教育を通じて産業を創出し、幸福な社会の創造に貢献したい
株式会社NSGホールディングス / 川島 学

2021.09.03 Fri
PROFILE
川島 学
株式会社NSGホールディングス Ed-Tech推進室 マネージャー
1994年にNSGグループに入社し、新潟ファッションビジネス専門学校(現 国際トータルファッション専門学校)に配属され事務局で広報を担当。4年間半務めた後、JAPANサッカーカレッジの開校準備室に異動。開校準備や開校間もない学校の運営に奔走する。その後、新潟デザイン専門学校、新潟国際自動車大学校を経て、新潟ビジネス専門学校の副校長に就任。2014年に首都圏企画室に異動し、新たにNSGグループに加わった株式会社チアリーの取締役経営企画部部長に就任。東京で5年間勤務した後、2020年にEd-Tech推進室に異動し、現在に至る。
小さな頃から好きだったサッカーに携わる仕事がしたい。
その思いが叶い、サッカーの専門学校立ち上げに参画。
オンリーワンの学校の広報担当として全国に向けて情報発信。
その後、新たにNSGグループに加わった教育関連企業の取締役経営企画部長に。
チェンジをチャンスと捉えて新たなミッションにチャレンジ。
2020年からは世界展開を見据えた新設部署Ed-Tech推進室へ。
教育を通じて社会貢献の実現を夢見て歩み続けている。
そんな川島さんが思い描く今、そして未来とは。

新設の専門学校で、斬新な広報活動を展開

入社以来、様々な専門学校で活躍していますが、一番印象に残っていることは?

JAPANサッカーカレッジの開校準備ですね。私は小学校4年からサッカーを始め、中・高・大学と続けてきたので、好きだったサッカーに関連する仕事に携われたことは大きな喜びでした。しかし広報活動には戸惑いましたね。その頃はどこの専門学校も新潟県内を中心に学生の募集活動を行っていましたが、JAPANサッカーカレッジはオンリーワンの学校で、日本全国が募集エリアとなるため手法が全く違います。だから今までにない広報活動を行いました。

例えばどのような施策を行なったのですか?

夏になるとレンタカーにスタッフが乗り込み、長野―東京―静岡―名古屋―大阪―岡山―福岡と学校説明会をしながら全国を周りました。新潟から福岡まで10日間で計1,500kmほど走りました。福岡からは飛行機で札幌へ行き、そして一度新潟へ戻り仙台へ。学校が新潟という地にあって、全国を回るときに編み出した手法です。限られた予算で最大の効果をあげることを考えると、それしかなかった。その成果もあって、開校1年目で全国37都道府県から入学者があり、7~8割が県外からの学生でしたね。

新しい広報活動を企画する上で苦労したことは?

苦労と感じたことはありませんでした。全国を対象に学生から入学してもらうために、どうやって学校を知ってもらい、どうやって共感を得て入学したいというモチベーションを高めてもらえるか。それは誰も経験したことがないわけですよ。だからこそ、その挑戦にはやりがいがあったし、すごく楽しかったですね。

全国に拠点を持つ教育関連企業へ異動し、数々の成果を挙げる

その後、専門学校の部門責任者を務めた後、NSGグループの(株)チアリーに異動しましたね。

はい。チアリーはパソコン教室など100教室以上を全国展開する歴史ある会社で、2014年にNSGグループに新たに加わりました。その経営企画部部長として5年勤務しました。専門学校時代に培ったマーケティングのノウハウをいかし、常に顧客目線を意識して業務を推進しました。

どのようなことに取り組んだのですか?

当時、パソコン教室の生徒募集は新聞折込チラシを中心に行っていましたが、社長から経費削減と効果的なマーケティング活動の実施というミッションを受け、経費の圧縮に着手。まずは発信する情報を統一しフォーマット化することで制作費を抑えました。全国各地に100以上ある教室が毎月新聞に折り込んでいたチラシを1年半かけて刷新。その結果、年間数百万円の経費削減に成功。同時にWEBマーケティングを実施しました。着任当時のパソコン教室はシニア層のお客様がほとんどでしたが、子どもやビジネス層も取り込みたいという社の意向があったからです。WEBマーケティングが功を奏して、会員数も飛躍的に伸びました。

新しい事業の拡大も成功したそうですね。

はい。大手家電量販店様のパソコンスクールと業務提携して教材を提供しました。当初はシニア向けの教材の商談でしたが、打ち合わせを重ねる中でプログラミングの教材も提供できることをアピール。結果、他社様の教材から乗り換えに成功し、最終的に全てがチアリーの教材に。もともと教材提供は事業ドメインではありませんでしたが、それがきっかけで売上の柱の一つになることを期待しています。

