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採用担当のホンネ

リアルな気持ち、全てお話します。

「タイパ」「ゆるブラック」「親確(オヤカク)」など、就活でいま話題のワードをテーマに、新卒採用担当が本音で語る座談会。少し話は長くなるかもしれませんが、企業選びのポイントや働くことの意味、挑戦と安定の関係についてなど、NSGグループらしいリアルなエピソードを交えて本音を全部お届けします。きっと新しい気づきがあるはず。就活中の学生さんも、これからスタートする方も、ぜひどうぞ!

Profile

株式会社NSGホールディングス
人事本部 採用HRグループ
マネージャー
細金 崇英

2017年新卒入社。大学で学生募集や入試運営などに従事したのち、入社4年目にグループ本部の人事部門へ異動し、新卒採用担当に。就活イベントや面談・面接で年間1,000人以上の学生と関わる。2023年にマネージャーへ昇格し、新卒採用全体を統括する。趣味は海外旅行とライブ観戦。国家資格キャリアコンサルタント保持。
株式会社NSGホールディングス
人事本部 採用HRグループ
吉田 沙瑛

2018年新卒入社。学生時代は理学部で竜巻の研究をするかたわら、NSGグループの学習塾で非常勤講師を経験。入社後、学習塾事業の集団指導および個別指導の2ブランドで教科指導や生徒募集など校舎運営の経験を積み、入社4年目から産育休を取得。復帰後は、新卒採用や子育てと仕事の両立を支援する施策の推進などに従事する。趣味は推し活。最近の休日は2歳の娘と公園でひたすら遊び、自身も仕事と子育ての両立に奮闘中。
株式会社NSGホールディングス
人事本部 採用HRグループ
山田 涼平

2018年新卒入社。出会った先輩社員がイキイキ語る姿が印象的で、「こんな人たちと働きたい」と思って入社を決めた。学校教育事業にて、事業推進(学生募集に向けた営業・企画・マーケティング 等)を経験し、2019年よりグループ本部の人事部門にて新卒採用や研修を担当。これまで多くの学生と関わり、就活やキャリアなどの悩みに触れる。趣味は釣り、コーヒー、カメラ。早朝に釣りをしてから出社することも。

 

Theme

Theme1「タイパ」

ー今日は「新卒採用担当の本音トーク」ということで、就活にまつわるいろんなトレンドワードについて、みなさんに語っていただこうと考えています。どなたか口火を切っていただけますか?

今日は本音トークなので、少し言いづらいことやこんなこと言ってもいいの?ということまで話していいんですよね?
いいと思います!せっかくなので、昨今の就活の在り方や学生と企業のベストな関係性についても、考えられる場になったらいいですね。
そうですね。就活生と社会人の両方を経験して、いま新卒採用担当をしている視点から話せるリアルもありそうです!

ーそれでは、最初のお題は「タイパ(タイムパフォーマンス)」です。みなさんは採用担当として、このワードをどう捉えていますか?

コロナ禍前までは、会社説明会や面接って基本的にリアルでの開催が前提でした。オンラインを中心に就活をするという概念がそもそもなくて。今はそれが当たり前になっていて、情報も簡単に手に入りますよね。以前より効率的に就活を進められるのかなと思います。時間の効率化を重視する流れは確実にきているように思いますね。
そうですね。例えば、会社説明会の動画を倍速で見るとか、時間効率を最大化するための動きがありますよね。YouTubeでも1.5倍速が当たり前だったりしますし。
私もYouTubeは倍速で見ます(笑)。ただ、タイパを意識しすぎてしまうことには、一定のリスクもあるのかなと思います。
個人的には、情報収集の効率化は良いことだと思います。ただ、自分が直接足を運んで、実際に人に会って分かることや、そこに行ったから分かることがあるとも思っています。それを省略してしまうと、就活においては結果的に企業のことがよく分からなくなる。それはもったいないなと感じることもあります。
「スカウトサービス」もタイパの一例かもしれません。学生さんが自分のプロフィールを登録して、それを企業が見てスカウトをする。そういう効率的な仕組みもいいと思います。ただ、それだけに頼りすぎることなく、自分から企業を見つけに行くという意識も大事にしてもいいのかな、と思いますね。
売り手市場が加速しているから、余計そういう感じになるのかもしれないですね。

ースカウトサービスでの採用はNSGグループでは全体の何割ぐらいですか?

