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ICTを駆使した新しい農業の船出~農業の課題解決を目指す株式会社ベジ・アビオ 始動~

2017.08.25 Fri

NSGグループが支援する株式会社ベジ・アビオでは、新潟県内初となるユニット型植物工場による苗生産事業及び高糖度トマト生産のための環境制御型施設園芸事業を開始するための施設が完成し、8月21日(月)に関係者の皆様を招いて、竣工式と施設のお披露目を行いました。

環境制御型施設園芸として稼働するハウス

 

新潟の農業の発展に貢献したい

竣工式の冒頭、ベジ・アビオの田中一幸 代表取締役が挨拶をしました。

田中社長は「これまで新潟県の農業は、農業にとって重要である苗の生産のほとんどを他県に頼っていました。しかし、これからは私たちが行う苗事業を通じて、地域と密着した形で新潟の農業の発展に貢献したいと考えています。 また、施設園芸事業ですが、ICTを活用して、温度や湿度、日射量、土壌の環境状態などの全てのデータをクラウド上に蓄積し、生育・品質に重要な栽培環境を数値で確認できます。こうして農業を『見える化』することで、安心安全で高付加価値なトマトの生産を目指していきます」と、新潟県における農業の新しい形を打ち出していく決意を表明しました。


新潟県の農業の課題を解決する

新潟県の農業においては米の産地というイメージが非常に強いです。
しかし、なすの作付面積が全国1位であることをはじめ、野菜に関しても新潟は全国有数の産地です。ところが、苗の生産に関しては他県産の苗に頼っているのが現状です。

ベジ・アビオでは、この課題を解決するためにユニット型植物工場による苗生産事業を行うべく、育苗施設を導入しました。この育苗施設は、閉鎖した空間の中で温度、光、炭酸ガス、養液管理を24時間自動的に制御することで苗にとっての最適な環境を常に作り続けることができるため、病害虫や自然環境に左右されずに安定して質の高い苗を計画的に生産することが可能となります。

今年2月より試験生産を開始していましたが、これから本格的に生産を開始します。

温度・光・炭酸ガス・養液管理を自動化して、高品質の苗を育成

 

ICTの活用が農業を変える

ベジ・アビオでは、「新潟県の農業活性化と若者の人材育成に寄与すること」を理念に掲げています。
農業は生産者人口の減少という問題に直面しています。その要因の1つに後継者不足が挙げられます。後継者が増えない理由の1つに『農業は決まった休みが取れない』というものがあります。

ベジ・アビオが行う環境制御型施設園芸事業は、この問題の解決に寄与します。この事業を行う施設は、前述のようにICTを活用して、遠隔地からでも施設内の状態を確認することができます。さらにハウス内の機器を自動制御と遠隔操作できる装置も備えており、条件を設定しておけば施設内の各種センサーから取得したデータを基に設備の自動制御や離れた場所からの遠隔操作が可能です。そのため、常に作物の様子を人の目で確認する必要がなくなり、休日を計画的に取得することも可能となります。

また、養分や水分をコントロールすることで作物にとって最適な環境を設定し、一般的な作物に比べて付加価値の高い作物を作ることができます。 ベジ・アビオでは、この施設で高糖度のトマトを生産します。

今年度から試験生産を開始し、3年後には10倍の作付面積を目指します。

試験生産中の高糖度トマト

 

ベジ・アビオの今後の活動

今回竣工した施設を田中社長は「VA島見」と命名しました。VAとは「ベジ・アビオ」の略称で、「島見」は今回竣工した施設のある地域の名称です。 今後は、県内各地に「VA○○」と多くの施設を建設していきたいと抱負を語ります。

これまでの農業は、ベテランの経験や勘などに頼っていた部分が多くを占めていましたが、ベジ・アビオが行う農業は、農業とITを組み合わせ、農作業を数値に基づいて行い、新規就農者でも高付加価値の作物を作ることを可能とします。また、農業では天候不順がリスクの1つです。天候に左右されずに高付加価値の作物を作れるというメリットもあります。

今後のベジ・アビオの展開にご注目ください。

株式会社ベジ・アビオ
〒950-3105 新潟市北区新富町1419-50
電話025-278-8062 FAX 025-278-8063

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