親子で見て、学んで、味わう。味噌蔵見学を初開催

2026.09.24 Thu

峰村商店では、小学生と保護者を対象とした親子味噌蔵見学を初めて開催しました。通常は大人向けの見学内容を小学生向けに組み替え、クイズや身近な例を交えて発酵と味噌づくりを紹介。企画を担当した直売店スタッフの渡邉さんに話を聞きました。

インタビューを受ける渡邉さん

夏休みの親子に、味噌蔵を見て味わう体験を

―今回の親子味噌蔵見学では、どのような体験を企画しましたか。

渡邉 小学生のお子さんと保護者の方に味噌蔵を見学していただき、味噌ができるまでの工程を紹介しました。見学後には、説明内容を振り返るクイズに挑戦してもらい、味噌ソフトクリームも楽しんでいただき、お土産で味噌もお持ち帰りいただきました。味噌づくりの現場を見て、説明を聞き、最後に味わうところまでを一つの体験にしました。

― 今回、初めて小学生と保護者を対象にしたのはなぜですか。

渡邉 峰村商店では、普段から大人向けの味噌蔵見学を行っています。初めて蔵に入った方が、大きな設備や蔵の中を興味深そうに見ている姿を見て、その体験を子どもたちにも届けたいと思ったことがきっかけです。
味噌汁は、学校給食などを通じて子どもたちにも身近な食べ物です。一方で、味噌がどのような場所で、どのように造られているのかを知る機会は多くありません。
実際に味噌蔵へ入り、製造設備を見たり、発酵による香りを感じたりすることで、普段食べている味噌に興味を持ってもらいたいと考えました。そこで、夏休みに親子で参加でき、自由研究にも活用できる見学を企画しました。

味噌蔵体験

暗さも香りも初めての体験。味噌蔵で深まる興味

― 味噌蔵に入った子どもたちは、どのような様子でしたか。

渡邉 味噌蔵の中には大きな機械があり、発酵による独特の香りもします。子どもたちは周囲を見渡しながら、普段目にすることのない設備や蔵の中を見学していました。
蔵に入るための装備を身に着けたときには、「病院みたい」と話したお子さんもいました。
見学が進むと、目にした設備や蔵の様子について、自分からいろいろなことを話してくれるようになり、楽しんでいる様子が表情からも伝わってきました。

見学後はクイズに答え、味噌ソフトクリームを味わってもらいました。帰る際に「また来てね」と声をかけると、元気に応えてくれたお子さんもいました。味噌蔵の見学からクイズ、試食まで参加してもらえたことが印象に残っています。

― 保護者からは、見学内容についてどのような感想が寄せられましたか。

渡邉 見学後のアンケートでは、「子どもにも分かりやすい内容だった」といった感想をいただきました。保護者の方も、子どもたちがクイズに答える姿を見守りながら、一緒に楽しんでくださいました。
自由研究の題材としてだけでなく、家族で味噌ができるまでの工程を学び、夏休みの思い出をつくる機会になったと感じています。

峰村商店の渡邉さん

子どもの反応に合わせて、伝わる言葉を選ぶ

―大人向けの見学を小学生向けに変える際、難しかったことは何ですか。 

渡邉 難しかったのは、低学年から高学年まで、幅広い学年のお子さんに同じ内容を伝えることです。同じ小学生でも、1年生と6年生では理解できる言葉や内容が大きく異なります。
そこで、難しい言葉を分かりやすく言い換え、長時間になりすぎないように、説明する内容や進め方を見直しました。
説明中はできるだけ子どもたちの表情を見ながら、内容が伝わりにくそうな時には別の言葉で補足し、必要に応じて話す速度を変えました。
普段の接客でも、お客様の反応に合わせて説明を変えています。ただ、実際に小学生を案内してみると、大人とは異なる言葉選びや進め方が必要だと学びました。

 ―味噌づくりや発酵を身近に感じてもらうため、説明やクイズではどのような工夫をしましたか。

渡邉 味噌蔵にある樽の大きさや重石の重さは、数字だけではイメージしにくいため、「120キロはパンダ1頭分だよ」など、子どもたちが知っているものに例えて説明しました。
クイズを作る際は、小学1年生から6年生までの理科の学習内容を調べました。そのうえで、見学中に説明した内容から、幅広い学年のお子さんが答えやすい問題を選びました。

クイズは選択式にし、正解だと思うものに手を挙げてもらいました。説明を聞くだけで終わらず、見学で知った内容を振り返りながら、子どもたちが自分で考えて参加できるようにしました。

峰村商店の渡邉さん

蔵見学から、新潟の味噌と発酵文化に親しむ入り口を

―今回の親子味噌蔵見学を通して、子どもたちに味噌や発酵について何を伝えたいですか。

渡邉 新潟では、冬に備えて食材を保存する方法の一つとして、味噌をはじめとする発酵食品がつくられてきました。味噌は、地域の食文化と関わりながら受け継がれてきた身近な食品です。
峰村商店の直売店には、観光客だけでなく、日常的に味噌を購入する地域のお客さまも多くいらっしゃいます。地域に根差した食文化の一端を担う立場として、子どもたちにも味噌や発酵を伝えていきたいです。

今回の見学では、子どもたちに実際の味噌蔵に入ってもらい、製造設備を見たり、発酵による香りを感じたりしてもらいました。普段食べている味噌がどこで、どのようにつくられているのかを知り、その背景にある発酵にも目を向けてもらえたらと考えています。

―今後、どのような取り組みに挑戦したいですか。

渡邉 普段あまり味噌を使わない方にも、味噌に親しんでもらいたいです。そのため、味噌を使ったスイーツの販売や、地域イベントへの出店など、味噌に触れてもらう機会を増やしています。

親子味噌蔵見学でも、工場の稼働状況と調整しながら、学校の長期休業期間などに開催できればと考えています。今回初めて小学生を案内したことで、学年に応じた言葉の選び方や、クイズの内容など、次回に向けて見直す点が得られました。まず実施してみて、子どもたちの様子や参加者の反応から学び、次の企画を改善していく。そうした積み重ねによって、子どもから大人まで、味噌や発酵に親しむ入口を広げていきたいです。

 

株式会社峰村商店
明治38年創業の味噌・漬物製 造業。甘酒や地元農産物を使用した発酵食品の製造、工場直売店の運営、味噌づくり体験、産業観光などを展開し、醸造業を通じて地域を元気にする取り組みを行っています。
https://www.minemurashouten.com/