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福祉業界を変えていく。
それができるのは、
わたしたち若い世代だ。

#事業企画
#介護現場のその先で
#人生に寄り添う

新しい福祉を、若い力で。

社会福祉法人愛宕福祉会 法人本部事務局 企画部 課長
伊藤 和哉

社会福祉法人愛宕福祉会勤務。新潟医療福祉大学義肢装具自立支援学科卒業。2011年に新卒入社。入社後2年間は福施施設で介護現場の仕事と施設運営を経験。その後、社内公募を経て、法人本部の企画部門に抜擢され、人事異動。以来、様々な施設の立ち上げを担当。2019年には、自身が企画した「開志上所こども園」が開園。大きな話題となる。

これまでのキャリア
1年目
社会福祉法人愛宕福祉会に入職。障がい者支援施設で働きながら施設運営を学ぶ。
3年目
社内公募で法人本部の企画部に抜擢。様々な福祉施設の立ち上げを担当。
5年目
企画部主任へ昇進。
8年目
自らが企画を担当した「開志上所こども園」が開園。大きな話題になる。
9年目
企画部係長に昇進。
12年目
2園目のこども園「開志新潟東こども園」の企画・立ち上げを担う。

目指したのは義肢装具士。その先に見えた世界。

寝たきりで過ごす祖父のいる環境で育った。介護は日常のこと。福祉の世界に進みたい。そんな思いが芽生えたのは、自分にとって自然なことだった。ある日テレビで、地雷で足を失ったカンボジアの子どもたちに義足を提供する番組を見た。心が揺れた。同じタイミングで、地元の大学に義肢装具士を育成する学科ができた。惹きつけられるように入学。学ぶうちに、装具を身につける人の、その先の人生にまで意識が向くようになった。どんな場所で、どんな仕事をして、どうやって生きていくのか。もっと違う視座で福祉の未来を見てみたい。これから先、福祉業界を取り巻く環境は大きく変化していくだろう。すでに日本の社会保障費はひっ迫している。既存の介護保険の枠を超えた新しいサービスが求められている。義肢装具士になるために学費を出してくれた親には申し訳ないと思ったが、自分のなかで動き出した歯車は止められなかった。そんな時、高齢者福祉だけでなく、児童福祉、障がい者福祉と次々と新しい福祉事業に取り組み、年々拡大成長している法人を見つけた。社会福祉法人愛宕福祉会。NSGグループだということは後で知った。「自分のアイデアで新しい福祉施設を立ち上げてみたい」。面接でそう話すと、「それならウチに来た方がいい」と言われた。自分の力で新しい価値がつくれる。気持ちが高まった。

介護とは命と向き合うこと。現場での経験が自分の原点。

「まずは現場から」。そう言われて配属になったのは、ある障がい者支援施設だった。本部の企画職じゃないのか。正直なところ、そう思った。介護スタッフ同様になんでもやる。それが施設長の方針だった。入浴介助や食事介助。大変だったけど、その分、利用者さんと家族のようになれた。すぐに現場が好きになった。楽しい。けれど、段々と「福祉」というものの本当の姿が見えてきた。孫と旅行する夢を叶えるために、辛いリハビリに耐える方がいる。家族を失い、ひとり静かに孤独と向き合う方もいる。介護とは一人ひとりの人生に寄り添うこと。どう生きて、どう最期を迎えるのか。「愛宕福祉会は最後の砦」。地域のケアマネージャーたちからはそう言われた。現場での経験は深くて濃い2年間だった。迎えた3年目。法人内では、本部の企画部門の公募が発表されていた。現場は好きだったが、施設の企画に挑戦したい。思い切って応募した。結果抜擢。今までとはうって変わり、スーツを着て出勤。転職したような気分だった。最初に任されたのは、120名規模の特別養護老人ホームの立ち上げ。総事業費は約15億円。見たこともない数字と慣れない環境に戸惑った。仕事を進める上で「どうしたらいいですか?」と上司に聞けば、「どうしたらいいと思う?」と返された。まずは自分の頭で答えを探す。この仕事の基本を叩き込まれた。膨大な量の仕事に飲み込まれそうになっても、あの時の利用者さんの姿が脳裏をよぎる。あの人たちのために。それが前に進む原動力だった。

NSGグループの力を結集して、新しい児童福祉が生まれた。

入社して6年目の春。2019年3月に「こども園」を開園することが決まった。この仕事を始めてから4年の月日が経っていた。園名は「開志上所こども園」。愛宕福祉会が得意とする保育に、幼児教育をプラスした新しい発想の施設。ネイティブの英語教師が常駐し、日常的に英語に触れる。オールアルビレックス・スポーツクラブと連携した専門家による体操教室。給食をつくる風景が自然と目に入る食育環境も整えた。日々の通常保育の後、そのまま施設内で習い事ができる。ピアノ、読み書き、そろばん、折り紙、バレエ、スイミング。NSGグループ内のさまざまな事業を結集することで、これまでにない新しい児童福祉サービスが生まれた。開園が発表されると大きな話題となった。初年度から入園希望者が殺到。通っている幼稚園を退園してまで入園を希望する人もいた。「いい施設をつくりましたね」。行政をはじめとする多くの関係者からも高い評価を得た。けれど、自分が特別な仕事をしたとは思っていない。この施設を利用される子どもたちと保護者、その両者の気持ちに寄り添い続けただけ。それはわたしたちにとっては当たり前のこと。ただ一つだけ、20代だった自分に「やってみろ」とたくさんの機会を与え、任せてくれたことは、ありがたいことだと思う。だからこそ、今の自分がある。やりたい企画はまだまだ湧いてくる。これからの新しい福祉をつくるのは、そう、若い力だ。

※所属表記・記事内容は、取材当時の内容に基づいています。
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