専門学校職員から総合エンタテイメント企業の代表に。 音楽を通して日常をワクワクさせたい。
株式会社 柳都アーティストファーム / 下坂 旬也

2022.09.12 Mon
PROFILE
下坂 旬也
株式会社 柳都アーティストファーム 代表取締役
新潟の高校を卒業後、デザインの専門大学に進学。卒業後は大阪のインテリア会社へ就職。その後、2003年にUターンでNSGグループに入社し、NSGカレッジリーグの専門学校で事務局員を務める。2015年4月に柳都アーティストファームの代表取締役に就任。新潟市・古町から生まれたアイドルユニット「RYUTist」のマネジメントやライブ等のイベント企画・運営、ライブハウスやレンタルスタジオ運営、そして未来のアーティストを育成する新潟アーティストスクールも手掛ける。それらの活動を通じ、新潟のエンタメ界を盛り上げる一翼として、同社の経営を担っている。
ふるさとの発展に貢献するため大阪からUターン。
専門学校の事務局で次代を担う若者への学校生活をサポート。
着任した学校でアイドルユニットの活動に携わる。
その後、芸能プロダクションの代表に抜擢。
持ち前のチャレンジ精神で新しい試みに取り組む。
コロナ禍ではすぐにライブ配信を実施する。
すべてはファンに喜んでもらうために。
そんな下坂さんが育みたいエンタメの未来とは。

地域貢献できる仕事に就くため、大阪からUターン。

柳都アーティストファームでは代表としてどのようなお仕事をしていますか?

スタジオの運営・管理や商品開発、通販サイトの管理、スタッフが忙しいと代わりに アーティストのマネージャーをやることも。アーティスト以外はなんでもやっています。コロナ禍になってからはライブ配信を行っていますが、通常の有観客ライブとは違う準備が必要となりますので、毎回運営サポートに加わっています。最近では新人のアニソンシンガーのデビュー企画も手がけました。仕事が多種多様なので、なんでも屋さんですね。

 

専門学校の事務局長から企業の代表になったそうですが、戸惑うことはなかったですか?

会社の代表になる前から、国際音楽・ダンス・エンタテイメント専門学校(以下、SHOW!)の事務局長として、柳都アーティストファームの事業に関わっていましたが、本格的に会社の運営を担うとなると身が引き締まる思いでした。いちばん戸惑ったのは、財務管理です。それまでは事務局長として学校の予算管理に携わってはいましたが、企業の代表となると資金計画を立て、それをショートさせないように資金繰りをするなど、シビアな現実と向き合う必要があるので、責任の重さは違うと感じました。

大阪からUターンして、NSGグループに入社した経緯を教えてください。

新潟の発展に貢献したいという思いがあり、NSGグループであれば実現できるのではと思い応募しました。NSGグループに入社してからは、専門学校の事務局で事業推進のため広報業務を行っていました。SHOW!在籍時に柳都アーティストファームが設立、そのアイドルオーディションからRYUTistというグループが生まれ、事務局長という仕事柄、学校とRYUTist運営チームとのパイプのような役割を担当。SHOW!に来るまではエンタメ業界にはあまり触れていなかったので、RYUTistの活動のサポートは刺激と学びの連続でしたね。それが今や芸能プロダクションの代表になるとは、NSGグループに入った時には夢にも思わなかったです。とは言え今の仕事も「音楽を通じて、地域を盛り上げたい」という思いで取り組んでいるので、Uターンしてきたときの地域発展への貢献という思いはぶれていませんね。

 

持ち前のチャレンジ精神で、厳しいコロナ禍に対応する。

この仕事のやりがいや、楽しいと感じるのはどのような時ですか?

新しいことにチャレンジすることが好きですし、それがいちばん楽しい時間ですね。例えば、コロナ禍になってすぐにRYUTistは活動の中心をライブ配信に切り替えました。地方のアイドルの中では早かったと思いますね。それができたのも、チャレンジを推奨するNSGグループ の中で、常に新しい技術に関心を持ち試行錯誤してきたからこそ。これからも新しい知識を手に入れるために、アンテナを高くして、外部の方と積極的に交流していきたいですね。

