開志創造大学情報デザイン学部、2026年春新設。完全オンラインで開く未来へのトビラ。

学校法人新潟総合学園が運営する事業創造大学院大学は、2026年4月に学部を新設し、名称を開志創造大学へと変更します。新設する学部は、オンラインで完結する通信教育課程「情報デザイン学部」。年齢や職業、居住地を問わず、誰もが学びにアクセスできる新しい大学のかたちを目指し、デジタル技術を活用した、これからの時代にふさわしい学びのモデルの構築に挑戦しています。

今回、学部立ち上げに携わった室長の川島 学さん、次長の栗原 英昭さん、山田 崇志さん、宿野部 千尋さんに、構想づくりから制度設計、学習管理システム（LMS）の開発、広報戦略まで、プロジェクトの舞台裏と「地域から世界へ広がる学びの未来」について伺いました。

新潟から世界へ、学びでつなぐ次代の教育。

― 新学部「情報デザイン学部」設立のきっかけを教えてください。

川島　以前、NSGグループのEdTech推進室で、専門学校教育をデジタル化し、全国に展開する構想を進めていました。その中で、NSGカレッジリーグが以前から取り組んでいた大学併修制度に大きな可能性を感じました。専門学校に通いながら大学卒業資格を取得できる仕組みですが、当時は他大学の通信教育を利用していました。「それなら、自分たちで提供できないか」。そう考えたことが、学部構想の原点になりました。

― どのような学部ですか。

川島　情報技術を活用し、「デザイン」を通じて課題解決と価値創造ができる人材を育成する学部です。現在、あらゆる産業でデジタル人材が求められています。DXの推進にはITやデータの力が不可欠で、教育、農業、福祉など、どの分野でも必要です。一方で、世の中的にAIやデータサイエンスを教えられる環境がまだ十分ではありません。この“教育の提供機会の不足”を解消し、学びの選択肢を広げることこそ、情報デザイン学部の使命だと考えています。

― なぜ通信教育という形を選ばれたのですか。

川島　全国の専門学校とオンラインでつながれば、教育の裾野は大きく広がります。通信教育なら、地理的制約を超えて学びを届けられる。そして何より、経済的事情や家庭環境によって進学を諦めざるを得なかった人たちに、もう一度チャンスを届けたい。そのためには、時間や場所に縛られない学びが必要です。通信教育こそ、その理想を実現できる形だと思いました。

― 海外展開も視野に入れているということですね。 

川島　はい。NSGグループには「国際社会の発展に寄与する」という理念があります。私たちはこれを、本気で実現したいと考えています。将来的には、海外の学生が自国にいながら日本の教育を受け、地域の課題に取り組む——そんな学びを提供したい。大学の知と技術を世界に届け、地域と世界の発展に貢献する。それが私たちの新しい挑戦です。

自主性を支える、こだわりの教育設計。

― 通信教育ならではの難しさと工夫について教えてください。

栗原　通信教育では、学生の自主性と誠実さが教育の前提になります。「どう継続的に学んでもらうか」「どう不正を防ぎ、教育の質を担保するか」この2点が大きなテーマでした。過去の審査事例を徹底的に研究し、前例に学びながら、実効性のある制度を構築しました。EdTech推進室の知見を活かし、国内外のLMSも分析しました。

山田　実装面では、履修登録から課題提出、試験、成績確認までをオンラインで完結できるようにしました。さらに、課題の締切が近づくと自動でリマインドが届く仕組みも整えています。学生が自分のペースで学び続けられるよう、細やかなサポート設計にこだわりました。

栗原　加えて、通信教育であっても学生同士が協働する環境を大切にしました。課題に取り組み、チームで考え、成果を発表するPBL（課題解決型学習）を導入しています。一部同期授業もありますが、大半を非同期で本格的なPBLを展開するのは、日本でも先駆的な取り組みだと思います。