授業をデジタル化し、学生の理解度をアップ

現在務めるEd-Tech推進室の事業内容を教えてください。

NSGカレッジリーグは新潟県内に29校、FSGカレッジリーグは福島県内に5校の専門学校を展開していますが、これだけ多岐にわたる分野の専門学校が一つの地域にまとまってあるというのは世界でも稀なことです。各学校はナンバーワン、オンリーワンの教育をキーワードに学校運営をしており、様々な教育ノウハウがあります。その授業をデジタル化して、XRやAIなどの先端技術と融合させ、学習履歴を解析する事業を計画しています。それを各学校の授業で活かすのはもちろんのこと、日本全国、そして将来的には海外へも展開していくつもりです。

※Ed-Tech:Education(教育)とTechnology(技術)を掛け合わせた造語で、技術を使って教育を支援する仕組みやサービスのこと。

学習進度の個人差の解消にも効果的だそうですね。

そうですね。例えば検定試験の授業で、学生の学習レベルに差があった時、今までだと先生は集団を対象に授業をしながら、それに加えて個々にフォローしていました。しかしデジタル教材の場合、各自の理解度に合わせた進度で学ぶことができますし、レコメンド機能により弱点の克服も可能です。先に進んでいく学生もいれば、逆にゆっくりと勉強していく学生もいる。先生は個々のサポート役として学生のモチベーションアップに時間をかける事ができるようになり、ライブで行う授業の質が上がると思います。

海外展開で新しい産業と幸福を生み出したい

(株)NTTドコモと協業が始まったそうですね。

はい。5GやAI、XR技術などの優れたソリューションを有するNTTドコモ様と業務提携して、どのようにEd-Techとマッチングさせて展開できるかを検討中です。現場の課題解決に向けて、国内のみならず、海外への展開を見据えて協業を進めていきます。

Ed-Techで海外展開することでどんな可能性が?

例えばアフリカの車の所有率は10%と言われています。だから、まだまだ修理する人が少ないわけです。ただ、今後車の所有率が上がると、壊れた自動車の修理や、壊れる前に診断する車検などが産業として成り立つ可能性が高い。そこには雇用が生まれて教育が必要となってくる。そうなると今専門学校で教えている自動車整備士や車体整備士のデジタル教材が、海を渡って力になれる。技術が伝播することで、そこに新しい産業が育成され、その地域が豊かになると思いますね。NSGグループが創業以来実績を積み重ねる教育と力を入れている起業を結び付けて新しい産業を創出することは、その地域の幸福に寄与することに繋がっていくのかなと思います。

それは教育を通じた地域貢献にも繋がりますね。

そうなのです。教育が産業を生み出し、仕事に従事することで収入が得られ生活が安定する。その結果、幸せな暮らしが生まれる。それはNSGグループが掲げる地域貢献の形そのものだと思います。また個人的に思ってきたのが、「教育を通じた世界平和への貢献」です。Ed-Techはそれを実現できる可能性が極めて高い。だから海外展開は、ぜひやり遂げたいですね。

チェンジからタブーを取り除き、チャンスに変えて

仕事をする上で大切にしている言葉はありますか?

「CHANGE」の「G」の文字の中にある「T」の部分を取ると「C」になり、「CHANCE」に変わる。では、その「T」は何かといえば「TABOO」だと。タブーを取り除くと、チャンスに変わる。以前NSGグループのある方から聞いた言葉ですが、その言葉は心に残っていますね。

それは今の時代だから、より重要な考えかもしれませんね。

その通りです。いつの時代も変化の連続ですが、そのスピードはコロナ禍では特に早いです。チェンジしていく中で、タブーを発見して、それを取り除いてチャンスに変えていく。その言葉を、今後も大切にしていきたいですね。

これからのビジョンを教えてください。

Ed-Tech推進室として与えられているミッションの完遂ですね。私たちが提供するものが日本全国で必要とされ、それが海を渡ることで、新しい教育の発展や産業の創出に寄与できる。今の仕事を通じて、NSGグループの経営理念「人々の幸福と豊かさを実現するために 社会のニーズに合った事業の可能性を追求し 地域社会・国家・国際社会の発展に寄与する」を実現する一翼を担いたい。それが私の思い描くキャリアビジョンです。ビジネスそのものが国際社会の発展に寄与するところまで行きたいなと思っていて、この環境を与えられている今がまさにチャンスだと思います。

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