まだ多くはないです。全体の10%くらいですね。

ースカウトサービスの場合、面接などで何か違いを感じたりしますか?

もともとのNSGグループに対する認知は学生さんによって違いますが、スカウトを受け取るまでは就活の視野に入っていなかったわけなので、こちらがしっかり紹介をして、まずは会社や仕事への理解を深めてもらう必要があるケースが多いです。
面接の場で「スカウトを送ってきたのはそっちですよね?」みたいな“お客さん感”を感じてしまう学生さんも時々います。それはお互いにとって良い場にならないと思うんですよね。もちろん、選考なので合否が出る場ではありますが、せっかくつくったこの時間を一緒に大切にしていきたいですね。

ーどんな接点からの出会いであっても、最終的にはその企業のことをしっかり理解して、納得してもらえないとミスマッチが起きてしまいますよね。

そうですね。入り口がどうであれ、企業理解や納得感が欠けていると、うまくいかないです。
一方で、私たちも学生さんのタイパ向上に協力したいと思っています。今年はグループ紹介動画を作成して、会社説明会の参加前に見てもらえるようにしました。NSGグループは話そうと思えば、山のようにお伝えしたい内容があるので、基本的な情報は事前にインプットしたうえで会社説明会に参加できることは、効率的だと思います。
動画で伝えた「安心と挑戦」というテーマはちゃんと届いているんだなと感じました。今年は「安心」と「挑戦」といったワードがSTEPシート(エントリーシート)や面接で増えた印象がありますね。
やっぱり変化が激しい時代だからこそ、「安心」をすごく望んでいて、だからこそ受け取ってもらっているんだなと感じますね。面接をしていても志望動機の部分にそのワードが入ってくることが多くあります。
私も動画に出演させていただきましたが、撮影は緊張しました(笑)。でも、その緊張感が逆に学生さんに近い感覚で伝わっていて、メッセージが届いているとしたら、それはうれしいですね。

ーそれでは「タイパ」について、皆さんの考えをまとめてもらえますか?

そうですね。今の学生さんは、面接を受ける会社数が減少しているというデータがあります。個人的にはそれはどうかな?と思うんですよね。せっかく効率化した時間を使って、もっと多くの企業と接点を持てば、より良い就職活動ができるんじゃないかなと思うんです。
確かに。就活って人生のなかでとても貴重なタイミングだと思うんですよね。どんな人に対しても企業の人が丁寧に自社を説明してくれることなんて、社会人になったらなかなかないですから。だからこそ、そういう貴重な機会を有効活用してもらえたらと思いますね。
本当に、そうですね。採用担当になった今だからこそ、「あの時の時間は貴重だった」と思います。私自身も正直、学生時代にはそこまで考えられていなかったけど。だからこそ、今、学生の皆さんには伝えたいですね。
合同企業説明会を担当していますが、来場する学生さんが減ってきていると、主催者側から聞きます。それがとてももったいないと感じます。オンラインで効率的に進めるのも便利ですが、対面でしか得られない企業の雰囲気や担当者の人柄、現場の空気感は大切にしてほしいと思います。直接会うことで見えてくるものが必ずあるので。
リモートでずっと仕事をするなら別ですが、ほとんどの場合は職場で働くわけですから、対面で企業の空気感を感じるのは重要だと思います。

ー確かにそうですね。実際の仕事では人と人との関わりが大切ですから。それでは次の話題にいきましょう。

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Theme2「ゆるブラック」

ーでは、次のお題は「ゆるブラック」について。「ゆるブラック」って何ですか?

