新事務局長が語る、入学希望者との接点を広げた企画の工夫とは

GIA専門学校 新潟国際自動車大学校 / 弦巻 加奈
2026.05.28 Thu
PROFILE
弦巻 加奈
GIA専門学校 新潟国際自動車大学校 事務局長
新潟ビジネス専門学校で医療事務を学んだ後、恩師の勧めで学校法人国際総合学園へ入社。新潟工科専門学校で、広報など事業推進業務を中心に7年間従事し、産育休を経て、国際外語・観光・エアライン専門学校へ。再度、産育休を取得後、GIA新潟国際自動車大学校に着任。事務局スタッフとして10年以上のキャリアを積み、2025年、事務局長に就任。
医療事務を志した学生時代から転機を経て、NSGグループへ。
広報と学生対応の現場で、一人ひとりに向き合いながら積み重ねてきた経験。
伝え方を磨き、企画を工夫し、入学希望者との接点を広げてきた歩みがある。
「話しやすいチーム」こそが、広報力になるという実感。
その歩みと、これからめざす学校づくりについて聞いた。

現場から学校運営へ。視点が変わった今の仕事。

現在の仕事内容について教えてください。

広報計画の立案、オープンキャンパスの企画・運営、SNSの統括、高校での学校説明などが主な仕事です。高校訪問は新潟県内にとどまらず、秋田・山形・福島・長野など近隣県にも足を運びます。事務局長になってからは、これまでの実務に加えて、予算管理や事業計画、学校運営全体にも関わるようになりました。現場から一歩引いて学校全体を見る立場になったことで、視点は大きく変わりました。日々学びながら取り組んでいます。

高校生と向き合う上で大切にしていることは何ですか。

一番大切にしているのは、「一人ひとりに合わせて話すこと」です。限られた時間の中で、相手の反応を見ながらその場で話の構成を組み替えています。響くポイントは人それぞれだからこそ、その場に応じて話せるだけの“引き出し”が必要だと感じています。

その「引き出し」はどのように増やしていますか。

高校生のトレンドを自ら体験し、会話のフックを増やすようにしています。例えば、いま高校生の間で旧車がトレンドになっているので、『頭文字D』の漫画を全巻読んだり、ゲームセンターで実際にプレイしてみたりしました。自分の言葉で「分かるよ」と言える引き出しが増えることで、自然に会話が広がっていると感じます。

進路選択の入り口を広げていく、日々の取り組み

学校への理解や関心を深めてもらうために、どのような工夫を重ねてきましたか。

新潟国際自動車大学校でまず取り組んだのが「動画による見える化」です。特に卒業生を紹介する動画では、卒業生が現場で活躍する姿を印象的に伝えることを意識し、整備士という仕事の魅力を視覚的に伝えることに力を入れました。さらに、オープンキャンパスも大きく変えました。プロのドリフトドライバーによる同乗体験や、スーパーカーの走行体験などの特別なイベントを全日程に組み込みました。参加者にとって印象に残るイベントを行い、その様子を次の情報発信に活かしていく。その積み重ねが、学校への関心や理解につながっていったと感じています。

SNSではどのようなことを意識して発信していますか。

Instagram、TikTok、LINE、YouTubeなど、すべて自分たちで運用しています。特にTikTokは、企画から撮影、編集、投稿まで内製し、「どんな企画が面白いか」「今のトレンドは何か」を考えながら作っています。自分たちでやることで、学生との距離が近い自然なコンテンツになる。最近は「TikTokを見て来ました」という学生も増えて、手応えを感じています。

また、整備士のなり手不足や若者の車離れといった状況がある中で、「興味の入り口を広げること」が大切だとも感じています。そのために高校生だけでなく、中学生の段階から接点をつくることを意識しています。

話しやすいチームづくりが、チームの力を引き出していく。

職場づくりで大切にしていることは何ですか。

職場の雰囲気は、そのまま仕事の成果に直結すると考えています。だからこそ、誰でも発言しやすい空気をつくることを大切にしています。そのために、自分が思いついたことはすぐに口にするようにしています。その積み重ねで、今ではスタッフ全員が自然に提案を出してくれるようになりました。

入社当初と比べて、仕事への向き合い方に変化はありますか。

入社当初は、目の前の業務を覚えることで精一杯でした。それが今は、少し余裕ができて、いろいろな発想ができるようになりましたし、全体を俯瞰して考えられるようになったと感じています。「この発言をしたら、周りはどう受け取るか」を考えながら動けるようになったのは、大きな変化だと思います。

長く同じ学校で働く中で新しい発想はどのように生まれているのでしょうか。

日常のあらゆる刺激を仕事に置き換えて考えていることが大きいと思います。通勤中や移動中に入ってくる様々な情報や気づいた発見に対して、「これを業務に活かせないかな」と自然に頭が動いています。これまでは上司が「いいね、やってみよう」と背中を押してくれましたが、今は自分で判断する立場。「やってみないと分からない」という気持ちで日々チャレンジしています。

この仕事をしていて、心に残っている場面はありますか。

進路相談会で出会った高校生が、実際にオープンキャンパスに来てくれたときですね。県外の高校で学校説明をした翌日に当校まで来てくれたこともありました。また、オープンキャンパスで再会して「覚えています」と声をかけてもらえると、本当に嬉しいですし、それだけでなく、卒業生が5年後、10年後に「久しぶりです」と訪ねてきてくれるのは、他の学校ではあまりなかった経験です。そのときに、この仕事ならではのやりがいを感じますね。

学び合い、支え合える仲間がいるから、働き続ける力になる。

NSGグループなかで、特に魅力に感じていることは何ですか。

NSGグループ内での学びの機会が豊富なことです。30校の専門学校が連携していて、学校を横断した情報共有や研修が定期的に行われています。自分のやり方だけでは思いつかない発想に出会えるのは、大きな価値だと思います。

研修や情報共有の場は、日々の仕事にどのように活きていますか。

SNSの運用やプレゼン資料の作り方、高校生のトレンドなどについて、外部講師の方から学ぶ機会があります。自分では気づけない視点や今のトレンドを知ることができるので、とても貴重な学びの場になっています。

育児と仕事の両立についてはいかがですか。

育休を取得し、現在は3人の子どもを育てながら働いています。子どもの行事や急な対応にも、周りのスタッフがとても協力的で、本当に助けられています。一人で抱え込まず、周りに頼れる環境があるのは、とても大きいですね。

今できることを積み重ねて描く、これからの学校と自分。

今後の目標やビジョンを教えてください。

まずは、事務局長としての役割をしっかり果たせるようになることです。予算管理や学校運営など、まだ学ぶべきことが多いので、そこを盤石にしたいと思っています。その一方で、挑戦してみたい企画もたくさんあります。直近では、ホンダのGTカー(実際にプロレースで使用される車両)をオープンキャンパスに呼ぶ企画を進めています。メーカーへの提案は初めての経験でしたが、新しい挑戦として手応えがあります。「今、何ができるか」「今、どう動かすか」を一つひとつ積み重ねていくことが、結果につながると信じています。

最後に、学校として目指す姿を教えてください。

当校は、学生一人ひとりにしっかり向き合う学校です。「ここに来れば、国家資格が取れる。就職できる」そう自信を持って言える環境を、これからも守っていきたいと思っています。また、卒業生が「ただいま」と戻ってきてくれる学校であり続けたいですね。その姿を次の世代に見せることが、また新しい魅力につながると感じています。