― 教育設計で特に意識した点は。

栗原　これまで事業創造大学院大学は、専門職大学院として高度専門職業人を育成してきました。今回の学部設置により、より広い層に学びの機会を届けられるようになります。社会人や海外在住者など、多様な背景を持つ方々が学べる大学を目指しています。特に、デジタル社会の進展や地方創生といった社会課題の解決に貢献できる教育を重視しています。

使いやすさと継続性を追求した、LMSの革新。

―  教育システムの構築で特にこだわったポイントはどこでしょうか。

山田　私が担当したのはLMS（学習管理システム）の設計です。通信教育では、学習意欲の維持と孤独感の軽減が大きな課題になります。そこでまず、「誰でも迷わず使えて、学び続けられる設計」を徹底しました。PC・タブレットはもちろん、スマートフォンでもストレスなくアクセスでき、授業視聴から課題提出、成績確認までをオンラインで完結できるようにしています。“どんな環境にいても学びを止めない”。その考えを中心に据えました。

―  他に特徴はありますか。

山田　教職員向けには自動採点や成績管理を組み込み、定員800名規模でも質を落とさない運用を実現しました。さらに、評価の公平性を担保するためルーブリック評価を標準化。通信制であっても“顔が見える教育”を届けたい。その想いを、設計と運用の両面に反映しています。

― 学びの支援体制について教えてください。

山田　学習を続けるには、小さな成功体験の積み重ねが重要です。そのため、随所に「続けられる仕掛け」を入れています。オンデマンド型でも、学びが“作業”にならず、自分の成長を実感しながら進めること。それが、このLMSが目指す姿です。

誰もが挑戦できる学びを拓く、新しい大学像。

― どのような学生像を想定していますか。

宿野部　情報デザイン学部は、誰にでも学びの扉が開かれていることが大きな特長です。高校卒業直後の学生はもちろん、社会人、子育てを終えた方、新しい分野に挑戦したい方など、さまざまな背景を持つ方々が柔軟に学べる環境です。

― 学費25万円という設定の意図は？

宿野部　この学費設定には、「教育の社会的公平性」を実現したいという思いがあります。経済的な事情で進学を諦める人を少しでも減らしたい。そのため、通信教育ならではの効率的な運営を徹底し、学費を抑えました。

川島　教育格差の背景には、どうしても所得格差があります。だからこそ、学費を下げることは単なる価格設定ではなく、教育を社会にひらく行為だと考えました。高等教育を“特別なもの”ではなく、すべての人に届く公共の学びへ。その理念を込めています。

地域を支え世界へ広げる、学びの共創モデル。

― 今後の展開についてお聞かせください。

栗原　通信教育の強みは、学びの機会をより広く届けられることです。デジタルと教育の融合を通じて、新しい学びの在り方を深めていきたいと思います。看護や福祉、教育といった多様な分野とも連携しながら、社会人や地方在住者、海外在住者など、環境や立場の異なる人が必要なときに必要な学びにアクセスできる大学を目指します。

― どんな人に来てほしいですか。 

宿野部　年齢や経験に関係なく、「もう一度学びたい」「新しい一歩を踏み出したい」という思いを持つ人です。自分の未来を切り拓こうとする方々が集まる大学を、新潟から、そして世界へ広げていきたいと願っています。

― 最後に、目指す姿を教えてください。

川島　世界では通信教育はすでに主流です。しかし日本ではまだ発展途上。私たちは新潟からその流れを生み出し、日本の教育に新しい選択肢を示したい。地方から教育の未来を変える、その先駆けとなることを目指しています。

開志創造大学

学校法人新潟総合学園は、2026年4月、事業創造大学院大学（※開志創造大学へ名称変更）にスクーリングの必要が無い、オンライン完結型の通信教育課程、情報デザイン学部を新設する準備を進めております。情報デザイン学部では、日本が今まさに直面しているIT人材不足という課題を解決すべく、オンライン教育を通じて学費負担を抑え、地方にいながらでも学べる教育の機会を提供し、価値を生みだすことができるデジタル人材を育成してまいります。

〒950-0916　新潟市中央区米山3-1-46
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