「ゆるブラック」というのは、残業がなくてノルマも厳しくなく、一見働きやすい環境なんですけど、「ここにいて成長できるのか?」という疑問を抱くような企業のことを指すようですね。
そうですね。厳しくないし、負担も少ないけど、「ここにいて自分は大丈夫なのか」。漠然とした不安がある、というような。

ーなるほど。「この企業はゆるブラックかどうか」。それは多くの学生さんが知りたいテーマかもしれませんね。

成長意欲が高い学生さんほど、そういう視点で企業を見ていると思います。
20代で自分の市場価値をどう高めるかを考える人が増えている。終身雇用が当然とされていた時代にはなかった考え方だと思います。

ーなるほど。確かに自分のキャリアパスを考えたときに、成長できる環境かどうかはとても重要ですね。ところで、NSGグループは「ゆるブラック」ですか?

少なくともわたしがこれまで働いてきた環境は「ゆるブラック」ではないと思います。私自身も働いていて、「ゆるすぎて負荷がない」という印象はありません。多少のキツさがあっても、それが成長につながっているという実感があります。山田さんはどうですか?
そうですね、理不尽に厳しいということはないですが、ゆるくはないと思います(笑)。負荷ゼロって逆に気持ち悪くないですか?刺激がないとか、変化がない環境って、個人的にはつまらなく感じてしまいます。もちろん過度な負荷は良くないですが、適度な負荷があったほうが人生楽しいと思いますね。細金さん、どうですか?
実は昨年、社外のいろいろな人と交流する機会があったんですが、「NSGの人って仕事ができる人が多いですよね」と何度か言われたんです。私は新卒からずっとNSGグループにいるので、それが普通だと思っていましたが、外部から見て、「成長できる会社」として評価されているのは、うれしかったですね。

ー成長できる環境があるから、「ゆるブラック」ではないということですね。では、今度は逆に「ブラック企業」とは何か、について話してください。

何をもって「ブラック企業」と捉えるかって、人によって違いますよね。ただ、たとえば「度を超えた過酷な労働環境」や「ノルマを達成しないと会社にいれない空気がある」、「セクハラ・パワハラが横行している」といったことを指すのであれば、少なくともNSGグループはそれには該当しないと思いますね。
そうですね。まあ、人間関係で「合う・合わない」はどんな環境でもあることだと思います。ただ、私個人としては、NSGグループのなかでその場の意見や考え方が合わない人はいても、嫌な人に会ったことはなくて、これまで人間関係で困ることはなかったですね。
ただ単に「しんどい」だけだと、それは精神的にも辛くなって、仕事にやりがいが感じられなくなりますよね。結果としてメンタル的にも身体的にも限界が来てしまう。それがブラックだと思います。でも、自ら「乗り越えたい」「成長したい」という前向きな気持ちがあれば、その負荷はブラックではない、と私は思います。

ーつまり、負荷がかかっている時に、自分がどう感じるかで、それがブラックなのか、そうでないのかが決まるということですか?

そうですね、そこまでいくと少し極端な気もしますが、物事の捉え方は大切な要素の1つだとは思います。何かにチャレンジしていれば、自然と負荷はかかるものですし、人によってブラックかどうかの判断が分かれる環境が世の中には多くあると思います。そこで違いは何かと考えた時には、物事の捉え方だなと思いますね。
何かに挑戦したい人にとっては、NSGグループには挑戦を後押しするリソースや人が揃っていますし、自分なりの考えを持って聞けば、教えてくれる環境があります。ただ、チャレンジを強要されることはありません。人にはそれぞれのタイミングがあるので、自分からやりたい気持ちが高まったときにはチャレンジすればいいという考え方です。
「ゆるブラック」という言葉は、NSGグループを受けてくださる学生さんからはあまり聞かないですね。少なくともNSGグループを「ゆるブラック」と見ている方はほとんどいないのかなと思いますね。

ーなるほど。就活全般では使われる言葉だけれど、NSGグループに関してはあまり関連がないということかもしれませんね。では、次の話題に進みましょう。

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Theme3「早期選考」

ー次は就活の早期化についてです。昨今は「早期選考、早期内定」の意識が学生の皆さんの間で高まっていると聞きました。実際に早まっているのでしょうか?

