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急がなくていい。
確かめながら進む。
それが自分のやり方。

#顔をあわせる営業スタイル
#役に立つ実感
#新潟で働く

この街の時間が好き。

株式会社アイ・シー・オー
山林 駿

兵庫県出身。関西の大学を卒業後、東京の印刷会社で営業担当として8年間勤務し、大手企業や教育機関等の制作に携わる。結婚を機に新潟へ移住し、広告や印刷関連の企業数社での経験を経て、2025年に株式会社アイ・シー・オーへ入社。教育機関や企業を中心に、Web広告、紙媒体、SNS、撮影ディレクションなど幅広く担当する。

これまでのキャリア
入社前
大学卒業後、東京の印刷会社で営業を担当。
1年目
NSGグループの総合広告代理店である株式会社アイ・シー・オーにて、Web広告や紙媒体、SNS、撮影ディレクションなどに従事。

顔をあわせる営業スタイル。

東京の印刷会社で営業をしていた頃、やり取りの多くはメールと電話だった。効率は良かったが、ときに細かな意図が伝わらず、行き違いが起きた。写真の選び方や紙面のトーンなど、その場で話せばすぐ解決することが、顔が見えないコミュニケーションになると途端に難しくなることがある。相手の温度感が見えないまま調整が続くと、仕事が前に進んでいる実感が湧かなかった。大手企業の案件が多く、分業の中で自分の役割が見えにくい。手ごたえとして返ってこない。そこに少しずつ疲れを感じていたのだと思う。結婚を機に新潟へ移り住んだ。東京と違い、クライアントとの心理的な距離感が近い。相談を受けたときに「では、伺いますね」と自然に言える。会って話すと、相手がどこで迷っているのかが、表情の変化で分かることがある。メールで三往復していたやり取りが、対面だと五分で終わることも。自分にはこっちの方がやりやすい。もともと慎重な性格で、言葉を選びながら話すタイプ。流暢に話して押し切る営業より、丁寧に説明して相手の理解を確かめる方が合っている。東京にいた頃は「効率が悪い」と言われたことが、新潟では受け入れられる。「近くに来たので寄りました」「来てくれて助かったよ」。顔を合わせるだけで、すれ違いが減る。距離が縮まる。この街のリズムが自分にあっていると思う。

一つひとつ、積み上げていく。

担当しているのは、専門学校などの教育機関が中心。現在は6校を受け持ち、学校案内のパンフレット、ホームページ、Web広告、メディアへの出稿などを軸にサポートしている。最初は手探りだった。目の前の結果とデータを行き来しながら、何が起きているのかを一つずつ整理していくうちに、数値の裏側が少しずつ見えてきた。反応の出方を確かめ、必要なところに手を入れて、導線や見せ方を整えていく。専門性を前面に出したい学校もあれば、軽やかに雰囲気を伝えたい学校もある。高校生と保護者のどちらに向けて語るかで、言葉の置き方も変わる。ファーストビューやバナーの配置ひとつで動きが変わるから、感覚に寄せすぎず、数字を根拠にしながらクライアントと一緒に判断していく。制作やクリエイティブにも踏み込み、伝えたい意図がぶれないように整える。新潟には地元で活動するクリエイターが多く、写真やデザインにも土地ならではの感覚がある。それが面白い。学校側の意図と制作側の解釈をすり合わせながら形にしていくプロセスは一見すると地味だが、丁寧に進めた分だけ仕上がりの精度が上がる。正解はすぐに出ない。数字を追い、仮説を立て、迷いを減らしながら取り組んでいく。焦らず整えながら歩く。自分のスタイルに手ごたえが生まれてきた。

手ざわりが戻る場所。

新潟に来て5年。暮らしはゆっくり整った。もう満員電車に乗ることはない。通勤は短く、自然が近い。休日には趣味の塊根(かいこん)植物の世話をする。穏やかな時間の流れが、働き方にも影響しているのかもしれない。東京で働いていた頃は、いつも時間に追われていた。細かな分業があり、自分の担当が遅れると全体に迷惑がかかる。そのプレッシャーを常に感じていた。制作の背景や意図を深く知る前に工程が進み、完成後の反応を見ないまま次の案件へ移ることも多かった。今は企画段階から制作、公開後まで関わる時間が長い。クライアントやクリエイターと話す機会が増え、届けたい相手の像が会話の中で共有される。理解が揃うと提案も通りやすくなり、制作の進み方自体が変わっていく。スピードと効率を最優先する働き方から納得が生まれるまで話し合う自分らしいスタイルへ。急がば回れで、丁寧に整えていく。東京の案件は規模が大きい分、反響も大きかったが、自分の力がどこで役に立ったのかまでは見えない。新潟では、お客さまの反応がすぐそばで返ってくる。まちの変化が解像度高く見えてくる。「助かりました」と言われた瞬間の温度が、そのまま次への力になる。つまるところ、新潟のほうが自分に馴染んだということだろう。ここでやっていく。その気持ちが、静かに固まった。

※所属表記・記事内容は、取材当時の内容に基づいています。
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