
プロが力を発揮しあい、ソリューションを生みだす。
その環境を生み出すことが僕のミッション。
病院経営に挑む男。
医療法人泰庸会新潟脳外科病院事務長。信州大学経済学部卒。2000年新卒入社。福祉分野と起業支援制度に興味を持ちNSG入社。グループ内の医療福祉分野でキャリアを重ね、2015年2月現職に。千葉県出身。
僕の生意気な質問が、この会社との出会いだった。
就活のときだった。東京国際フォーラム。合同説明会の中に、独立を支援してくれるという、そんな企業があった。医療福祉に力を入れていて、かつ事業家マインドが旺盛だった。興味が湧いた。「少子高齢化の時代なのに塾と学校経営でやっていけるんですか?」。僕は生意気な質問をした。帰りに人事部長みたいな人に肩を叩かれて、「君面白いな」と言われた。
学生時代にゼミのボランティアを通じて福祉に興味をもった。介護保険制度の導入により社会の注目を集めていた。ビジネスチャンスがありそうな気がした。介護住宅など福祉政策に力を入れている大手ハウスメーカーからも内定をもらった。でも、あっさりNSGを選んだ。「いっしょに仕事をしよう」そういってくれた人事部長になぜか惹かれた。子どもの頃から、委員長、生徒会長に。リーダーシップがあると自分でも思っていた。いつか独立してみたい。そんな夢を抱くようになっていた。必然的に出会った会社なのかもしれない。
誰がやるか。そんな仕事はすべて引き受けた。僕なりの挑戦だった。
最初の配属は介護老人保健施設。研修もないままいきなり仕事を任された。「バイトしてたことあるんだろ?だったら納品チェックできるよね」と言われてびっくりした。入社初日に上司から「仕事はちゃんとしろ、これで飯を食うんだから」と言われた。ずいぶん乱暴な職場なのかと思った。午前は現場で利用者さんのケア。午後から事務作業。新しいことはどんどん覚えた。
次に配属されたのは、リハビリテーション病院。医師がいる。独特のヒエラルキーがある。職員の数も段違いに多い。みんなプロ意識が強い。それぞれに言い分がある。なかなか意見がまとまらない。足を動かすしかなかった。仕事には「はざまの仕事」というものがある。どっちがやるか、誰がやるか。泥仕事。面倒な仕事。嫌な仕事。やっかいな仕事。そんな仕事をぜんぶ引き受けた。そのうち「あいつに任せたら大丈夫」「あいつに頼まれたら仕方ない」そう言ってもらえるようになった。
誰かが困っている。それを解決することで僕はメシを食っている。
入社15年目。事務長に抜擢された。いきなり大型プロジェクトが目白押し。最新のMRI機械の導入。病棟の改修。学会の開催。日々いろんなことがあって新しい課題は次々に生まれる。そういう課題を細かく一つ一つ丁寧に解決していくのが自分の役割だと思っている。そこにプロ意識がある。課題がある、ということは誰かが困っているわけだから。自分はそこで飯を食っているという意識がある。専門職が集まっている職場。専門性が活かせる仕事ができるはずだが、必ずしも100%そうなるとは限らない。
立場によって言い分があるし、考え方もある。そういった違いを乗り越えてプロがプロとして力を発揮しあい、最高のソリューションが生まれる職場をつくっていくこと。それが僕のミッションであり、ビジョンである。いつかは独立したいとずっと思っていた。けれどいつの間にかそんなことを考えなくなった。病院をよくしたいという思いしか今はない。それが今の自分にとっての自己実現でもある。