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【新潟医療福祉大学】精神疾患の入院治療を行う医療観察法病棟に「電子図書館」を導入

2026.01.23 Fri

―社会復帰を見据えた情報アクセス支援の可能性を検討―

新潟医療福祉大学 心理健康学科の野村照幸教授が共同研究者として関わった,医療観察法病棟における電子図書館の導入と利用実態を調査した研究成果が,国際学術誌に掲載されました。

医療観察法病棟では、安全配慮の観点からインターネット利用や読書の機会が制限されやすい一方で、情報へのアクセス不足が社会復帰を妨げる要因となることが指摘されています。本研究では、こうした環境下において、電子図書館が実際に利用され得ることを示すとともに、安全性に配慮しながら入院患者の情報アクセスを支える手段となり得る可能性を明らかにしました。

本研究成果は、国際誌『BMC Psychiatry』にオンライン掲載されました。

【原著論文】
Takeda K, Nomura T, Suzuki M, et al. Establishment of an electronic library in forensic psychiatric wards. BMC Psychiatry, 2025, 25:1181. 

https://doi.org/10.1186/s12888-025-07632-3

研究について

【研究概要】

精神疾患を理由に重大な他害行為を行った方は、医療観察法に基づき、入院または通院による専門的な治療を受けます。医療観察法病棟は、その入院治療を担う専門病棟であり、安全確保を優先しながら治療と社会復帰支援を行う場です。一方で、安全配慮の観点からインターネット利用や読書の機会が制限されやすく、情報へのアクセス不足が課題とされています。こうした状況は社会復帰を妨げ、再他害リスクを高める可能性も指摘されています。本研究では、このような医療観察法病棟の環境下で電子図書館を導入し、入院患者の利用実態や利用頻度に関連する要因を検討しました。

 

【研究の方法】

2021年2月から2024年3月にかけて、全国の精神科司法病棟9施設において、安全管理を施したICT端末を用い、電子書籍を閲覧できる「電子図書館」の仕組みを整備しました。参加者の基本情報に加え、電子図書館の利用状況ログ、処方情報、心理検査などのデータを収集し、利用頻度との関連を検討しました。

 

医療観察法病棟における電子図書館の利用実態の図解

【研究成果のポイント】

・医療観察法病棟において電子図書館が実際に利用され得ることが示され、心理検査で捉えた範囲では明確な悪影響は認められず、安全に配慮しながら情報アクセスを支える手段として有用である可能性が示されました。
・利用状況には大きな個人差がみられた一方、生活に役立つ内容や趣味・芸術に関する書籍が多く利用され、健康に関する自己評価の一部項目では、利用頻度の高い群で良好な傾向が認められました。
・「安全性の確保」と「人権、回復支援」の両立という現場課題に対し、今後の支援環境を考えるための基礎視点を提示しました。

 

【研究者情報】

新潟医療福祉大学心理健康学科

教授 野村 照幸

 

【問い合わせ】

新潟医療福祉大学 入試広報部広報課(担当:高津)

所在地:新潟県新潟市北区島見町1398番地

TEL:025-257-4459

 

【新潟医療福祉大学】 https://www.nuhw.ac.jp/

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