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新潟食料農業大学×金鵄盃酒造株式会社×五泉市「産学官連携事業」発表会を開催しました。

2023.03.29 Wed
NSGグループの新潟食料農業大学は、金鵄盃酒造株式会社、および五泉市と2023年3月22日(水)に五泉市役所にて、「新潟食料農業大学×金鵄盃酒造株式会社×五泉市 産学官連携事業 発表会」を実施いたしました。
当日は大学関係者、金鵄盃酒造株式会社関係者、五泉市関係者、報道関係者等15名程度の方々にご参加いただき、取り組みへの経緯や商品説明等を発表いたしました。

左から:新潟食料農業大学 発酵・醸造ユニット ユニット長 小熊 哲哉、主任研究員 栗林 喬、副学長兼新潟食料健康研究機構長 中井 裕、五泉市長 田邊 正幸金鵄盃酒造株式会社 代表取締役社長 茂野 知行、製造責任者 杵渕 順二

■本事業の取り組みの経緯
新潟食料健康研究機構 発酵・醸造ユニット 主任研究員 栗林喬講師より、次のように説明がありました。
「五泉市の名所である穂咲彼岸八重桜で有名な“村松公園”のリタ-から、清酒製造に利用可能な酵母の分離に成功し、これを親株として、金鵄盃酒造株式会社が保有する清酒酵母との交配を行い、五泉市産酵母由来の清酒酵母を育種しました。この酵母を用いて、麹米に五泉市産の五百万石(掛米は新潟県産米こしいぶき使用)および、霊峰白山の伏流水“天狗の清水”を使用し、金鵄盃酒造株式会社にて、総米300 kgの実地醸造試験を行った結果、純米酒の製造に成功しました。」

■商品説明について
金鵄盃酒造株式会社 茂野知行代表取締役社長より、以下の内容で商品についての説明がありました。
「『穂咲彼岸八重桜』由来の酵母を使用して試験醸造を1月より開始しました。お酒を仕込むにあたり総米300kgとし精米歩合65%の純米酒を仕込む事にしました。※急遽、試験醸造に踏み切ったので米は全て五泉市産にはならなかった。
令和5年3月10日に搾り600L製造、成分はアルコール分16.6%、グレープフルーツ系の香りと木立の香りを感じ、スッキリとした飲み口のお酒が出来上がりました。今後は酵母名と商品名を金鵄盃酒造ホームページより募集いたします。5月以降発売予定(720ml約700本価格未定)です。」

村松公園「穂咲彼岸八重桜」由来 五泉市産酵母使用 純米酒村松公園「穂咲彼岸八重桜」由来 五泉市産酵母使用 純米酒

■「穂咲彼岸八重桜」について
田邊 正幸五泉市長より、「穂咲彼岸八重桜」について以下の説明がありました。
「今回の『五泉市酵母』は、村松公園内の桜の希少品種である『穂咲彼岸八重桜』という桜から分離されたものであります。この『穂咲彼岸八重桜』は、枝の先に数多くの花がつき、穂のような状態になる希少な品種で、春だけでなく初冬にも開花する淡いピンク色の八重咲きの桜であります。花は小さいですが花弁が20枚から30枚と多く、そのつぼみが枝先に30以上もつく大変綺麗で珍しい桜であります。大正から昭和初期に、桜の研究家である新潟市の阿部 儀作先生が村松公園で発見し、東京大学名誉教授三好 学博士によって名づけられたと伝えられています。現在、村松公園内に6本と、さくらアリーナ前の道路脇に植栽されておりますので、ぜひご覧ください。」

<新潟食料農業大学> https://nafu.ac.jp/
日本および世界の食料産業には、生産、加工、流通、販売までの切れ目ない繋がり「フードチェーン」全体を理解し、各段階の専門知識・技術を併せ持つ人材が必要不可欠です。そこで本学では「フードチェーン」を一体的に学ぶ共通課程とそれぞれの専門性を高めるコース課程(アグリ、フード、ビジネス)の2つの課程を連動させ、高度な専門知識・技術と「食」「農」「ビジネス」に関する総合知識・技術を兼ね備えた”食のジェネラリスト”を育成しています。
◇食料産業学部食料産業学科
【学部の特徴】
1年次はフードチェーン全体を見渡し、じっくりと自分の進路や専攻を考えられるカリキュラムを設置しています。また、2年次からはアグリ・フード・ビジネスの3つのコースで専門的な知識・技術を修得します。4年間を通して食料産業全体を理解し、自分の将来像に合わせた3つのコースの学びでこれからの食の未来をつくる人材を育成します。

<金鵄盃酒造株式会社> https://kinshihai.com/
周囲を緑豊かな山々に囲まれた五泉市村松。江戸時代、堀家三万石の城下町「村松藩」の元で文政7年より酒造業を営み、創業より199年、今日までその歴史を伝えてきました。

霊峰白山からの伏流水「天狗の清水」の井戸水を使用し、自然豊かな地元産の酒米と、杜氏をはじめ一級技能士の国家資格を持つ蔵人を中心としたスタッフで、常に高品質な酒を醸し出しています。

【当社の酒造り】
心に描いた酒があっても、形にする腕がなければ理想の味には仕上がりません。同じく、いくら良い素材を揃え、最新の機械を投入しても、目指すところ(味)が見当違いであれば、やはり良い酒にはなりません。

良質の酒を醸すのに必要なのは、出来上がりの酒味の確固たるイメージを持ち、いかにしたら具現できるかを見極め、持てる技術を注ぎ込むこと。

米の品種の選択、程よい精米、蒸し具合。最良の酵母の選択と育成、そして細心の注意を払った仕込み・・・。何一つとして気の抜ける作業はありません。作り手全員が、最善をつくして一流の味を生み出すため、日々たゆまぬ努力をする。そして、何より酒を愛する心。それらが結果として、当蔵元は、最も権威があるとされている全国新酒鑑評会や関東信越国税局酒類鑑評会での受賞という目に見える形となって現れてくるのだと考えています。

これからも奇をてらわず正統の酒造りで本物の味を追求してゆきます。

【社長 茂野知行】
昭和41年生まれ 他酒蔵で18年間製造部門で修行(内3年杜氏を務める)、平成19年金鵄盃酒造入社、平成26年6代目社長に就任。

【杜氏 杵渕順二】
昭和37年生まれ 昭和56年金鵄盃酒造に入社、平成29年杜氏に就任。新潟県杜氏組合寺泊支部所属。国家検定酒造1級技能士。

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