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アメフトを通じて、地域に根を張る。胎内DEERSが描く、“スポーツのあるまち”の未来
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アメリカンフットボールを通じた地域づくりに挑戦する株式会社DEERS FOOTBALL CLUB。ホームタウン・胎内市での活動を本格化させてからまもなく4年を迎え、地域との関わりの中で少しずつ手応えも生まれつつあります。
今回は代表取締役の髙橋孝輔さんと事務局地域共創部長の小川悠樹さんに、ここ数年の歩みと手応え、そしてXリーグプレミア参入と2032年の胎内市移転を見据えた展望について話を聞きました。

「応援の輪が広がっている」ホームゲームで感じた地域の変化
―最近の活動の中で、特に印象に残っている出来事や手応えを感じた取り組みはありますか。
髙橋 やはりホームゲームですね。毎年継続して開催する中で、応援してくださる方が少しずつ増えていることを実感しています。試合後に「楽しかった」「また来たい」と声をかけていただく機会も増えました。継続することで地域との関係も少しずつ積み重なってきていると感じています。
小川 観客層も幅広く、小さなお子さんからご高齢の方まで来場してくださっています。以前は学校へのチラシ配布やSNS発信が中心でしたが、市報への掲載や高齢者向け運動教室への参加などを通じて地域との接点が増えてきました。「運動教室がきっかけでDEERSを知った」という声をいただくこともあります。
―高齢者向け運動教室はどのような内容ですか。
小川 チームにはトップアスリートも指導するアスレチックパフォーマンスコーチがいるので、その知識を高齢者向けにアレンジしてお届けしています。椅子に座ったままでできる運動や姿勢改善、下半身を無理なく動かすトレーニングなど、健康づくりにつながる内容です。最近では市内各地のサロンなどへ呼んでいただく機会も増えています。

胎内市内全小学校へ拡大。フラッグフットボールが育む地域の子どもたちとの接点
―地域活動を続ける中で、手応えを感じている場面はありますか。
小川 特に大きかったのが小学校でのフラッグフットボール授業です。市役所や教育委員会の後押しもあり、この1~2年の間で大きく広がりました。今年はホームゲームの前に、胎内市内すべての小学校で授業を行うことができました。
―フラッグフットボールの魅力はどんなところでしょうか。
小川 誰もが参加しやすいところです。普段はあまり運動に積極的ではない子どもが夢中になって走り回ったり、仲間に声をかけたりする姿を見ることがあります。先生方からも好評で、教育との親和性の高さを感じています。
― 今後さらに取り組みたいことはありますか。
小川 今後は教育委員会とも連携しながら、継続的に取り組める環境づくりを進めたいと考えています。部活動の地域移行が進む中で、子どもたちがスポーツと関わり続けられる場を提供できればうれしいですね。

距離が縮まっていく——地域との交流が生む“自然な存在感”
― 「続けてきて良かった」と感じる瞬間はありますか。
小川 街で声をかけていただく機会が増えたことですね。「試合を見に行ったよ」「DERRS人ですよね」と話しかけてもらえることが増えました。知っていただくだけでなく、応援してくださる方が少しずつ増えていると感じています。
昨年選手を引退し、フロントスタッフとして地域活動に関わるようになってからは、週末の地域イベントやお祭りなどにも積極的に参加できるようになりました。胎内市の皆さんは本当に温かく迎えてくださり、選手やチアリーダーの名前を覚えてくださる方もいます。少しずつ地域との距離が縮まっていることを実感しています。
髙橋 地域の中に自然に入っていけるところが、小川の大きな強みだと思います。DEERSにとって欠かせない存在ですね。
7月には、商店街のビアガーデンイベントにも選手たちが参加する予定です。試合のように観てもらうイベントというより、街を普通に楽しみながら地域の皆さんと自然に交流する場にしたい。ユニフォーム姿で会場を歩きながら触れ合う。そういう積み重ねが、「街にDEERSがいるのが自然」になっていく気がしています。

Xリーグプレミア参入、そして2032年移転へ。次のステージへの挑戦
― この2年間で、想像していたこととのギャップや苦労したことはありましたか。
髙橋 一番大きかったのはリーグ制度の変化です。以前は強いチームがトップリーグで戦うという構造でした。ただ、Xリーグに「Xリーグプレミア」が新設されたことで、今は競技力だけでなく、事業規模や運営体制、地域との関わりも含めた総合的な力が問われるようになっています。
DEERSの選手は、それぞれ仕事をしながら本気でフットボールに取り組んでいます。だからこそ「何を目指して挑戦するのか」をチームの中で共有することが重要です。今はプレミア参入という新たな目標に向かってチーム全体で歩みを進めています。
―プレミアリーグ参入に向けた課題は何でしょうか。
髙橋 一番大きいのは、事業規模の面です。プレミアに入ると運営費も大きく変わります。観客動員やスポンサー、事業収益、地域との連携など、総合的なチームとしての力が求められます。来年1月頃に予定されている申請に向けて、必要な条件を整えなければなりません。フットボールで勝つことだけでなく、「地域に必要とされる存在になれるか」が問われていると感じています。
― 以前から掲げている「2032年の胎内市移転」という目標については、現在どのように考えていますか。
髙橋 その目標は変わっていません。ただ、Xリーグプレミア参入は、胎内市への移転を加速させる可能性がある一方で、運営規模をはじめ、これまでより高い基準が求められることにもなります。だからこそ順番が大事だと考えています。まずはプレミアに参入する。その中で「DEERSでプレーしたい」と思う選手を集める。そして胎内で練習・生活できる基盤を作る。その積み重ねの先に、本格移転があると考えています。
― 新潟県内でのアメリカンフットボール普及については、どのように考えていますか。
髙橋 フラッグフットボールの普及活動に加え、今後は県内の高校や大学との連携も広げていきたいですね。地域で競技に触れる機会を増やし、新潟から多くの選手が育つ環境をつくっていきたいと思っています。
小川 新潟出身の高校生が県外の大学などで競技を続け、その後地元に戻って活躍できる流れができたら理想です。プレミア参入が実現すれば、新潟にいながらトップレベルのフットボールに挑戦できる環境が生まれます。また現在は県内高校とのビジネスコンテストにも取り組んでいます。競技だけでなく、地域の学生との接点も増やしながら可能性を広げていきたいですね。

Xリーグプレミア参入の先へ。2032年の胎内市本格移転を見据えて
― 最後に、今後の展望を教えてください。
髙橋 まずはプレミアリーグ参入を実現することです。それによって競技面だけでなく、地域との関係づくりもさらに広がっていくと思います。その先には2032年の胎内市本格移転があります。
私たちは、単に“試合をするチーム”をつくりたいわけではありません。スポーツを通じて人が集まり、地域が元気になり、「この街は面白い」と感じてもらえる存在になりたいと考えています。
胎内だからできることが、きっとある。だからこそ、ここで挑戦を続けていきたいんです。
株式会社DEERS FOOTBALL CLUB
■本社 新潟県胎内市本町3番3号
■東京オフィス 東京都調布市菊野台2-4-2 メイングリーン小川103号室
TEL:042-444-8145/FAX:042-444-8301
1989年設立。日本一2回を誇る伝統チーム。「アメリカンフットボールを通じて社会に貢献する人間を育てる」という理念のもと、フィールド内外で活躍する人材を輩出してきました。2022年にNSGグループが経営権を取得し「胎内DEERS」に改称。2032年を目安とした胎内市完全移行を含む「アメリカンフットボールを通じた胎内市活性化」に取り組んでいます。
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