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「経営者能力開発制度」を活用し大学院を修了。その学びを教育分野で実践したキャリアの軌跡。
NSGグループでは、次世代の経営を担う人財や起業を志す職員・社員を対象に、事業創造大学院大学への通学を支援する「経営者能力開発制度」を実施しています。地域や社会に貢献できる経営人材の育成を目的としており、これまでに100名を超えるMBA〔経営管理修士(専門職)〕プログラムを学び、自らの可能性を広げてきました。そんな「経営者能力開発制度」を、2人の経営者の視点からご紹介します。
2人目の今回は、教育分野で挑戦を続け、現在は学校法人大彦学園で常務理事を務める伊藤和真さんにインタビュー。学習塾部門での約20年にわたるキャリアを経て、大学院での学びを通して得た知見を、学校教育の現場でどのように活かしてきたのか、その歩みをご紹介します。
*1人目 株式会社NSGソシアルサポート 代表取締役社長 樋口督水さんのインタビューはこちら。
制度との出会いと、心に決めた2つの目標。
— 事業創造大学院大学に通った経緯を教えてください。
伊藤 私が制度を活用して事業創造大学院大学に通ったのは2010年。当時は学習塾を運営する株式会社NSGアカデミーで管理職を務めており、日中は教室運営やマネジメントに携わっていました。将来的なキャリアを見据えたとき、大学院への入学を希望するのはごく自然な流れでした。大学院の講義は主に夜間に開講されており、終業後の時間を有効活用することで、無理なく通学できる環境も後押しになりました。
— 入学時に掲げた目標はありますか。
伊藤 「この機会を有効に活用するため、何かを持ち帰ろう」と決意し、2つの目標を立てました。1つは、卒業時に“実行可能な”ビジネスプランを完成させること。単なる理論で終わらせず、現場で動かせるプロジェクトにしたいと考えました。もう1つは、会計の知識をきちんと身につけること。会計分野への知識に自信がなかったため、経営者としての視点を持つにはその力が不可欠だと感じていました。
— 印象に残っている科目や分野は何ですか。
伊藤 特に記憶に残っているのは「会計」と「リーダーシップ論」です。会計の授業では、財務諸表の構造や経営判断に必要な数値の読み方を体系的に学べ、すぐに現場で活かせる力が身につきました。リーダーシップ論では、実践してきた自分のリーダー像と、理論として学ぶ多様なスタイルを比較することで、自分の強み・弱みを客観的に理解できたことが大きな収穫でした。
— 仕事と学業の両立はどのようにしていたのですか。
伊藤 一番意識していたのは“時間のマネジメント”です。仕事後に勉強するのではなく、早朝に切り替えました。授業のある日は早めに就寝し、朝3時に起きて課題に取り組む。これを週に3〜4回ほど、課題や提出物があるときは早朝時間を活用して集中的に取り組みました。疲れた夜よりも、頭が冴えている朝の時間のほうが、私には合っていたと思います。
学びを事業化へ。小学生向け教育ブランドの立ち上げ
— 大学院で取り組んだビジネスプランについて教えてください。
伊藤 私が立案・実行したのは、小学校低学年向けの教育ブランド「NSGキッズクラブ」です。当時の塾業界では小学4年生からの入塾が一般的でしたが、それ以前の年齢層に着目し、早期からの関わりによって塾全体の経営の安定性向上を目指しました。
— 計画づくりに大学院の学びはどう活かされましたか。
伊藤 ペルソナ設定やサービス設計などを大学院で学び、完成させた事業計画を社内でプレゼンテーションしたところ、役員会の審議に進み、事業化することが決まりました。大学院を修了するタイミングには受講生募集のチラシも完成し、募集がスタートしました。大学院のビジネスプランコンテストでも、実現性の高さが評価され「優秀賞」を受賞しました。
— その他に得られたものはありましたか。
伊藤 人との出会いも大きな財産でした。特に印象に残っているのがベトナム人留学生との交流です。ある授業で一緒に事業計画を作る機会があり、そこから自然に仲が深まりました。卒業後も家族ぐるみで交流が続いており、実際にベトナムも訪問しました。こうした国際的なつながりを得られるのも、大学院ならではの魅力だと思います。
