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産学連携プロジェクト。学生オリジナルブランド「MORE」の誕生。

2020.12.28 Mon

近年、ファッション業界では技術だけでなく、感性、ビジネスセンス、人間力などのプラスアルファの能力を持った人材が求められています。新潟市古町地区に位置する国際トータルファッション専門学校(NITF)では、そのような人材を輩出すべく「スタイリスト科」、「ブライダル・コスチュームデザイン科」「ファッションデザイン科」など、ファッション業界のあらゆる分野が学べる6学科10コースを設置しています。毎年取り組んでいる産学連携プロジェクトでは、洗練されたファッションを発信し続ける「新潟伊勢丹」やウエディング事業を展開する「株式会社アークベル」、数多くの女優・タレントを輩出しているフリーペーパー「新潟美少女図鑑」などの企業と連携し、学生が実践的な経験を積む機会をいただいています。ファッション衣料が生産され、販売されるまでの様々な企業と関わることで教育面だけでなく、学生の就職を見据えた企業理解、産地の活性化も兼ねています。今回は産学連携で、オリジナルブランドをプロデュースできる実践授業について、ファッションデザイン科の神戸先生にお話を聞きました。

 

独立するまでのノウハウを取得できる授業。「ブランド名」をつけて、意思統一を図った。

この授業ではアパレル企業が新しくブランドを立ち上げてから、店頭にリリースするまでのすべてのプロセスを体験し、世の服がどのように作られ、消費者に届くのかを理解することが目的です。この授業を始めてから、今年(2020年)で7シーズン目を迎えました。毎年、授業の一環として、学生のオリジナル商品の販売実習は行ってきましたが、今年度は初めて、ブランド名を決めて取り組みました。同じテーマに沿って、1人1点つくるのであれば、名前を決めて、みんなで1つのものを作っていこう!というのがブランド名を付けることになったきっかけです。そこで誕生した学生オリジナルブランドが「MORE」です。MOREの言葉には、「より」「もっと」という意味があります。親子連れやカップルで買い物をしている姿を目にし、いろんな人で一緒に着まわすことができるようにと考え、サイズはフリーサイズで、ユニセックスのコレクションとして販売しました。特別な一着を誰かとシェアすることで、今よりもっと絆が深まるようにとの願いを込めました。このコンセプトの発想は初めてのもので、学生たちにとっても、学校にとっても新しいチャレンジでした。新潟伊勢丹での期間限定ということも踏まえて、ターゲットのリサーチは念入りに行いました。またファッションデザイナー下鳥直之氏による直接指導・監修のもと、プロのアパレルデザイナーと同様のワークフローにより、当校の学生が商品企画・デザイン・パターン製作を行い、県内地元企業に縫製を依頼。完全オリジナル商品としてつくり上げた商品を、プロモーション、接客販売まで行いました。


写真:2019年 授業風景

授業の狙いとして、ブランドの立ち上げから運営までのノウハウの取得はもちろんですが、昨今のSNSの普及に伴い、学生同士が直接コミュニケーションをとることも少なくなってきているので、意見を交換し合うことの大切さも認識しながら取り組んでもらいました。また「ブランド」をつくること自体が、新しい試みだったので、より学生同士の話し合いが肝になり、意見交換は何度も繰り返し行われました。

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