給食を支える物流の仕事。本社移転を機に進む新しい仕組みづくり。

株式会社ライフプロモート / 影山 滋
2026.04.09 Thu
PROFILE
影山 滋
株式会社ライフプロモート  物流部 部長
福島県出身。外食産業でコックや店長を経験後、2002年にNSGグループの株式会社日本フードリンクへ入社。病院・保育園・高齢者施設の給食事業に携わり、現場調理からエリアマネジメントまで幅広く担う。2015年に関連会社の株式会社ライフプロモートへ転籍し、物流分野へ。本社移転に伴う在庫移動や物流体制の再構築を担ってきた。現在は商品管理と配送部門を統括している。
食の現場から物流へ。
学び続ける姿勢を武器に、
本社移転を機に物流の仕組みを一から築く。
デジタル化で成果を可視化し、
地域の施設へ確かな食を届ける。
そんな影山さんが描く、次世代の物流像とは。

料理人から給食の現場へ。食を軸に広がったキャリア。

これまでのキャリアについて教えてください。

私のキャリアは外食産業の料理人から始まりました。店長も務めましたが、転機は新潟への転勤でした。子どもが小学校に上がるタイミングで次の県外転勤の話が出た際、「家族のことを考えて、新潟に根を張ろう」と思い、そこで出会ったのがNSGグループの日本フードリンクだったのです。

食の仕事を選んだきっかけは何でしたか。

高校生の頃、レストランの厨房でアルバイトをしたことがきっかけでした。その店はステーキなどの肉料理を専門に扱うレストランで、肉の熟成で味が変わる。その面白さに引かれました。同じ食材でも、扱い方ひとつで味が大きく変わる。それを自分の手で生み出すという仕事に魅力を感じ、食に関わる仕事を選びました。

日本フードリンクではどのような仕事を経験しましたか。

最初の3〜4年は病院・保育園・高齢者施設の給食室に入り、実際に調理を担当しました。ただ、レストランと給食では調理の常識がまるで違いました。レストランでは、肉の中心温度を上げすぎず柔らかく仕上げることが大事ですが、給食では安全性が最優先で、中心温度をしっかり上げなければなりません。「美味しさ」と「安全」のバランスに悩みながら、試行錯誤の日々でした。その後はエリアマネージャーとして複数の現場を担当し、運営面にも携わるようになりました。そこで、組織をまとめる難しさにも直面しました。そんなタイミングで、関連会社のライフプロモートへの転籍が決まり、それが次の転機になりました。

本社移転を機とした物流改革。

ライフプロモートでは、どのような役割を担ってきましたか。

最初は「楽膳」というキットサービスの調理指導から始まりました。給食施設に食材を届けるだけでなく、現場の方へ調理方法の指導も行うサービスです。その後、商品管理部門に配属され、物流の仕事に本格的に関わるように。その後、配送部門も含めた物流部全体を担当するようになりました。

本社移転後、いま最も力を入れている仕事は何ですか。

2025年4月、ライフプロモートは本社を移転しました。これを機に、現場の負担軽減と省力化を目指した新しい物流倉庫の仕組みづくりを進めています。新倉庫では、「ピッキングシステム」「仕分け機械」「自動運搬ロボット」など、さまざまな設備を導入しました。ただ、設備を導入すればそれで終わりではありません。自社の業務や、お客様のニーズに合った形に組み立て、生産性を高めていく。その仕組みを整えることが、今の役割です。

新しい物流体制をつくる中で、特に苦労したことは何でしたか。

最初は物流業界の専門用語がまったく分かりませんでした。打ち合わせのたびに一つひとつ理解していって。本当にゼロからのスタートでしたね。でも学び続けたことで、今は物流の言葉も現場の感覚も、自分のものになったと思います。

デジタル化で現場を可視化、成果が評価につながる物流へ。

現在の仕事で最もやりがいを感じるのはどんな瞬間ですか。

デジタルツールの導入によって、作業効率が数値で見えるようになりました。1時間あたりの仕分け数や、ミスの発生件数などが記録され、成果をあげている人を正しく評価しやすくなりました。スタッフが自信をつけて成長していく姿を見ることが大きなやりがいです。

部下とのコミュニケーションで大切にしていることを教えてください。

例えば、「こうすると早い」「こうするとミスが減る」というように、具体的に伝えることを意識しています。一方ですべてを教えるのではなく、任せて考えてもらうことも大切にしています。

これからの物流人財に求めるものは何だと考えていますか。

技術は日々進化し、物流のデジタル化はさらに進みます。でも、変えてはいけないものもあります。例えば、お客様への接し方や、食を届ける仕事としての責任感です。効率化と人として大切なもの。その両方を兼ね備えた人財に育ってほしいと思います。

経験を次の挑戦につなぐ風土。地域の食を支える物流の使命。

キャリアの中で大きな転機となった経験を教えてください。

大きな転機は、日本フードリンクでマネジメントを任された時期です。事業部の運営やスタッフの管理など、未経験の仕事に向き合う中で、自分の力不足を強く感じていました。だからこそ、ライフプロモートへの転籍は新しい挑戦の機会となりました。調理から物流へ、異なる分野に飛び込んだからこそ視野が広がり、物事を多角的に考えられるようになったと感じています。

ライフプロモートの風土の魅力は、どこにあると感じますか。

一つひとつの経験を次につなげていける風土です。うまくいかないことがあったらすぐに評価を下げるのではなく、次の挑戦の機会を与えてくれます。社長がよく「せっかく経験したんだから」と話します。そこには、その経験から学びを得て、次に生かしてほしいという思いがあります。その考え方は私自身にも強く影響していますし、今は部下にも同じように伝えています。うまくいかなかった結果を責めるのではなく、そこから何を学び、どう次につなげるか。その姿勢を大切にしているところが、この会社の魅力です。

物流の仕事を通して、地域にどのような価値を届けたいですか。

よく自分たちの仕事を『毛細血管』に例えます。大きな物流会社が新潟まで運んできた食材を、グループホームや小さな施設など、必要としている現場に届ける。派手ではないけれど、地域の食のインフラを支える。それが私たちの役割です。

これからの目標と次世代に残したいものを教えてください。

会社は大きな投資をして新しい拠点を作りました。私たち50代の世代が責任を果たし、利益を出して、次の世代に仕組みを残す。それが、今の使命だと思っています。技術はこれからも進歩し続けるでしょう。今は最適なシステムでも、来年にはもっと良いものが出るかもしれません。そうした変化に対応できる、体力のある会社にしていきたいですね。食を届けることと、次の世代に仕組みを残すこと。その二つをやり切りたいと思っています。