在校生 山田琉聖選手のスノーボードW杯優勝が示す、人材育成と妙高というフィールド。

2026.01.19 Mon

世界の舞台で結果を残す選手は、決して偶然に生まれるものではありません。競技に集中できる環境、世界基準の指導、そして人としての成長を支える教育。それらが揃ってこそ、トップアスリートは育ちます。

JWSC国際スノーボード&スケートボード専門学校(以下、JWSC)の在校生・山田琉聖選手は、昨年12月、スノーボード男子ハーフパイプのワールドカップで初優勝を果たしました。次なる挑戦へと歩みを進める山田選手。その背景には、妙高の地で積み重ねてきた日々があります。

JWSCが目指しているのは、競技力だけにとどまらない、「世界で通用する人材」の育成です。今回は、副校長の植木 潤さんに、アスリート育成に込めた理念を伺いました。

FISスノーボード男子ハーフパイプ ワールドカップ第2戦での上位3名
SAJ令和8承認第00109号

 

世界への距離を縮め、可能性を引き出す環境。

― 世界の舞台で活躍する選手が生まれている背景についてお聞かせください。

植木 本校は、26年前に「全日本ウインタースポーツ専門学校」として開校しました。スノーボードではこれまでに4名のオリンピアンを輩出してきましたが、現在はJWSC国際スノーボード&スケートボード専門学校として、競技志向をより明確にしたトップアスリートコースを新設しています。世界で戦う意志と可能性を持った選手を、全国、そして海外から人材発掘し、少数精鋭で育成しています。

 

― 山田琉聖選手も、その流れの中で迎え入れた選手なのでしょうか。

植木 そうですね。山田選手は2年前に北海道から入学しました。本人はもちろん、保護者の方とも将来像を丁寧に共有し、競技だけでなく、その先の人生まで見据えた環境を整えてきました。そうした積み重ねが、世界の舞台で結果を出せる段階に、今結びついていると感じています。

 

― 「妙高」という立地は、アスリート育成にどのような影響を与えていますか。

植木 妙高という環境は、アスリート育成において非常に大きな意味を持っています。

学校周辺には7つのスキー場があり、11月から5月中旬まで、年間およそ6か月間の滑走が可能です。さらに、夏場にスケートボードなどを取り入れたトレーニングや、自然の中でのフィジカル強化など、人工的な施設だけでは得られない身体感覚を養える点も強みです。

妙高のスキー場でスノボ練習をするJWSC国際スノーボード&スケートボード専門学校の学生

 

競技・身体・学びを一体で支える、トップアスリート育成。

学生には、どのような競技指導を行っているのでしょうか。 

植木 競技指導については、分野ごとに専門性の高い指導陣が関わっています。レベルや課題に応じて、外部のプロコーチや元トップアスリートにも指導に入ってもらっています。技術に加え、試合を想定した滑りの組み立て方や、どう考えて滑るかといった部分まで踏み込んで指導している点が特徴です。トップアスリートを目指す学生だけでなく、将来業界で活躍したい学生にも対応できる学びの環境を整えています。

 

トレーニングや栄養面では、どのようなサポートを行っているのでしょうか。

植木 フィジカル面では、専門のスポーツトレーナーが関わり、競技特性や個々の身体の状態に合わせたトレーニングを行っています。ウェイトトレーニングに加えて、体幹やバランス能力、空中姿勢を養うトレーニングも日常的に取り入れています。栄養面についても重視しており、食事や体づくりを通して、自分でコンディションを整える力を身につけてもらっています。

JWSC国際スノーボード&スケートボード専門学校でウェイトトレーニングをする学生

 

海外遠征や大会期間中も、学校としてサポートしていると伺いました。

植木 はい。例えば山田選手が海外遠征や国際大会に出場している期間も、現地で撮影した滑りの映像を送ってもらい、リモートでフォームや動きを確認しながらフィードバックを行っています。また、遠征中でも学業や課題についてはオンラインでフォローし、競技に集中しながら学びを継続できる環境をつくっています。

 

海外遠征を通じて、競技面だけでなく多くのことを学んでいるのではないでしょうか。

植木 そうですね。山田選手も、世界トップレベルの選手たちと同じ舞台で滑る中で、技術だけでなく、試合への向き合い方やメンタルの保ち方に大きな変化が見られました。また、言葉や文化の違いがある環境でのコミュニケーションは、競技以外の面でも人としての成長につながっていると感じています。

 

好きなスポーツを将来の仕事へ―JWSCの人材育成。

好きなスポーツを「仕事」にするために、どのような教育を行っていますか。

植木 私たちが一番大切にしているのは、ボードスポーツを「遊びの延長」で終わらせないことです。入学時点では「好きだから」「もっと上手くなりたいから」という動機が多いですが、在学中に、それが将来どんな仕事につながっていくのかを具体的に考えられるよう、職業観を育てています。インストラクターやコーチ、ショップスタッフ、イベント運営など、実はボードスポーツに関わる仕事は多岐にわたります。業界の構造や、それぞれの仕事の役割を知ることで、「好きなことをどう社会と結びつけるか」を自分なりに考えられるようになってほしいと考えています。

