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一筋縄ではいかない
地域医療の課題に立ち向かう。

#縁もなかったこの場所で
#生意気な質問
#地域医療に新しいモデルを

地域医療の再構築に取り組む。

医療法人愛広会
山下 宣行

NSGグループ医療事業本部本部長。千葉県出身。信州大学経済学部卒。2000年新卒入社。大学在学時にゼミナールで参加したボランティア合宿での体験を機に、医療・福祉分野に興味を持つ。働く人が誇れるより良い病院づくりがモットー。

これまでのキャリア
1年目
医療法人愛広会の介護老人保健施設に配属。介護現場と施設運営に携わる。
3年目
新潟リハビリテーション病院事務部に異動。
13年目
法人本部の総務部課長に着任。
15年目
法人本部の企画部部長に着任。様々な施設の立ち上げに携わる。
16年目
医療法人泰庸会 新潟脳外科病院の事務長に就任。
24年目
NSGグループ医療事業本部本部長、医療法人愛広会専務理事に就任。

生意気な質問をしたのに、誘ってくれたのがこの会社。

新潟には縁もゆかりもなかった。出身は千葉県で、大学は長野県の信州大学。実家に帰省する途中の東京駅近く、リュック姿のまま参加した合同説明会で、NSGグループと出会った。「少子高齢化の時代なのに塾と学校経営でやっていけるんですか?」こんな生意気な質問をした学生を気に入ってくれた人事部長がいて、誘われるままに入社を決めた。当時NSGグループが医療・福祉の分野に力を入れようとしていたこと。先輩から誘われて参加したゼミ合宿で、病院や特別養護老人ホームでボランティア実習をした経験があったこと。ちょうど介護保険制度がスタートする直前で、業界全体が熱気に溢れていたこと。いろんな偶然が重なって、この業界に飛び込むことを決めた。特別な入社動機があったわけではない。ただ、「どこに行ってもなんとかやれるだろう」。そんな根拠のない自信だけはあった。最終面接で「将来、やりたいことは?」と聞かれ、当時思っていたことを好き勝手に話した。正直、内容はあまり覚えていない。「だったら経営者になればいいよ」。突然そう言われて、「そんな道もあるのか」と思った。あれから20数年。新潟での時間が人生の半分を越えた。

医療現場の方々が誇りを持って働ける職場をつくる。

経営側のトップとして医療機関の経営を支え、2,000人を超える職員の生活を守る立場になった。病院運営の主役はあくまで医療従事者。自分の役割は現場で医療や福祉のスペシャリストたちが気持ちよく、そして誇りを持って働ける職場をつくること。「あの設備を導入してくれて助かったよ」。「利用者さんが喜んでくれています」。現場の人とそこから想像する利用者さんたちの笑顔が常に自分を導いてきた。いま、地方の病院経営には多くの課題が蓄積している。その一つが人材不足。労働集約型産業である医療業界において、効率化は喫緊の課題。すでに医療DX化への取り組み、ロボットやAI技術の導入検討が始まっている。ただし、テクノロジーの導入ですべてが解決するほど簡単な話ではない。
現場には現場の考えや想いがある。その分野のスペシャリストとして、最前線で戦ってきた自負もある。そんな中で、頭ごなしに否定するかのように今までのやり方を一方的に変えてしまったら、それは反発を生むだろう。現場の想いに共感し、時間をかけてでも一緒になって考えていく必要がある。患者さん、利用者さんと向き合う現場のスペシャリストたちが誇りを持って働ける職場はどんな職場か。その答えを追求しながら、少しずつ正解に向かう扉をあけていく。

医療機関が果たす役割は?一生を賭けるに値する仕事。

いま、新たな挑戦が始まっている。2024年4月より、NSGグループの医療法人愛広会が、新潟県燕市にある新潟県立吉田病院の指定管理者に指名され、県立病院の運営を担うことになった。新潟県は医師の充足度が全国最下位。かつ面積が広く、高齢化も進んでいる。県政は地域医療構想のグランドデザインを掲げ、地域医療の再構築に取り組んできた。NSGグループはリハビリテーション病院等で培ってきた実績を評価され、回復期医療を中心に地域医療の重要な一翼を担うことになった。厚生労働省、地方行政、地域の医師会など、これまでとは違うフィールドの人たちとの会合が繰り返される。県の医療行政にとっても大きな分岐点。必ず成功に導き、地域医療の新たなモデルを構築すること。使命は大きい。医療機関というインフラが地域社会に果たすべき役割とはなにか。スケールの大きな問いに向き合う一方で、人材不足や働き方改革といった目の前の課題もある。医療・福祉の分野には大きな可能性がある。マーケティングもDX化もまだまだ遅れている。大きな成長機会がそこにある。すべて一筋縄ではいかない。だからこそ一生を賭けるに値する。

※所属表記・記事内容は、取材当時の内容に基づいています。
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