はい、年々早まっていますね。
私が就活をしていた数年前は、大学3年生の3月に選考につながる会社説明会などのイベントが解禁されて、その後、面接が始まる、というのが一般的でした。でも、今は就活のスタート時期が全体的に早くなって、早期化かつ長期化していますよね。これは、学生の皆さんも私たち企業側も大変だと思います。
そうですね。今の学生さんたちが大学3年生の夏から本格的に動き出しているのは素晴らしいことだと思います。ただ、本音を言うと、そんなに急いで結論を出す必要はないんじゃないかなとも思います。早く動いて大学3年生の12月に就活終了、という人も増えていますが、もう少しじっくり考える時間をとっても良いと思います。
そうですね。正直なところ、個人的には最近の過度な早期化の流れはあまり好きじゃないですね。理由は2つあります。1つ目は、大学生活の中でゼミやサークル、部活など、就活以外のことから得られる学びや気づきも多いはずだからです。2つ目は、早く決めることで、あとから決断が「揺らぐ」可能性が高まるからです。就職先を決めてから働き始めるまで(選択・決断をしてから行動するまで)の期間が長すぎて、日々の生活のなかで必要以上に「隣の芝生が青く見える」、ということもある気がします。じっくりと経験を積んで、時間をかけて選んだ方が、自分の判断に確信が持てて、そうした揺らぎも少なくなるのではないかなと思います。
早く動いて損することは特にないけれど、ただ、早く決めることに大きなメリットがあるかというと、それはまた別の話だと思います。自分の可能性をそんなに早く閉じる必要はないんじゃないか、と感じます。
私もそう思います。まだ時間があるうちに早々と決めてしまうことで、その後の新たな経験や発見が制限されることもあると思います。その後の大学生活の中で本当にやりたいことが見つかる場合もあるので、早く始める分には良いですが、あまりにも早く結論を出す必要はないのかなと思います。
ただ一方で、初めに受けたいと思った企業を全部受けて、結果が全て出そろってから、どうしようかと考え始めたせいで決断に困っている人と出会うことが増えました。もちろん決断は急がなくても良いですが、いつでも決められる準備をしておくべきだとは思います。普段から自分を見つめる作業は、答えが出なくても続けてほしいですね。
そうですね。決断できない理由の多くは、自分の中で一本通った軸がないことに起因していると思います。ただ、軸をつくるのは就活だけでできるものではなく、いろんな経験の積み重ねが必要です。学生生活の中で就活以外のさまざまな経験を積んでいくことで、自分の中に明確な軸ができ、それが巡り巡って良い就活につながるのではないでしょうか。
就活は、自分を見つめ直す良い機会だと思います。これまでの経験を振り返り、自分の軸や大事にしているものを改めて見つける作業をぜひ大切にしてほしいです。就活は、ただ内定を取れたら良いというものはないので、自分を見つめ直すことを後回しにしないでほしいですね。
内定をたくさん取ったら勝ち、っていうゲームではないですからね。
新卒に限らず、求職者が企業に求める要素が増えているのは、時代の流れとして当然ですが、残念ながら完璧な企業などどこにも存在しません。正直、どの会社に入っても、少なからず何かしらのギャップはあるでしょうし、ないものねだりをするのが人間だとも思います。だからこそ、自分の価値観や企業の理念に共感できることが重要です。
近年、よく言われていた現代版の蛙化現象のように、期待や理想とのギャップに失望することは就活でも起こり得ます。条件面だけでなく、自分の価値観と企業の方向性が一致しているかを大切にしてほしいですし、共感できる環境の方が長期的に見て満足度が高くなると思います。
そうですね。共感がないと、1日の大半が辛い時間になりかねませんが、共感できる環境であれば自然とモチベーションが高まり、それが成果につながり、良い循環が生まれます。数年後の自分をイメージして、その未来に自信が持てる企業を選ぶことが、将来の大きな違いにつながるのではないでしょうか。

