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IT機器活用で、より安心・安全な介護サービスを展開。介護される側もする側もさらに快適に!

2020.02.28 Fri

社会福祉法人愛宕福祉会が運営する特別養護老人ホーム燕愛宕の園はこの3月で開所3年目を迎えます。2018年3月1日に開所し、現在約100人が入居している燕愛宕の園。横になったままの姿勢で入浴できる浴槽や介護リフト付き浴槽、居室環境に配慮したポータブル水洗トイレなど、最新式の設備を備えていますが、さらに新たなITシステムを導入し、入居者様とスタッフ双方のさらなる安心・安全、快適さに生かしています。その取り組みについて、同施設で聞きました。

燕愛宕の園は10室(10人)で1ユニットとし、ユニットごとに共有の交流空間などを設けた設計で、入居者様が少しでもスムーズに自宅から施設へ移行できるよう配慮されています。

 

見守り支援システムで入居者様の体調をチェック
職員の心と体の負担も軽減へ

「導入以来、入居者様にも職員にも好評なのが『眠りSCAN(スキャン)』という見守り支援システムです」と話すのは、荻原施設長。眠りSCANは、入所者のベッドマットの下にセンサーを設置し、心拍や呼吸、寝返りなどの体の動きを計測・記録することによって、睡眠状態を把握するものです。センサーが感知したデータはパソコンやタブレット、スマートフォンといった端末機器に送られるので、担当職員が他の部屋にいても一人ひとりの状況を把握することができるといいます。

ベッドマットの下に眠りSCANを装着。
パソコンなど端末のモニターでは、リアルタイムで、入居者様ごとに「睡眠・覚醒・起き上がり・離床」のいずれの状態にあるかがわかります。

 

施設内で一人ひとりの入居者様に24時間職員が付き添い続けるわけにはいきません。夜間は2ユニットに1人の職員が付き、交代で巡回して入居者様の様子を確かめていますが、「巡回時に何もなかったからずっと安心だ、とは必ずしも言えないので……」と、気が抜けません。しかし、24時間チェックできる眠りSCANがあれば、「体調を崩している方などに対しても、何かあればスマートフォンに連絡が来てすぐ対応に行けるので、心理的負担は軽くなっていると思います」と話すのは、介護の仕事に就いて13年目という職員の金子さん。
「高齢になると眠りが浅くなると言われますが、入居者様の中には『巡回でドアを開けられると目が覚めてしまうので、巡回に来ないでほしい』と希望される人もいます。ドアを開けなくても状況把握できる眠りSCANは、そういった利用者様にも喜ばれています。また、一人ひとりの睡眠時間のパターンも把握できるので、夜間のトイレ介助のタイミングなども適切に図れるようになりました」とも。万一の事故を未然に防ぐだけでなく、個々の眠りの傾向を知ったうえで、眠りの浅い人にどう対処していくかなどを考え、より快適な生活に結びつける工夫をしています。

手元の端末機器で入居者様の状況をチェックする金子さん。「施設内どこにいても気になる方の情報をチェックすることができるので安心です」。
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