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全国的にも珍しい人骨の専門研究所。 法医鑑定や公開セミナーを通じて社会に貢献。

2022.09.16 Fri

研究・調査の成果を社会教育・生涯学習という形で社会へ還元

 

―研究所で一般の方へ報告会を開催したそうですが、反響はいかがでしたか?

 

奈良 昨年の11月に阿賀野市の土橋遺跡から出土した人骨に関する公開報告会を行い、県内外から200人近くの参加者がありました。「自分の体はどうなっているのか」、「骨が果たす役割は時代と共にどのように変化してきたのか」等を、わかりやすく説明しました。参加者は10代から70代までと幅広く、「興味深い内容で、大変おもしろかった」という感想をいただきました。一般の方への社会教育・生涯学習の場を提供するために、このような会を定期的に行いたいですね。

 

―この夏には、骨学セミナーを開催したそうですね。

 

奈良 骨に興味がある方は誰でも参加できるセミナーで、当研究所で5日間に渡って開催し、全国から50名の参加がありました。考古学関係の方や歯学部・医学部の方が多いと思っていましたが、想定していなかった業種の方々からの参加もありました。骨がわかっているとデッサンに活きるとのことでアニメ関係の仕事をされている方や骨を勉強すると施術に活きるという理由からエステティシャンの方の参加もありました。また、東京大学や名古屋大学の学生も本格的に骨を勉強したいということで参加してくれました。骨に特化して、骨だけを徹底的に研究してきたことが評価された結果だと思います。

―幅広い業種で、骨を理解することの重要性が認識されていますね。

 

奈良 見えないけれど骨は人体の基本。本物に触れて学ぶことで、新たな知識を吸収することができます。ある参加者は、「ここは国立科学博物館より骨が多い」と。レプリカじゃなくて、本物がここまである場所はそうないと思います。私たちが想定していなかったアニメの方のように、いろんな方の仕事の役に立つことがあるので、1年に1回ですが、このセミナーは続けていきたいですね。

 

―自然人類学研究所の役割はどのように考えていますか?

 

奈良 骨学を中心とした人類学の研究を推進するとともに地方自治体や警察等と連携して、遺跡出土人骨鑑定や法医鑑定を積極的に受託します。加えて、高等教育機関として解剖学や運動学を担当することができる人材の養成に努めます。これらの研究や活動を通して、社会に貢献していきます。

新潟医療福祉大学 自然人類学研究所

新潟市北区島見町1398番地

TEL:025-257-4455 / FAX:025-257-4456

https://www.nuhw.ac.jp

 

【新潟医療福祉大学】 https://www.nuhw.ac.jp/

全国でも数少ない、看護・医療・リハビリ・栄養・スポーツ・福祉・医療ITを学ぶ6学部13学科の医療系総合大学です。この医療系総合大学というメリットを最大限に活かし、本学では、医療の現場で必要とされている「チーム医療」を実践的に学ぶことができます。また、全学を挙げた組織的な資格取得支援体制と就職支援体制を構築し、全国トップクラスの国家試験合格率や高い就職実績を実現しています。さらに、スポーツ系学科を有する本学ならではの環境を活かし、「スポーツ」×「医療」「リハビリ」「栄養」など、スポーツと融合した学びを展開しています。

 

【自然人類学研究所】

骨学を中心とした人類学の研究を推進するとともに、地方自治体や警察等と連携して遺跡出土人骨鑑定や法医鑑定を積極的に受託。加えて高等教育機関において解剖学や運動学を担当することができる人材の養成に努めています。これらを通して、研究だけでなく社会に貢献することも目的として活動を続けています。

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