ーありがとうございます。では次の話題にいきましょう。

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Theme4「親確(オヤカク)」

ー「親確(オヤカク)」というのが就活トレンドワードにも上がっていましたが、これはどういうものですか?

「親確(オヤカク)」とは、企業が内定を出す際に学生さんに対して、親御さんが自社に入社することを承諾してくれているか確認することです。主に採用担当側の言葉ですね。
以前は学生が自分で進路を決め、親はその過程で相談に乗る程度でしたが、最近では親御さんの意向が強く反映されることが多くなっているようで、「親が言うからこの企業にします」というケースも確かに見受けられます。
大学の就職課の担当と話したときも、「最近は親御さんの影響を強く感じる」とおっしゃっていました。背景には、不安定な時代の中で、親が子どもの進路に対して安定を求める心理があると感じます。それも当然の心理だと思いますね。
一方で、学生自身が自分で決断することを避け、親御さんの意見だけでなく「自分以外の何か」を頼りにする傾向が強まっているようにも見えます。
これは、現代の情報過多の影響も考えられます。大抵のことはAIが答えを教えてくれますし、たとえば、SNSなどはパーソナライズされた情報が個人に届けられ、価値判断を助けてくれます。そういった環境のなかで無意識的に自分の選択を他者に委ねている可能性もあります。もちろん、私も業務のなかでAIはよく使いますが、使いどころは気をつけていますね。
わたし自身は親に一切相談をせずに、決めたことを報告したタイプですが、親御さんに相談すること自体は全く問題ないと思っています。社会経験のある親にアドバイスを求めるのは当然のことです。ただ、決めるのは自分であるべきだと思います。仕事は楽しいですが、楽ではないですし、悩むことや辛いこともあると思います。そのときに、「自分が決めた」と思えるかどうかで、その後の仕事や人生の質が大きく変わります。
正解に見えるものや情報が簡単に手に入る時代だからこそ、自分で決断することには恐怖心があるのかもしれません。でも、就職活動は自分で道を選ぶ大切な機会だと思います。ぜひ最終的には、自分自身で判断してほしいです。
結局は「働くのは自分だ」というシンプルな事実に行き着くと思います。学生時代は、自分以外の誰かが責任を取ってくれる場面も多かったかもしれませんが、社会に出るとそうでないことの方が多くなります。自分で自分の行動に責任を持つ必要があります。そうした意味でも、自分で決める習慣を今のうちからつけることが、自分の将来のためにとても大事だと感じます。
たとえ内定を辞退するときも、親に相談して「なるほど」と自分が納得して判断したなら全然問題ありません。それが本人の意思であり、納得感を持って選んだ結果なら、もちろん残念な気持ちはありますが、気持ちよく送り出します!
「親が反対したから辞退します」とだけ言われると、「あなたはそれでいいの?」って思いますね。人生に絶対はないのだから、正解を探すのではなく、自分で選んだ道を正解にしていく姿勢のほうが圧倒的に大事だと思います。自分で納得して選んだ人だけが、本当に幸せなキャリアを築けるのではないでしょうか。

ーそうですね。就職はもしかしたら人生で初めての大きな決断かもしれません。最後はぜひ自分で決めてほしいと思います。

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Theme5「本音(ホンネ)」

―「就活で本音を話すと内定をもらえないのではないか?」と心配する声をよく耳にします。正直な気持ちや本音をどこまで話していいのか、難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。このテーマについて、皆さんのご意見を伺いたいと思います。