経験を活かし、キャリアの転機へ。
— 制度を活用後、キャリアにどんな変化がありましたか。
伊藤 NSGアカデミーで約20年勤務した後、「新しい環境で挑戦したい」と考え、自ら転籍を希望しました。配属先は学校法人大彦学園が運営する開志国際高等学校。開校間もないタイミングだったため、制度や文化をこれから作っていく段階にありました。着任後すぐに全教職員と1対1での面談を行い、現場の声を丁寧に聞き取りました。これは大学院で紹介いただいた一冊の本、三枝匡著『V字回復の経営 - 2年で会社を変えられますか』に影響を受けた行動で、「話を聞いてくれる人だ」と感じてもらうことが組織の風土を変える第一歩になると実感しました。
— 他にも学びが活かされた場面はありますか。
伊藤 転籍前には、NSGグループが事業継承した中条スイミングスクールという事業の再建にも関わりました。ここでも、大学院で学んだ戦略・数値分析・マネジメントの知識が大いに役立ちました。特に「戦略」と「人を動かす力」が成果を大きく左右することを実感し、それらを意識して取り組んだ結果、黒字転換を実現することができました。
— 現在の取り組みと今後の展望を聞かせてください。
伊藤 この春には広域通信制の「開志創造高校」を開校しました。将来的には1万人規模の学校へと成長させたいと考えています。同時に、不登校や多様な学びに対応するためのフリースクール「開志学園中等部」もスタートしました。事業計画や予算設計、運営フローの構築など、大学院で学んだ知識が今も役立っています。
経験を次の挑戦へとつなげる。
— 今後のキャリアについて、どのように考えていますか。
伊藤 私は「ゼロから立ち上げる」というフェーズが性に合っているようです。事業が軌道に乗れば、自らがずっと担い続けるのではなく、信頼できる人にバトンを渡して次へ進む。その繰り返しで、新たな挑戦を重ねていきたいと思っています。
— この制度をどんな人にすすめたいですか。
伊藤 成長したいと願う人には、ぜひ挑戦してほしいですね。最初はビジョンがなくても、学びを重ねる中で輪郭が見えてきます。専門職大学院の魅力は、「学び」と「実践」が密接に結びついていること。実務に活かせる知識だけでなく、刺激し合える仲間との出会いも得られます。今でも大学院の先生に相談しますし、当時の仲間との交流も続いています。この制度は、未来へのチャレンジを後押しするものです。自分の可能性を信じて、新たな一歩を踏み出してみてください。
NSGグループでは、「経営者能力開発制度」を通じて、次代を担う人財の育成に取り組んでいます。
「経営者能力開発制度」は、急激な社会変化に対応し、高度な専門性と実務能力を兼ね備え、経営管理や事業創造を担える人財の育成を目的として設けられました。
制度を通じて、自ら会社を立ち上げた社員・職員や、経営幹部として組織を支える役割を担うようになった社員・職員もいます。在籍法人で新規事業やプロジェクトに挑戦するなど学びが現場で活かされている事例もあります。今後も挑戦する社員・職員を応援し、個人の成長が新たな事業を生み出し、人と事業が共に成長していく循環をつくっていきたいと考えています。
学校法人大彦学園
伊藤 和真
1993年新卒入社。学習塾での教科指導や生徒募集、複数校舎の統括、ブランドマネージャーなどの経験を経て、2015年にNSGグループに加入したスイミングスクールの代表取締役に就任。事業の再建を担うこととなる。その後、開志国際高等学校の副校長を経て、現在は学校法人大彦学園の常務理事として、広域通信制高校の設立を手掛け、新しい学びのかたちを追求している。
株式会社NSGホールディングス 人事本部
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TEL:025-210-8571 / FAX:025-364-7572
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