新潟医療福祉大学のアスリートサポート体制 オリンピック出場を目指す水沼尚輝選手を支援

2024.03.15 Fri

 

新潟医療福祉大学は、様々な競技種目でトップアスリートを育成する取り組みを行っています。学生として同大学に入学し、卒業後は職員として同大学に残り水泳部に所属する水沼尚輝選手は、競泳100M男子バタフライで東京オリンピックに出場し、世界選手権では準決勝で50秒81の日本記録を達成し、決勝では50秒96で銀メダルを獲得するなどの活躍をみせ、現在パリ五輪出場を目指し練習に励んでいます。アスリートが成長するためには、トレーニングだけでなく、栄養、コンディショニングといった要素が欠かせません。2005年の健康スポーツ学科設立以来、全国、世界の舞台で戦うトップスイマーの育成を行う下山好充監督にお話をお聞きしました。

 

国立スポーツ科学センターのサポート体制を地方でも

―現在のアスリートへのサポート体制を目指したきっかけは?

下山 新潟医療福祉大学に赴任する以前から、アスリートを育成する上で、食事やコンディショニングトレーニングが不可欠だと感じていました。私自身もスポーツ科学を学んでおり、常にパフォーマンス向上のためのトレーニング方法を模索してきました。しかし、選手の実力を最大限に引き出すためには、トレーニングだけでは不十分であり、栄養摂取と十分な休息、いわゆるコンディショニングも欠かせません。この3つがバランスよく整っていなければ、いくら効果的なトレーニングを行っても、十分なパフォーマンスを発揮することは難しいのです。

2001年に設立された国立スポーツ科学センターを見て、同じような支援体制が新潟医療福祉大学でも構築できるのではないかという着想を得ました。例えば、健康栄養学科では管理栄養士の資格取得を目指す学生を指導する専門性の高い教員が栄養に関するサポートを提供できます。また、理学療法学科は体の調整や怪我の予防、疲労回復などをサポートすることができます。水泳部創部当初は全くゼロの状態でしたが、そこからサポート体制を整えていき、これまでに松井浩亮選手、山﨑光選手、早坂亮選手、深澤舞選手などの選手が優れた結果を残しています。

 

チームでアスリートを支える

水沼選手にもサポート体制についてお聞きしました。

―新潟医療福祉大学のサポート体制はどの様に機能していますか?

水沼 一番感じるのはチームとして支えてもらっているということですね。トレーニング面では、理学療法士やアスレティックトレーナーがトレーニングの計画立案やフォームの指導、パフォーマンスの分析など常にサポートしてくれました。また、栄養面でも食事のタイミングやバランスについてもアドバイスを受け、適切な栄養摂取が競技力向上につながることを学びました。
ケアという部分では、新潟医療福祉大学と同じNSGグループの新潟リハビリテーション病院の存在が大きかったですね。私は昔から怪我をすることが多く、病院との連携が取れていることのメリットを感じています。例えば、2022年10月に腰を痛めてしまった時も、すぐにリハビリテーション病院の医師に診察を行ってもらい、リハビリの指示を出してくれたりしました。リハビリについては、トレーナーと病院のスタッフが定期的に連絡を取り合い、トレーニングやリハビリの計画を適切に調整してくれました。そのおかげで慢性の腰痛になることもなく、チームサポートの力を感じました。

 

医療系総合大学だから成し得た育成・サポート体制

新潟医療福祉大学では看護・医療・リハビリ・栄養・スポーツ・福祉・医療ITの総合大学のメリットを活かし、トレーナーやリハビリスタッフ、栄養指導を行う専門スタッフを配置するなど、各選手を複数のスタッフでサポートするマルチサポート体制が整っています。また2016年から「アスリートサポート研究センター」を設置し、各分野の専門家が協力し、選手の総合的なサポートを行っています。

同大学スポーツ振興室の南俊之室長にもお話を伺いました。

―「アスリートサポート研究センター」はどのような組織ですか?

アスリートサポート研究センターは、整形外科医、内科医、理学療法士、管理栄養士、アスレティックトレーナーなど、様々な専門家が連携してアスリートへの包括的なサポートを提供しています。ケアやトレーニング、栄養といった分野では、それぞれ理学療法学科、健康スポーツ学科、健康栄養学科の高い専門性を持つ教員が、選手をサポートします。さらに、動作解析や傷害予防に向けた様々な測定を通じてパフォーマンス向上のためのトレーニング方法を開発するといったサポートも行っています。また、新潟リハビリテーション病院と密接な協力関係を築き、選手が怪我やトラブルに直面した際には、迅速な医療支援を受けることができます。こうした体制により、選手は安心して競技に打ち込むことができます。このようなアスリートサポート研究センターの取り組みは、UNIVAS(一般社団法人大学スポーツ協会)からも高く評価をいただき、「UNIVAS AWARDS 2023-2024」のMS&AD賞「安全確保に関する優秀な取組賞」の最優秀賞を獲得することができました。

 

新潟医療福祉大学は、学内にいる各分野の専門家が連携・協力し、地方でもトップクラスのアスリートを育成する事のできる総合的なサポート体制を整えています。2023年4月には鍼灸健康学科の新設に伴い附属鍼灸センターが大学内に設けられました。今年の4月には心理健康学科が新設されますので、サポート体制のさらなる充実が図られることが期待されています。

また、この取り組みは選手だけでなく、将来アスリートのサポートに携わりたいという夢を持つ学生の育成にも力を注いでいます。

今後は水沼選手が世界で活躍できるようにサポートし続けるとともに、彼の後に続き世界を目指す選手を育て、最高の成果を出せるようサポート体制を充実させて行きたいと考えています。

 

【新潟医療福祉大学 強化指定クラブ】
https://www.nuhw.ac.jp/sport/

新潟医療福祉大学では、水泳・男子サッカー・女子サッカー・男子バスケットボール・女子バスケットボール・陸上競技・女子バレーボール・ダンス・硬式野球・卓球・テニス・男子バレーボールの全12種目を強化クラブとして指定し、トップアスリート及び指導者の育成に取り組んでおります。
(2024年4月には新たに女子硬式野球部・スノーボード部を創部)

水泳部ページ
https://www.nuhw.ac.jp/sport/swimming/

水泳部ブログ
http://nuhw.blog-niigata.net/swim/

 

 

 

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