私はむしろ本音をしっかり伝えてほしいと思います。本音を言わずに就職活動を進めるのは、結局入社後にモヤモヤが再燃するリスクが残るだけですから。それはお互いにとっても良くないですよね。
私も同じ意見です。隠していても、いずれどこかで本音が出てしまいます。それなら最初からオープンにして、お互いのミスマッチを避ける方が良いと思います。実際、私も面接の際に「NSGグループのこういう部分は学生目線で見ると、もっとこうしたほうが良いのでは?」と正直に伝えました。それでも結果的に内定をいただけたんです。この経験からも、少なくともNSGグループでは正直さがマイナスになることはないと感じています。
自分をつくり込んだ状態で内定を得ても、「本当の自分じゃないのに」と感じるモヤモヤが残ると思います。それが後々、「自分は本当にここで活躍できるのだろうか」という不安に繋がることもあるでしょう。NSGグループでは、本音をしっかり受け止めてもらえる環境が整っていますし、会社としても可能な限り希望を叶える努力をしたいと考えています。本音を伝えることで、学生と企業の双方にとってより良いマッチングが実現できるのではないかと思います。
ただし、希望がピンポイントすぎるとこちらとしては対処が難しくなる場合もあります。「この部門のこの仕事しか嫌です」と言われても、すぐに空きがあるとは限らないので、少し幅広く自分の可能性を考えてもらえるといいと思います。そうすると、企業側も適切なキャリアプランを提案しやすくなるし、自分自身の可能性を広げることにもつながると思います。
なるほど、確かにそうですね。
最近の就活では、「ピンポイントな希望を叶えます」というスタイルが流行っているようにも感じますが、NSGグループには、もう少し幅広い興味や柔軟性を持っている人の方が合っていると感じます。数ヶ月前の内定者研修で、グループ内企業の社長が「目の前の物事を好きになれる能力が大事」と話していて、それが本質だと思いました。この「目の前の物事を好きになれる能力」があれば、NSGグループの豊富なリソースを活用して、自分のやりたいことを実現できると思います。
確かに、グループ内を見てもそういう社員も多いですよね。「最初は別のことがやりたかった」とか、「やりたいことが明確ではなかった」という方が与えられた機会をしっかり掴んで、仕事のおもしろさを発見し、結果的に活躍しているケースもたくさんあります。

―「これがやりたい」と本音を伝えれば、周りが一緒にそれを叶えようとしてくれる。一方で、「これしかやりたくない」と視野を狭めると、逆に遠回りすることもある。NSGグループはそんな場所なのかもしれませんね。

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Theme6「安定」

ー就職先に「安定」を求める傾向が増えているそうですね。「安定」って一体なんでしょうか?次は「安定」ついて話してみたいと思います。

細金さん、吉田さんは「安定」と聞いて思い浮かべることはどんなことですか?
まずは、「属している組織がなくならないこと」かな。
私が真っ先に思い浮かぶのは「毎月安定してお給料がもらえること」ですね。
自分の場合は、精神的な安心感を大事にしたいなって思うんです。そこにいて楽しいと感じられるかとか、そういう感覚の方がしっくりくるんですよね。

ーなるほど。一言で「安定」と言っても、イメージするものはさまざまなんですね。

ただ、「安定志向の学生は公務員を志望することが多い」なんて話を世間では、よくされていますよね。その文脈で考えると、「この組織が今後も続いていくのか」とか、「退職金をちゃんともらえるのか」みたいな、そういう将来的な安心感を重視した言葉かなと思いますね。

ーなるほど。では、その文脈で考えたときに「NSGグループは安定した企業」でしょうか?

