老舗味噌蔵を受け継ぐ32歳。発展を目指し社長業にチャレンジ!
株式会社峰村商店 / 山崎 康太

2023.06.16 Fri
PROFILE
山崎 康太
株式会社峰村商店 代表取締役社長
新潟県出身。東京の大学を卒業後、就職情報サービス会社の法人営業に5年間従事。2017年にNSGグループの株式会社和僑商店に入社。人事業務と銀座に出店しているおにぎり専門店「銀座十石」の店頭業務を兼務。その後、株式会社和僑商店ホールディングスに転籍し、人事・労務に関する業務を担当。2022年に同社が企業再生した老舗味噌蔵 株式会社峰村商店に転籍し、2023年5月に代表取締役社長に就任。32歳の若さでの抜擢。
東京の大学を卒業後、5年間就職情報サービス会社で働く。
老舗企業の再生事業に興味を持ちふるさと新潟へUターン。
人事・労務関連の仕事に携わりながら経験を積む。
2023年に老舗味噌蔵「峰村商店」の代表取締役社長に就任。
常連客を大切にしながら、新商品の開発等で新規顧客へもアプローチ。
100年以上の歴史を受け継ぎ、さらなる成長を目指す。
そんな若き経営者山崎さんが見つめる老舗味噌蔵の明日とは。

老舗の発展に尽力する若き経営者。

どんな時に仕事の喜びを感じますか?

峰村商店は、地元のお客様、観光のお客様、オンラインショップで購入されるお客様と様々なお客様に利用してもらっています。そのお客様とのつながりを感じられる時に喜びを感じますね。100年以上の歴史がある味噌蔵ですので、今日まで多くの方々に支えられて続いてきました。ですから、心してこの味噌蔵を経営して、次の時代に良い形で引き継いでいかなければいけないと思います。

仕事の難しい部分はありますか?

今まで人事・労務関連の仕事が中心だったので、製造や営業に関してはもっと勉強していかなければならないと思っています。社長に就任すれば、社員から様々な判断を求められます。より早く、より的確なジャッジができるように、各部門に顔を出して現状を把握するよう努めています。そして経験豊かな社員の協力をもらいながら一丸となって会社を前に進めています。

入社したきっかけを教えてください。

大学卒業後に東京の就職情報サービス会社で5年働き、そろそろ新潟へのUターンを考えていたところ目に留まったのが、NSGグループの和僑商店が行っている老舗再生事業でした。ただ当時は和僑商店がNSGグループであることは知りませんでした。今代司酒造や漬け魚を製造・販売する小川屋など歴史のある老舗企業を事業承継して、新たな付加価値をつけて再生するといったことに興味を持ちました。「今までにない企業で面白そうだ」。そのような思いがきっかけとなり入社に至りました。

各部署をコミュニケーションで繋ぎ、業績の改善を図る。

社内の組織運営でどのような点に力を入れていますか?

しっかりコミュニケーションを図ることを大切にしています。弊社は販売、営業、製造の各部門が独立して業務にあたることが多いため、各部門とコミュニケーションをとり情報共有することを強く意識して行動しています。直売店や工場の現場に立ち、そこで聞いたこと、感じたことを会社全体に共有しています。例えば、直売店でお客さまから商品に関してお褒めの言葉をいただいた時は、それを製造現場に共有したり、法人のお客さまのご要望を営業に伝えたり。各部署のコミュニケーションが物理的に取りづらいところを、自分が意識的に繋ぐように努めています。

現時点での課題とそれに対する取り組みを教えてください。

まずは業績面での会社の立て直しです。他の飲食店や外食産業ほどではありませんが、コロナの影響はありました。これからはリアルイベントにも力を入れていきたいです。そして、持続的に業績が安定・成長する構造を作ること。短期的・長期的の2つの側面での経営改善を図っていきたいと考えています。

品質向上と新商品の開発で味噌ファンの拡大に取り組む。

商品開発についてはどのように考えていますか?

歴史のある味噌蔵ですから、お客さまは味噌の味に期待して購入してくれると思っています。当然ですがその味噌が美味しくて、また使いたいと思っていただくこと。そのようなお客さまの期待にしっかりと応えるのが、商品開発の基本だと考えています。それがあった上で、味噌の加工商品や、味噌以外の甘酒などの開発にも積極的に取り組むことも重要だと思っています。これまで同様、味噌を主軸に展開するというポリシーはぶれることなく進めていきたいですね。

商品販売の目標があれば教えてください?

「新潟市で一番使われる店になる」を目下の目標として掲げています。そのために、先ほど話したように、伝統の味を継承しながらも、常に品質向上や商品ラインナップの多様化に取り組み、「味噌や発酵商品ってすごい!」という新しい驚きや、秘めた可能性をお客さんに伝えることにも力を入れたいと考えています。その積み重ねで、まずは新潟市内のお客さまに一番愛される味噌蔵となり、次は新潟県、そして全国へとファンの輪を広げていきたいと思っています。

新商品の開発は新規顧客の開拓に繋がると思うのですが。

その通りです。昔からの馴染みのお客さまを大切にするのはもちろん、新たなお客さまの掘り起こしも経営にとっては大切な課題です。日本人の洋食化が進む中で、味噌プラスαの商品が、新規顧客の入口になるので、今までにない発想で食のジャンルを超えた商品開発を進めています。例えば、味噌ぎょうざ、味噌バームクーヘンなど、新商品を発売しました。それがきっかけとなり、味噌愛好家が増えれば嬉しいですね。

イベントを展開して、“発酵の町”に賑わいを。

これから積極的に取り組みたいことはありますか?

コロナ禍になってからリアルなイベントの開催が制限されてきたので、これからはその機会を増やして、お客さまとの接点を作っていきたいですね。先ほども話しましたが、「新潟市で一番使われる店になる」というスローガンを掲げているので、イベントを通じてもっと多くの方々に峰村商店との接点を持っていただけるような機会を積極的に作っていきたいです。

チャレンジしていることはありますか?

社長に就任した今が、最大のチャレンジだと考えています。峰村商店はNSGグループが事業承継して10年になりますが、地元では100年以上愛され続けてきた味噌蔵です。親子3代に渡って使っていただいている方もいらっしゃいます。そんな歴史を途絶えさせるわけにはいきません。企業のリーダーとして実力を磨き、100年以上地元の方に愛されてきた味噌蔵の発展に尽力したいと思っています。

ここ沼垂(ぬったり)は発酵の町という打ち出しをしていますよね。

はい。沼垂地域の賑わいの創出に関わっていくことも、弊社の目標の一つです。この街には古くから日本酒や味噌、醤油の醸造所が数多くあった発酵の町。弊社もその歴史とともに歩んできたので、グループ企業である今代司酒造とも連携しながら、地域の発展に積極的に関わっていきたいです。

各種リンク