った」など業務負担の軽減と生産性の向上につながっていることがうかがえます。

一人ひとりがその人らしく充実した生活を過ごせるように

愛宕福祉会ではこれまでも社内制度、福利厚生、研修制度を充実させ、職員が働きやすい職場づくりに取り組んできました。一例を紹介しますと、社内制度では職員一人ひとりライフスタイルや将来的な志向に合わせて働き方(=職群)を選択できる「職群選択制度」や、休暇制度では「育児休業取得率100%」の実現、また研修制度では職員1人ひとりの可能性、志向、キャリアパスを実現するための研修体系があり、未経験から勤務しても専門職として成長できる学びの場が多く用意されています。

人々の生き方や働き方に対するニーズが多様化する中で、企業が働きやすい環境を提供しようと努めることの重要性は今後ますます増していくと思います。NSGグループで働く一人ひとりがその人らしく充実した生活を過ごせるように、これからも働きやすい環境づくりに積極的に取り組んでいきたいと思います。             〆

愛宕福祉会167PROJECTホームページ