NSGグループは日本全国でも珍しいくらい多様な事業を展開している企業です。そういう意味では、どこかの事業が少し調子悪くても、別の事業でカバーできるという安定感はある。もちろん、1つ1つの事業を見れば、まだ小規模なものもありますし、時代の流れで撤退した事業もこれまでにありましたが、全体として見たときの安定感というのは、やっぱりあると思いますね。
ただ、公務員や金融機関などと比べると安定性がないと、いわれるケースもあるんですよ。世代によっては、NSGグループに「学習塾と専門学校だけ」の会社みたいなイメージを持っている方がいるのかもしれません。そうなると、現在の事業規模やスケール感とは違う認識をしている可能性がありますね。
今の時代って、むしろいろいろやっている方が安定するんじゃないかなと思うんです。それこそ、ダイバーシティというか、多様な収入源があった方が安定感が増すという考え方に近いですよね。投資でもリスク分散が大事だといわれますし、同じことが企業にもいえるんじゃないかなって。
その話題と関連するんですけど、人も同じように何かに挑戦することでスキルが磨かれますよね。そうすることで自分の幅が広がって、結果的に安定した生活につながる。企業も同じで、いろんなことに挑戦することで事業の幅が広がって、それが安定につながるんじゃないかなって思います。

ーいま吉田さんから「挑戦」という言葉がでました。それでは最後のテーマに移りたいと思います。

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Theme7「挑戦」

ー「挑戦」ができる前提条件って何でしょうか。

まずは失敗が即座に大きなペナルティになる環境では、挑戦するのが難しくなりますよね。失敗したら即クビみたいな環境だと怖くて踏み出せない。
「やりたい」という気持ちや、「やれそう」という手応えがあることも、はじめの一歩を踏み出しやすくなる条件だと思います。まったく可能性が見えないことに挑戦できる人は少ないのだから、挑戦を促進するための環境づくりが大切だと思います。
「失敗しても大丈夫」という空気感や、周囲からのサポート、前向きな声掛けも重要だと感じます。わたしの場合、学習塾事業で働いていたときに規模の大きな校舎への異動がありました。上司からは「修行だぞ、でも頑張れば絶対に力がつくから」と送り出され、確かに大変なこともありましたが、上司や同僚から励ましの言葉を受けて頑張ったことで、キャパシティが広がり、自分の成長に大きく繋がったと感じます。学生の皆さんも、実は部活やサークル、アルバイトなどで「やる前は自信がなかったし、大変だった。でも、今思うとやってよかった!」。そんな経験をすでにしているのではないですかね?
私の場合は、3年目に指導役だった先輩が異動となり、自分がそのまま業務を引き継ぐ形になりました。直属の上司も他の業務で手一杯で、キャパオーバーになりかけました。正直、その時は一瞬「辞めたい」と思うこともありましたが、他の人の協力も得つつ、試行錯誤して乗り越えた結果、自分のキャパシティが大きく広がったと感じます。当時の経験が現在の人事の仕事においても役立っており、今では「やって良かった」と思える出来事になっています。
挑戦には必ずそういう苦しさが伴いますよね。成長する人ってみんなどこかのタイミングでそういう経験をしているのかもしれません。僕自身はストレスに対する耐性があるのか、「乗り越えるのが難しそう」と思うことはあっても、苦しいとか、辞めたいと思うことは無いですし、寝て次の日になったら意外とすっきりしているタイプですが(笑)。

ーみなさんは「挑戦と安心・安定は表裏一体」というフレーズをよく使いますよね。どういう意味なのでしょうか?

