スポーツで解決できることはたくさんある! 念願の「スポーツで起業」を実現

2017.11.9 Thu

「一昔前であれば、弊社のような施設は必要なかったかもしれません」。
2歳から小学生を対象に、運動能力の向上を目的としたオールアルビレックス・スポーツクラブを立ち上げて4年。スポーツを通じて、人づくり、明るい地域づくりを目指す代表の菅野文宣さんに、その思いを聞きました。

自身の反省を生かして
子どもとスポーツのミスマッチをなくしたい

学生の頃から「将来はスポーツで起業したいと考えていた」と言う菅野さん。ただ、その形はまだ漠然としたものでした。スポーツビジネス分野での就職を志すも、その現場では即戦力が求められていたことから、新卒での就職も難しかったため、いったんは大手広告代理店に就職。クリエイティブディレクターとして従事しながら、ビジネスの種を考え続けていたそうです。社会人5年目の時、NSGグループが起業を支援していることを知り、縁もゆかりもない新潟に飛び込みました。まずは新潟医療福祉大学に配属され、事業プランを練る毎日が続き、その後企画部門に異動。スポーツビジネスについてさまざまな角度から学んだそうです。そして、2013年に一般社団法人オールアルビレックスを設立し、念願だった起業を果たします。

きっかけのひとつは、コオーディネーショントレーニングに巡り会ったこと。そして、自分自身の失敗体験も、ビジネスの発想に大きく役立ったそうです。
「小学生時代から大学まで、ずっとバスケットを続けていましたが、僕は身長171cmちょっとで、どんなに頑張っても限界がありました。正直、僕にバスケは合っていなかった」。つまり、本人とスポーツのミスマッチです。
「子どもにはいろんな可能性があるけど、早いうちから特定の種目に絞ってしまうと、可能性を狭めてしまい、潰しがきかなくなる」と身をもって体験した菅野さんは、旧東ドイツで50年ほど前に研究され始め、ドイツでは常識とされているコオーディネーショントレーニングに着目。ドイツにも渡り、ライプチヒ大学公認コオーディネーショントレーナーの資格を取得。運動に関する基本的な動作を徹底的に鍛えることで、将来の可能性を広げながら身体と心を育むプログラムを事業の柱に据えました。

菅野さんの話を真剣に聞く幼児クラスの子どもたち。

 

子どもたちにはまずスポーツを好きになってほしい
ライフステージに応じた正しい運動方法と機会を提供

昨今、子どもの体力やコミュニケーション能力の低下が問題視されていますが、幼少期からの発達段階に応じたさまざまな運動経験は、子どもの心身の成長にとって非常に重要だと言われています。「うちのクラブでは、特定のスポーツの技術を学ぶのではなく、まずは自分の思い通りに身体を動かせるようになること、そしてスポーツ好きになってもらうことを念頭に指導しています」と菅野さん。
「子どもが運動を好きなので…」「まずは体づくりが大切だと思って…」といった理由でわが子を入会させたという父兄からは「この教室に通うようになってから、人の話をちゃんと聞くようになった」「ルールが守れる子になった」と、運動以外の点でも信頼を寄せられています。子どもたちも「(レッスン時間が)50分じゃ短い」と、終了時間後も体育館を縦横無尽に駆け回り、エネルギーを爆発させていました。

さまざまな運動を取り入れ、短時間で次々と切り替えていくので、小さな子どもたちも飽きずについてきます。
小学生のクラスになると動きのスピードもアップ。失敗しても笑ったり、否定的なことを言ったりしないというのが約束です。

スポーツに関係する基本的な動作は、かがむ(平衡)、かわす(回転)、ささえる(荷重)、つかむ(捕捉)など84種類ほどあると言われており、それらの動きを養えるよう毎回プログラムを変えています。

 

仕事は最大の遊び道具
新潟のスポーツ文化の一翼を担うべく頑張る

新潟駅南にスポーツクラブをオープンして以来、教室を6カ所にするなど事業を拡大してきた菅野さんですが、経営者として、売り上げを上げる、利益を出すといった仕事は思いのほか大変だったようです。「子どもと運動している方がずっと楽しいですね(笑)」。
起業してから事業を軌道に乗せていくまでは、誰もが苦労するところでしょうが、菅野代表が常に心で唱えているのは「仕事は最大の遊び道具」という言葉だそうです。
「人って好きなことに夢中になると寝食を忘れてしまうようなときがあるじゃないですか。ふと気づいたら24時間ずっと仕事のこと考えてた。これって好きなことだからなんだ」って気づいたと言う菅野さん。「自分のやりたいことを仕事にできて、しかもその仕事に出資してくれる人がいただけでもすごいことじゃないですか。そして、その仕事で喜んでくれる人たちが地域にいる。つまり社会の役に立てる。ありがたいことだと思っています」とも。
会社の理念は、子どもたちだけでなく、大人、高齢者まですべての人に、それぞれのライフステージに応じた正しい運動・スポーツを提供すること。現在、新潟市の委託で高齢者向けのスポーツ教室なども行っているほか、保育園、幼稚園、小学校などへの出張レッスンにも出かけています。
「欧米ではマルチスポーツが一般的。夏は野球、冬はバスケットボールといったように、季節によって行う種目を替えたりもします。みなさんには、個々の潜在能力を存分に引き出して、それぞれに合ったスポーツを選んでいけるようになってほしいし、スポーツを楽しんでほしいと思っているんです。新潟はサマーシーズンもウインターシーズンもスポーツを楽しめる場所がいっぱいありますしね」。

空き時間には自分自身のトレーニングも欠かさない。何でも身をもって示す代表です。

 

〈プロフィール〉
菅野文宣(かんの・ふみよし)
1982年埼玉県さいたま市生まれ。埼玉栄高校、神田外語学院からアメリカ、ロンドンの大学へ。2007年大手広告代理店に入社、クリエイティブディレクターとして勤務した後、新潟医療福祉大学に転職。2013年、一般社団法人オールアルビレックスを設立、現在、代表理事。新潟アルビレックスランニングクラブ理事。新潟医療福祉大学、新潟経営大学、九州産業大学で非常勤講師を務める。ライプチヒ大学公認コオーディネーショントレーナー、スポーツメンタリスタLevel2インストラクターほか資格多数。

 

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