特に野外からのライブ配信は話題を呼んだそうですね。

RYUTistの9周年ライブが新型コロナの影響で残念ながら有観客での開催ができなかったのですが、その数ヶ月後に野外の公園に特設ステージを組んで無料でライブ配信をしました。「地方のアイドルでは考えられないスケール感だ」と話題になって、ライブのブルーレイディスクも完売に。そのライブを行ったのは“新型コロナに負けずに戦っていく”という意志を発信したかったからです。

最近また新人アーティストがデビューしましたね。

先ほども少し話しましたが、アニソンシンガーの中井佑香がデビューしました。オリジナル曲でワンマンライブができるようにこれから曲作りを頑張っていきます。現在、ミュージックビデオを制作中なのですが、ライヴハウスでの撮影時にはマネージャーやビデオ撮影、ヘアメイクなどにNSGグループの専門学校の学生がインターンシップで参加してくれました。皆さんが頑張ってくれたおかげでとても良い映像作品になりそうです。学生にとっても貴重な経験になったのではないでしょうか。

 

現状に満足することなく、エンタメの可能性を追い求める。

日頃エンタテイメントビジネスにどのように向き合っていますか?

エンタテイメントは「人が自由に使える時間」を分けて頂くことになります。テレビやゲーム、映画、そして音楽とジャンルも幅が広く、音楽の中でも「聴くのが好き」な人や「ライブを楽しみたい」人もいて、エンタメ間で時間の奪い合いをしています。私たちとしては選ばれるために、奇をてらわずに音楽と真摯に向き合い、「いかにしたらファンの方に喜んでもらえるか」に全力を注いでいます。

まだまだ模索中ではありますが、これからの時代の教育環境の充実に寄与できるよう挑戦していきたいと思います。

 

ファンの方に喜んでもらうために大切にしていることとは?

いち早くライブ配信に切り替えましたが、コロナ禍でもお客さんに喜んでもらうためにどうしたらいいかを考えぬいた結果です。だから、「これでいいよね、こんなものだよね」といったような現状に満足するという発想はありません。私たちが一生懸命作った音楽を聴いた人に「本当にいい曲だね」と思ってもらうために、常にチャレンジし続けています。

ライブハウスの運営で大切にしていることは?

スタッフによく言うのは、「どんなにライブの中身が良くて盛り上がっても、スタッフの対応が悪くて嫌な思いをすると、ずっとその印象が残ってしまう。入口から出口まですべてがエンタテイメントと捉えて仕事に当たってほしい」ということです。音楽制作と同じで、「これでいいか」と言うところでは終わらせてはダメです。そういった意味では完璧というものは存在しないとは思いますが、少なくとも私たち作り手が最高だ。やりきった。と思えないものを、お客様がいいと言ってくれるはずがないと思っています。

柳都オレンジスタジアムを新潟の音楽の拠点にしたい。

他の会社と合同でアイドルオーディションを行いましたが、その理由は?

新潟を拠点に活動する「Negicco」が所属する事務所「EHクリエイターズ」と協力して、合同会社「DRAWAPPS」を立ち上げました。次世代のアイドルを育てる必要があるという思いが合致し、新人発掘オーディションを行い、5人組アイドル「courtesea(コーテシー)」をデビューさせました。それぞれの会社にそれぞれの強みがあるので、それを活かした運営をしていければと考えています。その中で新しい知見を積極的に取り入れ、当社の運営にも生かしてきたいですね。

 

柳都オレンジスタジアムをこれからどのような場所にしていきたいですか?

柳都オレンジスタジアム は、一箇所にライブハウスから音楽やダンス、演劇などの練習に使用可能なレンタルスタジオまで揃っている県内唯一の施設ですので、音楽の拠点として発展させていきたいと思っています。スタジオで練習した人がライブハウスに出て、それを観に来た人が音楽をやりたくなってスタジオで練習を始める。そんな良い循環が生まれるような拠点にしたいですね。コロナ禍ですが、音楽をやりたい人が減っているわけではないですし、環境は日々変わっています。今できることにベストを尽くしていきます。

最後にこれからの夢を聞かせてください。

一つひとつのライブや制作する楽曲を通じて、「さすが柳都アーティストファームのアーティストだね」と言われたいですね。そのためにも、スタッフ、アーティスト、そしてファンの皆様など、関わるすべての人が笑顔でいられるよう、この会社を支え、育てていけたらと思っています。ライブ・イベントの延期中止など、我々を取り巻く状況は、まだ先が見えない部分がありますが、エンタメを通し、皆さんの日常にワクワクを届けたいですね。

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