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仕事と家庭と大学院を両立。MBA取得と起業を支えた「経営者能力開発制度」。
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NSGグループでは、グループ各法人の経営幹部候補者や起業を志す職員・社員を対象に、事業創造大学院大学への通学を支援する「経営者能力開発制度」を実施しています。地域や社会に貢献できる経営人材の育成を目的とした本制度は、これまでに100名を超えるMBA〔経営管理修士(専門職)〕を輩出しています。この「経営者能力開発制度」が、実際にどのように活かされているのか、2人の経営者の視点からご紹介します。
1人目の今回は、この制度を活用して事業創造大学院大学で学び、起業へと踏み出した株式会社NSGソシアルサポート 代表取締役社長 樋口督水さんにお話を伺いました。
経営のリアルな戦略を学び、現場の仕事に活かすために入学を決意。
— 制度を知ったきっかけと、利用を決めた背景を教えてください。
樋口 当時私はNSGグループが運営する福祉施設で相談員をしており、「大学院に通える制度があるらしい」と耳にしたのがきっかけでした。実際に大学院に通った方々から「実践的な学びが得られる」「異業種のたくさんの人と出会える」「外国人留学生も多く刺激的」といった声を聞き、次第に関心が高まっていきました。
— その後、制度にチャレンジしようと決めた理由は。
樋口 制度を知ってしばらくして、上司に「経営のことを学びたい」と相談しました。すると「ぜひ推薦したい」と背中を押してもらい、決意が固まりました。あの時、一歩踏み出していなければ、今の私はなかったと思います。
— なぜ経営を学びたいと思ったのですか。
樋口 障がい者の就労支援の現場で長年働く中で、企業側の視点をより深く理解したいという思いが強くなりました。支援者として「真ん中」に立つためには、障がい者と企業の両方のニーズを把握しなければなりません。そのために、経営の知識が不可欠だと感じたのです。また、自分の仕事の意義や組織の方向性を見つめ直したいという思いもありました。事業創造大学院大学のMBAプログラムは、そうした私のニーズにぴったりだと感じました。
— その他に大学院通学の決め手となったことはありますか。
樋口 社会人に配慮した夜間開講で、さまざまな経歴を持つ人々と学べる環境は非常に魅力的でした。単なる知識の習得ではなく、多様な価値観に触れながら視野を広げられることに、大きな意義を感じました。仕事や家庭と両立しながら学べることも、重要なポイントでした。
多様な価値観との出会いが視野を広げてくれた。
— 入学後の学びと、印象に残った科目や分野は何でしょうか。
樋口 2017年に入学してからの2年間は、毎回の授業が新鮮で刺激的でした。印象に残っているのは、現役経営者の先生方による講義です。実体験を交えた話からは、理論以上に学べることが多く、「現場に活かせる」と実感する瞬間がたくさんありました。中でも、ユニクロのビジネスモデルを分析した授業は記憶に残っています。自分の職場に当てはめて考える中で、「価値をどう届けるか」という視点が自然と身についていったと感じています。
— 学びが今の仕事にどのように活かされていますか。
樋口 たとえば、マーケティングの科目で学んだ「調査の進め方」や「ターゲットの捉え方」は、実務に直結しています。演習として実際に調査を行い、仮説設定からデータ収集、活用までの一連の流れを学ぶことができました。
— 多様な業種の方との出会いもあったのですね。
樋口 行政職、会計士志望者、企業の経営者、留学生など、バックグラウンドの異なる人々と議論を重ねることで、自分にはなかった視点や考え方に触れることができました。特に印象的だったのは、行政職の方々との議論です。普段は「お願いする側」だった立場から、対等な立場で地域課題について語り合えたのは、貴重な経験でした。
起業のきっかけは、学びを通して描いた事業計画。
— 教授の教えで印象に残っていることはありますか。
