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水中における上肢のパワー発揮能力は、競技特異的なドライランドトレーニングによって改善する! 池田准教授らによる研究論文が、国際誌に採択されました!

2022.08.16 Tue

新潟医療福祉大学 健康スポーツ学科 池田祐介准教授らの研究グループは、競技レベルの異なる競泳選手を対象に水中と陸上における上肢のパワー測定を実施しました。分析の結果、水中と陸上の上肢のパワー発揮能力には強い関係性がみられたことから、競泳の動きに近いかたちで行われるドライランドトレーニングや陸上における筋力トレーニングよって、水中における上肢のパワー発揮は改善できる可能性が示唆されました。

本研究成果は、2022年7月に、国際誌Scientific Journal of Sport and Performanceに採択されました。

 

研究成果のポイント

水中におけるひとかき動作は技術的要素が高いと考えられていましたが、筋力トレーニングやドライランドトレーニングによってパフォーマンスの改善が期待できることがわかりました。今後はトレーニングの負荷を漸増的に高めることでひとかきの動作がどのように変化し、どこが変化しにくいのかを明らかにすることで、効果的な体力トレーニングの開発に繋げていきたいと思います。

 

【研究概要】

競泳競技に関する研究では、これまで水中における上肢のパワー発揮能力に着目した研究はなく、選手の体力要素、競技レベルとの関係は明らかになっていませんでした。本研究では水中におけるひとかき動作(図1:a)のパフォーマンスと競泳のドライランドトレーニングで用いられるメディシンボールオーバーヘッドスラムのボール速度(図1:b)、ラットプルダウンの筋力(図1:c)との関係を明らかにすることで、競泳選手の体力トレーニング指導に役立つ知見を得ることを目的としました。分析の結果、ひとかきの最大泳速度(図2)は陸上における筋力、パワー発揮能力、競技レベルと有意な正の相関関係(図3)がみられ、競技レベルの高い選手は水中と陸上における上肢のパワー発揮能力が優れていることが明らかになりました。また、オーバーヘッドスラムのリリース時のボール速度は、肩関節と肘関節の角度変位、角速度と密接に関連しており、肘関節の伸展動作によってボール速度を高めるために二関節筋である上腕三頭筋の機能が重要になることが示唆されました。これらの結果から、スタート、ターン後の高い泳速度でひとかき動作によって身体を加速させるためには、肩関節まわりの筋力を強化するとともに、高めた筋力と泳動作を繋ぐドライランドトレーニングが重要になると考えられます。

  

 

■研究の詳細についてはこちら

https://www.nuhw.ac.jp/research/2022/07/post-92.html

 

【文部科学省科学研究費採択件数で、本学が『全国第4位』に!】

新潟医療福祉大学は、全国でも数少ない保健・医療・福祉・スポーツの6学部13学科を有する総合大学として20種類以上の専門職を養成する教育カリキュラムを配置しています。

“運動機能医科学研究所”やトップアスリートおよび指導者を育成する”強化指定クラブ”、アスリートサポート研究を推進する”アスリートサポート研究センター”などを設置し、リハビリテーション科学およびスポーツ科学を基盤とした、特色ある教育・研究・地域貢献活動を実践しています。

2022年1月に文部科学省が発表した「令和3年度(2021年度)科学研究費採択件数(過去4年間の新規採択の累計数)」において、「スポーツ科学、体育、健康科学、およびその関連分野(リハビリテーション科学を含む)」で、本学は全国第4位となりました(私立大学では第2位)。

 

本学では引き続き、保健・医療・福祉・スポーツ分野の発展に貢献する研究と研究成果を広く世界へ発信することに積極的に取り組んでまいります。

【新潟医療福祉大学】 https://www.nuhw.ac.jp/
全国でも数少ない、看護・医療・リハビリ・栄養・スポーツ・福祉・医療ITを学ぶ6学部13学科の医療系総合大学です。この医療系総合大学というメリットを最大限に活かし、本学では、医療の現場で必要とされている「チーム医療」を実践的に学ぶことができます。また、全学を挙げた組織的な資格取得支援体制と就職支援体制を構築し、全国トップクラスの国家試験合格率や高い就職実績を実現しています。さらに、スポーツ系学科を有する本学ならではの環境を活かし、「スポーツ」×「医療」「リハビリ」「栄養」など、スポーツと融合した学びを展開しています。

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