アルビレックスチアリーダーズは、これまで佐渡の活性化を目的とした活動に取り組んできました。3月21日には佐渡市教育委員会からの依頼で、「健康教室・こども教室」を開催。幼児からシニアまでの幅広い年齢層の方々に、チアダンスやストレッチ体操などを指導し、運動の大切さやチアダンスの魅力をアピールしました。

これまでどのような意図で活動してきたのか、また今回の教室の内容や反響などを、アルビレックスチアリーダーズ　マネージングディレクター　栗山由美さん、スクール講師 古俣佳苗さんに伺いました。

多くの参加者の皆さんが、運動の楽しさや大切さを体験。

― 今回の佐渡での活動は健康をテーマにした教室でしたが、どのような経緯で行われたのですか？

栗山 佐渡市の平均寿命は新潟県の平均と大きく変わりませんが、高血圧や糖尿病の方が多く健康寿命は新潟県の中でも短くなっています。健康寿命の向上のためには生活習慣病の改善が重要なポイントです。そのためには運動や食事などの生活習慣の改善が必要となります。今回はこどもから大人まで気軽に出来る運動を教えて欲しいということで佐渡市教育委員会から依頼がありました。特にコロナ禍の影響で外出や運動の機会が減っているので、この教室をきっかけに運動の大切さを再確認してもらえたらいいですね。

古俣 今回は新潟大学との共同プロジェクトで、私たちは「健康教室・こども教室」を、新潟大学は体の状態が数値でわかる「カラダ測定」を行いました。チアダンスやヨガなどのレッスンが、佐渡の皆さまの健康促進につながれば嬉しいですね。

― 佐渡のこどもたちへレッスンを行っていかがでしたか？

栗山 こどもたちも外で遊ぶ機会が減り運動不足が問題となっています。まずは今回のレッスンを通して、身体を動かすことの喜びや、笑顔で踊ることの楽しさを体験してもらい、そしてチアダンスはまわりの人たちも元気にできることを知ってもらえれば。初めての開催でしたが、予想を超える参加がありました。船に乗って新潟市に習い事に通っている子もいるそうなので、機会の提供という観点からも、佐渡で開催できてよかったと思っています。

― 大人向けの健康教室を開催していかがでしたか？

古俣 40～70歳代の方々に参加していただきました。ストレッチやヨガなど、お家でも簡単にできるレッスンを行いました。それらを継続することで、柔軟性が増してケガ防止になります。そして体調が良ければ、もう少しアクティブな運動やスポーツに挑戦してもらえたらと思います。また身体を動かすことで、心も整い明るく前向きな気持ちになることも期待できます。参加された方は「体が軽くなった」「リフレッシュできた」「普段動かさない体の部分を動かせた」などと喜ばれていました。今回の教室が生涯スポーツを楽しむきっかけになると嬉しいですね。

佐渡を盛り上げるために、観光・農業など様々な活動を展開。

― これまでに様々な活動を佐渡で行ってきたそうですね。

栗山 アルビレックスチアリーダーズは、「地域に根ざした活動を通して人と人とを繋ぎ、笑顔あふれる元気な社会をつくる」という理念のもと、2020年から佐渡市、新潟大学と産学官で連携して離島の課題を解決しようという「SDGS地方創生未来デザインプロジェクト」に協力しています。取り組みの一つとしてエンターテインメント性を備えた新しい学びの場を設けることを目的に、佐渡市で9回にわたり、オンラインと対面でチアダンス教室を開催しました。

古俣 そしてレッスンの集大成として、新潟アルビレックスBB公式戦が開催されている長岡の会場と佐渡をオンラインで接続しハーフタイムに会場のビジョンにオンライン出演。受講生がアルビレックスチアリーダーズと一緒に踊りました。

栗山 その他にも加茂湖の牡蠣の生産者を訪ねるオンラインツアーを実施し、生産者の方に養殖方法や味わいについてお話を伺いその魅力を発信したり、酒蔵を訪ね、酒造りの工程や酒の種類について教えてもらいSNSでその魅力を発信したり、活動を重ねてきました。2022年に参画した「世界農業遺産と朱鷺の島スマート農業コンソーシアム」では佐渡の農業が棚田での減農薬栽培、無農薬・無化学肥料栽培を推進していることを学びました。また、女性が棚田でも使える草刈機の実証実験や棚田での米の生産に参加し、収穫した佐渡米のPR活動もさせていただきました。

佐渡でスクールを開校し、子ども達の人間的成長をサポート。

― 佐渡にもチアダンススクールがあるそうですね。

古俣 2021年に幼児から小学生を対象に開校しました。レッスンは月に1回対面で行い、それ以外はオンラインで行っています。教室に通い始めた頃は、恥ずかしくてモジモジする子もいますが、慣れてくると表情がイキイキとしてきます。親御さんが驚かれるほどです。また、まわりのお友達との関わり方や、挨拶、日常生活の基本マナーの指導にも心がけています。

栗山 アルビレックスチアリーダーズスクールの特徴の一つとして、新潟市の大きなホールで行われる発表会や、アルビレックス新潟の試合会場であるビッグスワンでのパフォーマンスなどたくさんの人の前での発表があります。佐渡のスクール生もそんな大舞台での貴重な経験をする中で、こどもたちは自信を付け、人前でも緊張せず堂々と振る舞えるようになります。将来、卒業生からプロとして活動するアルビレックスチアリーダーズのトップチームに入る子が出るといいですね。

― 佐渡の活性化について今後はどのような活動を考えていますか？

栗山 今回の健康に関するイベントは、今後も継続していきたいと思っています。また佐渡にもアルビレックスチアリーダーズのトップチームで活動していたOGがいるので結びつきを強め、健康寿命の延伸に協力していきたいですね。

古俣 チアリーダーは周りの人を応援し元気づけるのが大切な役目です。これからも佐渡に笑顔と元気が広がるように、いろんな活動に挑戦していきます。

アルビレックスチアリーダーズ

サッカー「アルビレックス新潟」、バスケットボール 「新潟アルビレックスBB」の専属プロチアリーダーズとして各アルビレックスのプロモーションや新潟県内外でのイベント出演、こどもたちへチアダンスの普及や施設訪問でのボランティアなど、地域に根ざした活動で “新潟から全国へ”笑顔と元気を届けています。

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