樋口 ゼミの担当だった里見泰啓先生の、「自社だけの成功を追い求めていては、企業は成長しない」という言葉が強く印象に残っています。企業には社会との関わりや地域への貢献が不可欠であり、それを意識して取り組むことで、必要とされる存在になれる。今の仕事でも、この教えを常に意識しています。
— 起業に踏み出す決め手となったのはどのような経験ですか。
樋口 大学院での学びを通して「事業計画を立てる」経験が大きな転機となりました。入学当初は経営の基礎を学ぶ目的でしたが、学びを深めるうちに「自分にもできるかもしれない」という気持ちが芽生えました。特例子会社をテーマとした事業計画を具体的に描けるようになったことが、起業の大きなきっかけです。そのタイミングで、女性経営者向けのプレゼンテーション機会があり、NSGグループの幹部の方々から直接アドバイスや励ましの言葉をいただいたことが、最後の一押しとなりました。
自分を成長させるには、この制度は絶好のチャンス。
— 仕事と家庭、学業をどう両立されましたか。
樋口 2年間は本当に濃密な時間でした。仕事、講義、子どもの送迎、課題、家事、育児…すべてが重なり、毎日がフル稼働でした。それでも、子どもたちの「ママ、がんばってるね」という言葉に何度も救われました。家族の理解と応援があったからこそ、やりきることができたと思います。
— 学びを経て企業との関係性に変化はありましたか。
樋口 経営を学んだことで、企業と対等に話ができるようになった実感があります。以前は「サービスを導入してもらう立場」でしたが、今は「企業にとって意味のある雇用とは何か」を共に考える関係性に変わりました。企業側の本音や姿勢にも触れられるようになり、対話の質が大きく変わったと思います。
— どのような方にこの制度をおすすめしたいですか。
樋口 「今の仕事を続けながら、新しい一歩を踏み出したい」と考えている方にとって、この制度はその想いを形にするための確かな一歩となります。「忙しいから無理」と諦めてしまう人もいると思います。私自身も最初はそうでした。しかし、いざ始めてみれば、周囲の協力を得ながら道は開けていくものだと実感しています。特に女性や子育て中の方、キャリアの途中で学び直しを考えている方にとって、大きなチャンスになる制度だと思います。
— 将来の展望と、制度への思いについて教えてください。
樋口 修了後、障がい者の就労支援をさらに深めるために法人を立ち上げました。今後は、若年層への支援にも力を入れていきたいと考えています。NSGグループには教育事業の分野に強みがあるので、連携しながら「切れ目のない支援」の実現を目指しています。また、大学院で出会った海外の仲間とのつながりも活かし、将来的には海外展開も視野に入れています。この制度と出会い、学びの機会を与えてくれた会社や上司、仲間たちに心から感謝しています。これからも福祉を通じて、少しずつ社会に恩返しをしていくことが私の目標です。
NSGグループでは、「経営者能力開発制度」を通じて、次代を担う人財の育成に取り組んでいます。
「経営者能力開発制度」は、急激な社会変化に対応し、高度な専門性と実務能力を兼ね備え、経営管理や事業創造を担える人財の育成を目的として設けられました。
制度を通じて、自ら会社を立ち上げた社員・職員や、経営幹部として組織を支える役割を担うようになった社員・職員もいます。在籍法人で新規事業やプロジェクトに挑戦するなど学びが現場で活かされている事例もあります。今後も挑戦する社員・職員を応援し、個人の成長が新たな事業を生み出し、人と事業が共に成長していく循環をつくっていきたいと考えています。
株式会社NSGソシアルサポート
樋口 督水
株式会社NSGソシアルサポート代表取締役。2009年NSGグループの社会福祉法人愛宕福祉会に入職。2019年、事業創造大学院大学 修了。2020年、NSGグループの特例子会社として株式会社NSGソシアルサポートを起業。障がいがある人達の個性を生かせる職場環境を提供し、雇用促進と社会貢献の実現を目指している。
株式会社NSGホールディングス 人事本部
〒951-8065 新潟市中央区東堀通1番町494-3
TEL:025-210-8571 / FAX:025-364-7572
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