超高齢社会に国内外から注目されている骨形態計測。「新潟骨の科学研究所」が世界を繋いで創立20周年記念WEBシンポジウム開催

2019.06.27 Thu

NSGグループの新潟リハビリテーション病院内にある「新潟骨の科学研究所」が今年で創立20周年を迎え、6月6日に記念WEBシンポジウムを開催しました。
新潟骨の科学研究所は、骨形態計測研究の草分けであり、この分野で病院付に併設された研究所としては国内唯一となります。骨形態計測は、骨を非脱灰標本にして骨の動態、病態を解析する方法で、広く世の中の研究に役立つ科学的な骨の解析を行なっています。全国からの標本依頼を受託しながら研究に取り組み、新潟大学および海外の研究機関とも連携して日本の骨代謝研究をリードしてきました。高齢者の骨折などが社会問題となっている今、ますます注目される存在となっています。

国内外のネットワーク構築と研究の普及に尽力

創立時からこの研究所を支え、国内外での骨形態計測学をリードしてきたのが、現在顧問を務める髙橋榮明先生です。「1960年代、アメリカの病院に臨床研修した時、そこでたまたま骨形態計測学に出会いました。骨組織の研究の一分野として1960年代初期から始まった方法です。この計測法では、光学顕微鏡で骨代謝動態が1日で作られる量がミクロン単位で分かります。これらのデータをもとに骨疾患の病態や薬剤の効果を知ることが可能になります。骨に関わる新薬の申請などには、この計測データが不可欠とされていました」。

こういった画像で骨形成の速さを測定するなど、骨の代謝の状況を精緻なデータで表します。健診などで行われる骨密度測定だけではわからなかったことも、骨形態計測によって明らかにすることができるようになりました。

かつて、日本ではほとんど普及していなかった骨形態計測ですが、日本でも社会の高齢化が加速し、平成時代には徐々に高齢者の骨折などがクローズアップされるようになってきました。
髙橋先生は1964年に帰国し、新潟大学医学部整形外科学教室で1989年から教授として勤務するかたわら、とにかく多くの方に骨形態計測を知ってもらいたいと、医師、研究者、製薬会社など多方面でのネットワークづくりに力を尽くしました。1979年には新潟市で第1回骨形態計測ワークショップを開催。そして新潟大学を退官、新潟医療福祉大学の学長予定者として設置準備に携わった1999年に新潟骨の科学研究所を立ち上げたのです。
「私が若かった頃は日本の骨の薬というと栄養剤のカルシウム薬くらいしかなかったのですが、今では骨が壊れるのを防ぐ薬(骨吸収抑制剤)、骨を造る薬(骨形成促進剤)、骨の栄養を助ける薬など、十種類余りが出ています。また、臨床の現場でも、さまざまな疾患や症状、薬剤効果などと骨の代謝の関わりが注目されるようになってきました。骨形態計測はいわゆる基礎研究といわれる分野ですが、現在も全国各地の臨床現場から計測の依頼があり、ますますニーズが高くなっています」と髙橋先生。

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