 

― 業界と連携した人材育成にも力を入れているそうですね。

植木 はい。JWSCでは、競技分野ごとに業界と連携しながら人材育成を進めています。例えばスケートボード分野では、JSF日本スケートボーディング連盟と連携し、競技動向や業界のニーズを教育に反映しています。大切にしているのは、学校の中だけで完結させないこと。競技者としてだけでなく、将来的に指導や運営、業界を支える側に回れる人材を育てたいと考えています。

JWSC国際スノーボード&スケートボード専門学校の屋内練習場でスケボーをする学生

 

― 留学生の受け入れも積極的に行っているそうですね。

植木 最近はアジア全体でボードスポーツが急速に広がっています。その中で、日本は育成や技術の面で、いまなおボードスポーツの先進国であると感じています。JWSCでは、日本で唯一のボードスポーツ専門学校として、国内だけでなく海外からも学生を受け入れ、世界を視野に入れた人材育成に取り組んでいます。競技を学ぶだけでなく、日本の現場を経験し、世界へ羽ばたいていく。そうした場としての役割も担っていきたいですね。

 

― 最後に、世界で活躍する人材を育てる上で、最も大切にしていることを教えてください。

植木 やはり一番は、コミュニケーション能力です。競技力がどれほど高くても、人と関われなければ世界では通用しません。挨拶をする、感謝を伝える、自分の考えを言葉にする。至極当たり前ですが、その積み重ねが、競技人生とその先にある長い人生を支えていくと考えています。妙高という環境、JWSCという学校、そして人との出会い。それら全てをもって、「世界で生きていける人材」を育てていきたいですね。

JWSC国際スノーボード&スケートボード専門学校在校生の山田琉聖選手
SAJ令和7承認第00123号

 

JWSCでは、山田選手のほかにも、卒業生であり現在はコーチとして後進の育成に携わる冨田せな選手・冨田るき選手をはじめ、在校生の石田莉緒選手など、国内外で活躍する選手が育っています。

 

[主な大会成績]

山田琉聖選手:
FISワールドカップ2026 アメリカ・カッパーマウンテン大会 優勝
FISワールドカップ2026 中国・シークレットガーデン大会 5位
The Snow League Event2 中国・シークレットガーデン 男子ハーフパイプ 3位
The Snow League Event1 アメリカ・アスペン 男子ハーフパイプ 5位
FISワールドカップ2025 アメリカ・アスペン大会 3位
FISワールドカップ2025 中国・シークレットガーデン大会 3位
第4回ユースオリンピック冬季競技大会(韓国•江原道) 銅メダル

石田莉緒選手:
FISレース ジュニア・リージョナルカップ スイス・レンク・イム・ジンメルタール 3位
FISレース ジュニア オーストラリア・マウント・ホッサム 3位
Youth Olympic Games GANGWON2024 出場

藤森由香選手:
2018年 平昌オリンピック 女子スロープスタイル、女子ビッグエア 7位
2014年 ソチ冬季オリンピック 女子スノーボードクロス
2010年 バンクーバー冬季オリンピック 女子スノーボードクロス
2006年 トリノ冬季オリンピック 女子スノーボードクロス 7位

広野あさみ選手:
2018年 平昌オリンピック 女子スロープスタイル、女子ビッグエア

冨田せな選手:
FISワールドカップ2026 アメリカ・アスペン大会 3位
FISワールドカップ2026 アメリカ・カッパーマウンテン大会 2位
The Snow League Event2 中国・シークレットガーデン 女子ハーフパイプ 4位
The Snow League Event1 アメリカ・アスペン 女子ハーフパイプ 優勝
2022年 北京オリンピック 女子ハーフパイプ 銅メダル
2018年 平昌オリンピック 女子ハーフパイプ 8位

冨田るき選手:
FISワールドカップ2026 アメリカ・アスペン大会 6位
2022年 北京オリンピック 女子ハーフパイプ 5位

 

JWSC国際スノーボード&スケートボード専門学校

JWSC国際スノーボード&スケートボード専門学校は1999年に開校し、これまで、冬季五輪4名出場、JSBA公認プロスノーボーダー60名を輩出してきました。ボードスポーツを学ぶための最適な環境と施設のもと、実績ある講師陣による専門教育を実施しています。スノーボードは、年間6か月の雪上トレーニングを中心としたカリキュラム、スケートボードは、JWSCスケートボーディングラボ内にストリート、パークセクションを完備して競技に専念できる環境があります。今後も、オリンピック選手やプロ、ボードスポーツ業界で即戦力となる人材を輩出するため、実践知を得られる教育活動に取り組んでいきます。

〒949-2219 新潟県妙高市原通76
TEL:0255-81-3131 FAX:0255-81-3130
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