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パラスポーツが健常者と障がい者の懸け橋になる

2019.08.16 Fri

トップアスリートだけがパラアスリートではない

パラスポーツ現状や課題について、健康スポーツ学科の佐近慎平准教授にお話を伺ってきました。

最近パラリンピックを中心としたパラスポーツのメディア露出の際の表現方法が「トップパラアスリートのかっこよさ」を打ち出すものに変わってきており、それにより社会全体としても注目度が高くなってきています。それはそれで非常に喜ばしいこと。とした上で、佐近准教授は、パラアスリート以外のパラスポーツに目線があまり向いていない。と指摘しています。

もちろん新潟医療福祉大学ではパラアスリートの支援をしていますし、体制も整えています。今後その中からパラリンピックに出場するような選手が出てくれば、それは素晴らしいことです。

しかしながら、障がいのある方の中にパラスポーツをしていない方は当然いますし、スポーツをしているけど、それはあくまで趣味の領域でやっているという方ももちろんいます。健常者でもそれはまったく同じはずです。「やる、やらない」と「できる、できない」はまったく別のものであるということです。

特別なトレーニングを積んだ方じゃなくてもパラスポーツをすることは可能で、それが障がいのある方のQOL向上に繋がっているという事実や、ルールや環境を整えれば、健常者と障がい者が一緒にスポーツを楽しむことも可能だということにはあまり目が向けられていない現状がある。
佐近准教授はそういった社会全体の課題を日々の活動から感じているそうです。

その一例として、佐近准教授の研究室を中心にスペシャルオリンピックスの活動を支え、障がいのある人のスポーツについて実践を通して学ぶために、健常者と障がい者との共同チームで競技を行う、ユニファイドサッカー(7人制)に取り組んでいます。そしてそのチームは、全国優勝も遂げています。ユニファイドサッカーは、知的障がいのある選手(アスリート)と障害のない選手(パートナー)が同じチームで競技を行うことで、サッカーやスポーツを通じてお互いの個性を理解しあう関係を築く取り組みです。障がいのあるなしにとらわれず、プレイヤーはピッチの上では決められたルールのもと “フェア”に競技を行います。

「こういった健常者と障がい者の接点が実際はあまり身近になく、障がいについて正しい理解が進んでいないことは今の社会全体の課題と言える。」と佐近准教授は話します。

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