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動物福祉を軸にした「アニマルセラピー実習」が生む、学生の成長と地域貢献。
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国際ペットワールド専門学校で行っている「アニマルセラピー実習」は、動物と人の双方に配慮した、優しさを大切にする取り組みです。動物福祉を軸にした教育によって、高齢者の心身の活性化や学生の成長をもたらしています。
どのような理念のもと、この実習を展開しているのかを、国際ペットワールド専門学校 教務部の山下 静香さん(愛玩動物看護師)にお話を伺いました。

動物福祉を軸に広がる、癒しと学びの実践。
― まず、「アニマルセラピー」とはどのようなものか教えてください。
山下 アニマルセラピーとは日本で広く使われるようになった言葉で、大きく3つの領域に分かれています。『動物介在活動』『動物介在療法』『動物介在教育』です。私たちが行っているのは、その中の動物介在活動にあたります。高齢者施設などを訪問し、犬などとの触れ合いや簡単なレクリエーションを楽しんでいただきながら、動物がもたらす癒しや温かい時間を共有する取り組みです。
― この実習を運営する上で、重視している観点は何でしょうか。
山下 まずは“動物福祉”を重視しています。「動物自身が安心してその場にいられること」を大切に考えていて、そこが私たちの実習の大きな特徴です。学生たちには、動物のストレスサインを読み取れるよう、ボディランゲージの細かな観察や繊細な変化の理解を指導しています。さらに、高齢者の方との向き合い方も重要です。最近は高齢者と日常的に接する機会が少ない学生も多く、会話に戸惑う学生も少なくありません。だからこそ、どんな距離感で話しかければ安心していただけるのか、相手の気持ちを尊重する接し方も指導しています。
― “実践の場”で行うことにより、さらに学びが深まるのではないでしょうか。
山下 おっしゃる通りで、実際に施設を訪問すると、教室では得られない気づきがたくさんあります。高齢者の方が犬を前にして急に笑顔になったり、思い出話をして涙を流して懐かしんだり、そんな場面を目の当たりにすると、学生たちは「動物ってこんなに人の心を動かせるんだ」と実感します。これまで学んできたことが“誰かの喜びにつながった”という手ごたえは、学生たちにとって大きな経験です。

丁寧な準備が支える、安全性と学生の成長。
― 実習を噛みつき事故なしで続けられているそうですが、その理由は何だと思いますか。
山下 理由はひとつではありませんが、やはり“準備の丁寧さ”が重要だと思います。施設側と何度も話し合いを重ね、参加者のアレルギーや体調、施設の環境など、できる限りの情報を共有して慎重に準備します。動物の特性や起こりやすい行動も共有することで、リスクを先に取り除くようにしています。そうした積み重ねが、事故ゼロにつながっているのだと思います。
― 実習後の振り返りはどのように行われていますか。
山下 実習が終わると、必ず全員でミーティングをします。その日の活動で感じたこと、うまくいったこと、次に改善したいことなど、学生自身の言葉で振り返ってもらいます。「思っていたより高齢者の方とたくさん話せた」、「動物の様子に気づくのをもっと早められたかもしれない」など、そんな気づきが毎回の学びになります。話し合うことで、自分の課題に気づき、次の実習に向けて行動が変化していきます。
― 学生に“変化”が現れた印象的なエピソードはありますか。
山下 高齢者の方から「あなたのワンちゃん、本当にかわいいね」と声をかけられた時、学生の表情がぱっと明るくなったことがありました。動物を介すことで、人との距離が自然に縮まり、自分の存在を肯定されたように感じたのだと思います。中には「次はもっと楽しんでもらいたいから、芸を追加で練習してみよう」と自主的に行動し始める学生もいて、まさに、実践が人を育てるのだな、と感じますね。

個性を尊重した指導が育む、専門性と使命感。
― 動物の個性に合わせて指導を変えることはありますか。
山下 はい、個性によって変えています。大きな音に敏感な子、初めての場所が苦手な子、誰にでも懐くタイプの子…それぞれに合った練習や参加方法を考えます。時には「この子は今回は参加しないほうが安心だね」という判断をすることもあります。動物にとって無理のない関わり方を、常に意識しています。
― 安全で楽しい実習の場をつくるため、どのようなリスクマネジメントを行っていますか。
山下 活動中は、学生を“ハンドラー”と“サポート係”の2名体制にして運営しています。ハンドラーは動物のリードを持ち、常に動物の状態に集中します。一方でサポート係は、周囲の状況や高齢者の方の反応を確認し、動線を確保したり、声をかけたりします。高齢者の方に近づく前には、「今、動物が近くに行っても大丈夫ですか?」と必ず確認します。その日の気分の変化にも配慮し、その方に合った距離感で接することで、人にも動物にも安心して過ごしてもらえる場をつくっています。

― この実習を通して、学生にはどのような職業意識が芽生えていくのでしょうか。
山下 動物病院やペットショップへの就職を考えている学生が多いのですが、実習を通して「動物だけでなく、人の気持ちにも寄り添いたい」と考えるようになるケースが増えています。 “動物が好き”という気持ちから、“動物と人の幸せのために働きたい”へと変わっていく。そうした意識の変化はアニマルセラピー実習の大きな教育的成果だと思います。
― 今後、このプログラムをどのように発展させていきたいですか。
山下 これまで通り高齢者施設との活動は続けながら、もっと場が一体となれるレクリエーションを増やしたいと考えています。ボールを持ってくる芸などはとても喜んでいただけるので、そうした取り組みも広げていきたいですね。また、同じNSGグループの国際こども・福祉カレッジとの連携授業~通して、子どもたちに動物との接し方を伝える活動も始めています。今後は保育園や小学校との連携も深めて、生命尊重教育を広げていけたらと考えています。動物を通して地域の人たちと温かなつながりが生まれる活動を、これからも広げていきたいですね。

国際ペットワールド専門学校
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