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アパレル業界で培った接客力で、酒蔵での挑戦を始める。
寄り添いを軸に磨いてきた接客哲学と、
会話から生まれる「また来ます」に喜びを知る。
そんな横山さんが目指す、笑顔が集う酒蔵の未来とは。
家族と未来を見据えた、転職という決断。
NSGグループへ転職した背景を教えてください。
前職はアパレル業界で、20年ほど働いていました。しかし結婚して子どもが生まれると、だんだん胸の奥に“ひっかかり”を覚え始めました。終業が遅く、子供が眠ったころに帰宅する日が続き、「このまま40代に入ってしまっていいのだろうか」と考えるようになったのです。年齢を重ねるほど選択肢が狭まるかもしれない、という不安もありました。だからこそ“30代のうちに環境を変えよう”と決めたのが、転職の大きな理由でした。
最初から今代司酒造を志望していたのですか。
実はまったく違いました(笑)。NSGグループの求人の中で、最初に応募したのは“専門学校の事務”。 NSGグループの専門学校に通っていたので親しみもあり、これまでの自分とはまったく違う世界に入ってみるのも面白いかもしれないと考えました。ところが面接で「あなたの強みは何ですか?」と聞かれた時、自然と口から出てきたのは“接客”でした。その流れで、「接客経験を生かすなら、今代司酒造もありますよ」と、NSGグループ内での選択肢を教えてもらったのです。もともとお酒が好きでしたし、「この道もいいかな」と思いました。
全く違う業界に飛び込むことへの不安はありませんでしたか。
アパレルから日本酒へ。扱うモノは変わりますが、お客様にどう伝えるか、どう気持ちを汲み取るかという点は共通しています。知識はゼロからでしたが、歴史や工程の積み重ねが一本の味につながる奥深さに惹かれました。守るべき伝統と、時代に合わせて変えていく工夫、そのバランスに日本酒づくりの魅力を感じています。
入社してみての率直な感想をお聞かせください。
“働きやすさ”という点で前職とはまるで環境が違いました。勤務時間が明確で、しっかり休みが取れる。シフト制なので、土日に休める時もある。家族とご飯を食べる時間が増え、子どもの成長をちゃんと見届けられるようになりました。今は「仕事と生活のバランスが取れている」と感じています。

挑戦が生む店づくりの進化。
現在担当されている業務について教えてください。
所属は営業部で、役割は大きく3つあります。直売店の運営(店長)、EC・直販全体の販促方針の策定(課長)、酒蔵見学の案内・お客様対応などです。日々の店舗運営に加えて、「直売店としてどう成長していくか」を考える仕事も増えてきました。テーマを決めて改善を重ねていて、特に最近はリピート促進を重要テーマとして掲げ、システムの見直しや、情報発信の整備を進めています。
店内のディスプレイをリニューアルしたと聞きました。どんな思いで変えたのですか。
入社してすぐに、もっとお客様目線で良いディスプレイにできる余地があると感じました。「お客様が選びやすい配置になっていないのではないか」、「おすすめ商品の位置がわかりにくいのではないか」…。それらを一新しました。アパレル時代に学んだノウハウは、お酒の売場づくりでも活かされたと思います。

SNSにはどのように取り組んでいるのでしょうか。
SNSでは、僕らが楽しく発信していなければ、お客様にも楽しさは伝わらないと思っています。だから副店長と相談しながら、見て心が動く発信を心がけています。
経験を糧に磨き続ける対話力と、寄り添いの接客哲学。
前職の接客経験が活かせていると感じる場面はありますか。
はい。「この人は淡麗辛口が好きだな」「贈り物を探しているな」「初心者だから、最初の一杯で不安を取り除いてあげたいな」…。そうやって会話の中から“答え”を拾い、提案する。そして何より、「あなたから買いたい」と思ってもらえる存在になること。これはアパレルでも日本酒でも同じで、人と向き合う仕事の醍醐味だと思っています。
接客で大切にしていることは何ですか?
“先回りしすぎないこと”です。すべて説明しすぎてしまうと、お客様はそこで満足してしまい、興味が途切れてしまいます。だからあえて少し余白を残す。そうすると、「次は違うお酒を試してみよう」「もう一度聞きに来たい」という次の興味が生まれるのです。そしてもう一つ大事にしているのは、専門用語をそのまま使わないこと。お客様の頭の中にイメージが浮かばなければ意味がないので、分かりやすい言葉に言い換えます。
今の業務の中で、特に難しさを感じているのはどんなところでしょうか。
前職とは働き方やコミュニケーションのスタイルが大きく異なる環境で、伝え方とその受け取り方にも幅があることを実感しました。相手に合わせた言葉選びと関わり方を意識しています。学ぶことばかりですが、丁寧に向き合いたいと思っています。

「人が集まり、帰る時に笑顔になる酒蔵」へ。
仕事でやりがいを感じる瞬間はどんな時ですか。
やっぱりお客様との会話です。帰り際に「おいしかったです」「また来ますね」と言っていただける瞬間は、何度経験しても胸が温かくなります。特に印象に残っているのは、見学受付が満員で入れなかったお客様がいた時のことです。せっかくだから少しでも楽しんで帰っていただきたいと思い、試飲カウンターでお酒の説明をし、ちょっとした会話を楽しんでもらいました。すると翌日、「昨日が楽しかったので、改めて見学の予約をして来ました」と再び訪ねてきてくださって。旅先での貴重な時間を使って、「もう一度足を運びたい」と思っていただけたことが、本当にうれしかったです。
最近、海外からのお客様は増えているのでしょうか。
すごく多いですね。新潟駅からのアクセスが良く、毎日定刻で開催しており欧米やアジアなど世界中から来ていただいています。『伝統的酒造り』がユネスコの無形文化遺産に登録され、日本酒への注目は海外で高まっています。最近はドイツ人スタッフも入社し、英語での見学案内が増やせるようになりました。新潟の“玄関口の酒蔵”としての役割も少しずつ大きくなっています。
地元・新潟のお客様の数はいかがですか。
まずは観光の立ち寄り先として知っていただく機会が多く、県外・海外のお客様が7割近い時期もあります。しかし、新潟に住む方々が「ちょっと行ってみようか」「人に贈るなら今代司にしよう」と思える、“地元に愛される酒蔵”でもありたい。そのためにも、ランチやイベントの充実、季節の企画など、近場でも楽しめる理由を増やしていきたいと思っています。
最後に、今後挑戦したいこと、目指している姿を教えてください。
まずは、年間5万人の来店を実現したいですね。これは“数字”というより、「再訪したくなる酒蔵をつくる」という目標の象徴です。そして、店づくりと発信、受け入れ体制をさらに磨いていきたいです。でも根底にあるのは一つ。「人が集まり、帰る時に笑顔になる酒蔵にしたい」という思いです。お客様にとっても、スタッフにとっても、「ここでの時間が良かった」と思える場所であれたら、それが一番うれしいですね。

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