挑戦するって結局のところ、安心や安定があるからこそできることだと思うんですよね。たとえば「失敗しても大丈夫」っていう環境がなかったら、怖くてなかなか一歩を踏み出せないと思います。
心理的な安心感があると、「ちょっとやってみよう」って思えるんですよね。それがなかったら、失敗を恐れて動けなくなる。だからこそ、挑戦できる環境には、まず安心感が必要なんだと思います。
安心できる環境って、ただ失敗を許すだけじゃなくて、その失敗をどう次に活かすかをサポートしてくれることも大事だと思います。NSGグループには「失敗は経験」っていうカルチャーがあって、失敗しても「次はどうする?」って一緒に考えてくれる。
そのおかげで、挑戦が怖いものじゃなくなる。だから、「安心・安定」と「挑戦」って本当に表裏一体なんだなと思います。
それと、「安心・安定」と「挑戦」の関係性にはもう一つ別の側面があると思う。安定というのは、最初は会社とか組織が提供してくれるものだと思うんです。例えば、給与だったり福利厚生だったり、そういう仕組みに守られている安心感ですよね。でも、ずっとその安心感に頼っているだけだと、自分自身が成長しない。挑戦を通じて自分のスキルアップや経験を積み重ねていくと、どんな環境に行っても「自分ならやれる」っていう自信がついてきます。それが、自分自身で安定をつくり出せる状態だと思うんです。
安定感の主体が自分に変わったらすごく強いと思いますね。どの組織に行っても通用する力を身につけることで、会社や組織に依存しない、本当の意味での安定を手に入れられると思うんです。
会社や組織に「成長させてもらう」ことを期待するのは良いことですが、いつまでも頼りすぎるのはよくないと考えます。最初は頼っても、いずれ自分自身で成長の方法を見つけ、自分の力で前進する必要がある。そうしないと最終的に自分らしい未来を切り拓くことが難しくなってしまい、それは本当の意味での「安定」につながらないと思います。
とはいえ、採用したからには育てるのは私たちのミッションだと思っています。ただ、その役割を果たすにしても、私たちが提供できるのは「機会」までなんですよね。例えば研修や成長のための学びの場、やりがいのある仕事を任せる機会、そういったものです。その機会をどう活かすかは、やはり本人次第だと思います。最終的には「このチャンスを掴むんだ」とか「成長したい」という本人の意志や行動がないと、本当の成長にはつながりにくい。結局、成長の主体はどこまでいっても本人にあるんです。

ーなるほど、分かりました。すごく本質的なお話ですね。

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学生のみなさんへのメッセージ

ーでは、最後に学生のみなさんにメッセージをお願いします。

伝えたいのは、「社会人って意外と楽しいですよ」ってことです。学生のときって、今が楽しいから「仕事したくないな」「社会に出るのって嫌だな」って思ってしまうこと、あると思います。僕もそういうタイプでした。でも、いざ社会人になってみたら、社会人のほうが楽しいじゃんって思ったんです。良くも悪くもやれることが広がる。もちろん責任は増えるけど、その分やったことがちゃんと返ってくる感覚がある。自分でハンドルを握って、自分で方向を決められるし、誰かに相談すれば「こうすればあそこに行けるよ」って教えてくれることもある。自分の力でできることが増えていく、それが楽しいんですよね!ここまで、かなり本音を話したけど大丈夫かな?
大丈夫だと思います!学生の皆さんに本音を話してほしいと言っておいて、私たちが話さないのはフェアじゃないですし!私は、「就活を通じて自分をじっくり振り返る時間を大事にしてほしい」って思います。自分が何を大事にしていて、どんな場面で頑張れるのか、何に挑戦したいのかを知ることが、社会に出る前の準備としてすごく大事だと思うんです。それを考えずに入社してしまうと、苦しい場面が来たときに乗り越えられないこともある。でも、自分の軸があれば、納得感を持って頑張れるんじゃないかなって。自分を知ることがスタート地点になる。就活はその準備をする機会だと思います。ぜひ、一緒に頑張りましょう!
私は「自分らしさを大事にしてほしい」と伝えたいです。学生の立場から見ると、就活って企業に選ばれる側って思いがちですけど、実際はお互いのマッチングです。だから、飾らずに自分らしさを出してほしい。そのほうが、入社後に自分の力を最大限発揮できて、充実した社会人生活につながると思います。皆さんと会える日を楽しみにしています!
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※所属表記・記事内容は、
取材当時の内容に基づいています。

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